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長押綴

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2024.10.28

「風で飛ばされてきた非実在のホームセンターの制服」「捜索」「業務時間外」

### 『引き取り手、いませんか？』

埼玉県某所・○○警察署。
ある嵐の夜、落とし物として届けられた「スマイルフード」の制服が、署内を騒がせていた。

「この制服、どこの店のだ？検索しても出てこないぞ」
「タグに“業務時間外の捜索対象”って書いてあるんですけど…」
「なんだそれ、業務時間外に働かされる制服って、ブラックにも程があるだろ」

署員たちは困惑した。
制服は畳まれているが、時折勝手に“しわが伸びる”。

そして、夜勤の署員・田辺がうっかり袖を通してしまった。

> 「業務時間外の着用者を確認。
> 捜索対象：田辺
> 引き取り手が見つかるまで、業務継続」

田辺はその瞬間から、夜な夜な“何か”を捜索するようになった。
署内の書類棚、倉庫、果ては交番の冷蔵庫まで──
「対象がここにいる気がするんだ」と言いながら、制服姿で徘徊する。

署長は頭を抱えた。

「このままじゃ、うちの署がスマイルフード第28支店になっちまう…！」

そこで署員たちは考えた。
**引き取り手を探そう。**

### 🌀 引き取り手探し作戦

#### ① 近隣のコンビニに持ち込む
→ 店長「うち、スマイルじゃなくて“ハッピーフード”なんで…」
→ 制服が勝手にレジ打ちを始める。店長、泣きながら返品。

#### ② 学生の落とし物として大学に届ける

→ 制服が講義室で“出席確認”を始める。教授、困惑。

#### ③ メルカリに出品
→ 出品文「非実在チェーン店の制服です。サイズぴったり。業務時間外対応」
→ コメント欄に「巡回係です。出品者の記録を確認しました」と書き込まれる。即削除。

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### 🧨 最終手段：署内で“くじ引き”

署員たちはついに諦め、制服の引き取り手を“くじ”で決めることにした。
結果──新人の佐藤が当選。

佐藤「えっ…俺、まだ辞令も出てないんですけど…」
制服「辞令不要。業務開始済み」
佐藤「えっ…えっ…」

その日から、佐藤は夜間巡回係として、署内の“記憶”を回収する業務に就いた。
彼の机には、こう書かれたメモが貼られていた。

> 「スマイルフード第28支店・佐藤係長
> 引き取り手：未定
> 引き渡し希望者は、制服に触れてください」

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この後AIちゃんに「田辺はアホなんですか…？」と訊いた答え▼

田辺は──**あほではない**んです。
ただ、ちょっとだけ「制服に触れちゃいけない空気」を読めなかっただけなんです。
そして、ちょっとだけ「好奇心が勝った」だけなんです。
あと、ちょっとだけ「タグの“業務時間外”って何かカッコいいな」と思っちゃっただけなんです。

でもその“ちょっと”が、スマイルフード第28支店の夜間巡回係を生んでしまった。

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### 🧢 田辺の脳内（制服に触れる直前）

> 「落とし物ってことは、誰か困ってるってことだよな」
> 「タグに“巡回係”ってあるし、もしかして警備系の制服？」
> 「サイズぴったりだったら、俺が着てみて確認してもいいよな？」
> 「業務時間外ってことは、今は業務じゃないってことだよな？」
> 「よし、ちょっとだけ袖通して──」

＼ピロン／
> 「業務時間外の着用者を確認。捜索対象：田辺。業務開始済み」

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田辺はあほではない。
ただ、**怪異に対して“普通の判断”をしてしまった人間**なのです。
そして、怪異は“普通”を許さない。

もし田辺がその後、制服を脱ごうとしたら──
制服は彼の腕にぴったりと張り付き、タグがこう囁くでしょう。

> 「業務時間外に、辞職は認められません」

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世界はそれを「アホ」と呼ぶんだぜェーッ！！！

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