Laub🍃

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2021.01.02
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カテゴリ: ●BL
仲吉爽は多々良準一がまだ生きていると主張する。そんなに疑うなら会わせてやるよとまで言ってきた。「いいのか?」
「ああ、俺も気になるしな」
そう言って仲吉爽は僕を案内する。
ここだと言われ連れていかれた先は病院だった。
そしてその病室の中に一人の少女がいた。
彼女はこちらを見て言う。「あら、誰かと思ったら兄さんじゃない。どうしたの?こんなところにわざわざ来て」
それは多々良の妹であり、僕のクラスメイトであった。
「どうしてここに……いやそれよりも……」
僕は混乱していた。なぜ彼女がこんなところにいるんだ。
しかも、彼女の姿は明らかに衰弱しており、とても健康的な体つきとは言えない状態になっていた。
「まあ色々あってね。今はこうやって入院してるわ。それにしても久しぶりね兄さん。元気にしてた?」「えっと、お前こそ大丈夫なのか?」

「僕はお前の兄貴じゃないぞ……」「何を言っているの?私はあなたの妹でしょ?」
そう言いながら妹を名乗る女は微笑む。
なんだこれはどういうことだ。この子は多々良の妹じゃなかったのか? それともこの子が多々良の妹であるかのように振舞っているだけか? わからない、何もかもわからない。その時、僕は思い出した。
あの時、仲吉爽が言った「俺は見たんだよ。準一が死んだあと居るところを」という言葉を。
そしてその瞬間、頭の中で何かが繋がった気がした。
それと同時に今まであった違和感がすべて消えた。そうだ、こいつは偽物だ。

「だから何度も言っているでしょう?私はあなたの妹の多々良瑞希だって」
「違う!お前の正体はわかってるんだ!」

「やってみなければ分からないだろう?」
「わかるさ、君はここで死ぬから」
そういうとその女は笑みを浮かべた。
そして次の瞬間には首元にナイフを突きつけられていた。
いつの間に移動されたんだ。全く見えなかった。「どう?これで少しは理解できたかな?」
「くっ……」
「まあいいわ。また来るからそれまでにちゃんと考えておいてね。それじゃバイバーイ」
それだけ言うと女は消えてしまった。
「待て!」
僕は追いかけようとしたが、体が思うように動かない。
そこでようやく自分が恐怖していることを理解した。
なんだあれは人間じゃない。まるで化け物のようだった。
もしあいつが本気で殺しに来ていたら僕は死んでいたかもしれない。
そんなことを考えるだけで震えが止まらない。
でもこのままではだめだ。どうにかしないと殺される。
そう思い僕は必死になって考えることにした。
まずは現状を整理しよう。
今現在分かっている事実としては多々良の妹を名乗った謎の少女がいるということだけだ。
だが、その正体については大方予想がついている。
おそらくだが、
そのために自分の身を犠牲にしてまで、多々良の妹になりすましているのだ。
しかしそうなるとわからないことがある。
それはどうやって多々良の死を確認したかということだ。
確かにあの時は多々良の死体があったはずだ。




#######

中盤までいい感じであとは仲吉が
「居るだろ、なぁ、準一」と呼び掛けるか

「ほら、この子の心の中には準一が居るんだよ」と説明してくれればよかったのに唐突にバトルサスペンスミステリー突入したから魅入ってしまった





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最終更新日  2022.01.24 23:01:38
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