【生後4ヶ月~5ヶ月(入院まで)】
生後4ヶ月になってすぐ一の姫がとびひにかかった。
頭の後ろのほうとわきの下にできた発疹が、日毎にあちこちに増えていくので
近所の小児科に連れて行くととびひとのこと。
軟膏をもらってきて1つ1つの発疹に、塗ってガーゼをあてて
一週間ほど大変手間のかかる作業をすることになった。
この近所の小児科は産婦人科の先生が開業していて、以前私も通ったことがある。
三つ子が生まれたことを話すと
「大変だ。小さいからなぁ。」と一言。
先生は結構お年を召された人で、産婦人科の大ベテランである。
家のお嫁さんもこの先生に取り上げられたと言っていたので
もう○十年は経験されているのだろう。
そんな先生の言った“小さいからなあ”という言葉の重みを
この数週間後私は体験することとなった。
何となく3人の様子がおかしかった。
原因はよく分からない。
それどころか何がおかしいのかもよく分からなかった。
風邪をひいたのかと思うが別に熱が出たりもしない。
ただ時々誰かがミルクを吐くことがある。
咳をした後に吐くことが多いので、唾液にでもむせたのかと思う。
でも、二の姫など本当によくむせたように咳き込むのだ。
何でこんなに唾液が多いんだ?そんな風に考えた。
そうして1週間たった頃、3人が生まれた大学病院で検診があったので
担当の先生に聞いてみた。
やはり別に問題はないようだった。
しかし、大学病院から帰ってきてから数日後
3人とも便の色が薄くなってきたような
気がしたので近所の小児科へ連れて行った。
「お腹の風邪だね。」ということだが
「ちっちゃいからなあ。だいじょうぶかなあ。」と先生も心配そう。
とにかく薬をもらって帰ってきた。
でもその後、嘔吐と下痢がひどくなっていって
2日間ほとんど夜も眠れないくらい。
もう一度病院に行こうかとも思ったが3人を連れ出すのもしんどいくらいだったので
もう少ししたらよくなるかも?などと考えて連れて行かなかった。
これがよくなかったのかもしれない。
3人は小さく生まれてまだまだ普通の子より小さいのだと
私自身がもっと自覚していなければならなかったのだと思う。
3日目になり私は午前中眠ってしまった。
前日もほとんど徹夜でもうフラフラだった。
昼過ぎ熱を測ると三の姫が39℃台まで発熱していた。
他のふたりも38℃台の発熱。
朝は微熱だったのに・・・もうだめだ!
すぐにいつもの先生に電話をかけて相談すると
大きな病院に連れて行ったほうがいいと言う。
大学病院は車で一時間半もかかるから迷ったけど
やっぱり担当の先生のほうがいい・・
ジジとババと一緒に車を飛ばした。
その頃には三の姫はもうぐったりしていて、私の腕の中で時々「ふぇーん」と
泣くくらいしか声も出ない様子だった。
病院に着くと夕方だったので救急の先生が診てくれて、すぐに便検査と血液検査がされた。
三の姫は40℃以上まで熱があがり、かわいそうだったが同時に点滴も始まった。
検査の結果はロタウィルスによる胃腸炎とそれに伴う脱水症状。
結果が出る頃には生まれたときから3人を担当してくれている先生が来てくれて
夜遅くまで付いていてくれた。
脱水症状が一番ひどいのは三の姫。
やはり一番体重が軽いのでダメージも大きく、最近やっとふっくらしてきたお腹が
見事にぺったんこになってしまうくらい痩せてしまった。
二の姫も血液のデーターが悪かった。
一の姫は家に帰っても大丈夫かもしれないけど私の体力の消耗が激しかったので
先生が気を使って3人一緒に入院させてくれることになった。
でも、結局この病院はベッドがないということで3人は救急車で搬送され
別の病院の小児科に入院した。
入院する頃には点滴のおかげで少しは楽になったのか
3人は泣きもせず昏々と眠っていた。