どうでした?神様のボートは・・・。
私は最初、なんでもないようなことに思えてしまいました(その転校続きの草子とか、、、)。
でもよく考えたらおかしいんですよね。
特に理由もないのに、1年や2年で引っ越してしまう。それってかなりきびしいことですよね。

葉子・草子おやこと、ホリー・ガーデンの果歩とつながっているの、わかりましたか?? (2004年11月16日 03時02分33秒)

●○なつ。の本棚○●

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2004年11月08日
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カテゴリ: ★★★な本
愛する人と出会える日まで、何年も何年も放浪の旅を続ける母「葉子」と、その愛する人との間に出来た子供「草子」。

葉子と草子の視点から、交互に物語が展開します。

江國さんのお話には、毎回素敵な表現がたくさんあります。


-過ぎたことはみんな箱の中に入ってしまうから、絶対になくす心配がないの。素敵でしょう?(本文より)

どんないいことも、たのしいことも、過ぎてしまえば箱の中。


そう言いつつも、葉子自身は「愛する人」が自分を見つけ出してくれるまで、放浪し続けることをやめません。

幼い草子は、葉子について「旅がらす」な生活を続けます。

何度も転校を繰り返し、仲良しだった友達とも別れ、それでも葉子について行きます。

そして成長した草子は現実に目覚め、ある決断をして・・・・




なんでそんなに何度も引っ越さなきゃいけないの?

草子自身も聞いたことですが、それに対する返事は「神様のボートに乗ってしまったから」

それで納得でき・・・・ません。(私は)


江國さん自身があとがきで「小さな、静かな物語ですがこれは狂気の物語です」と語っているのですが、ラストに近づくにつれ狂気が見えてきます。

恋は盲目と言うけれど、「骨ごと溶けるような恋」をした葉子はもうその狂気から抜け出せなくなっています。

娘が母を思う気持ちも、母が娘を思う気持ちも、そして母が愛する人を信じ続ける気持ちも、とても伝わってきます。

女性ならではの細やかな感情表現が、本当に見事な作品です。





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最終更新日  2004年11月08日 17時17分37秒
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読まれましたね!  
こま*  さん

Re:読まれましたね!(11/08)  
natsu530  さん
>こま*さん
こんにちは~いらっしゃいです*^-^*
神様のボートも、面白かったです♪
正直、私が草子の立場だったら小学生高学年で猛反発すると思います(^_^;) 
引越しよりも、転校って結構大変ですよね。
特に仲が良い子が出来てしまうと、さしたる理由もないのに引っ越す母親の身勝手を恨むと思います。
大体、探してもらいたいんだったら一箇所にじっとしてるほうが確率的には・・・とか思っちゃいましたけど(笑)
馴染んでしまいたくない、葉子の気持ちもわかりましたが。
最後、よかったですねぇ。
まさかねぇ、と思ったけど、後味がよい物語は大好きです。*^-^*

>葉子・草子おやこと、ホリー・ガーデンの果歩とつながっているの、わかりましたか??

( ̄□ ̄;)!!お恥ずかしながら、今気付きました。
確かに果歩ちゃんって出てきましたよね。
私、江國さんは「果歩」って名前が好きなんだなぁ~なんてとぼけたこと考えてました・・・ (; ̄ー ̄A アセアセ・・・
(2004年11月17日 09時52分02秒)

ひょひょ  
がんた さん
この物語はね恋人を信じた女の物語ではなくて、
自分の恋心を信じたたくましい女の物語です。
狂気であることが穏やかに当然なできごとです。
みんなおんなじだね。 (2004年11月23日 20時37分52秒)

Re:ひょひょ(11/08)  
natsu530  さん
>がんたさん
いらっしゃいませm(_ _"m)ペコリ 

>この物語はね恋人を信じた女の物語ではなくて、
>自分の恋心を信じたたくましい女の物語です。

うーむ。ほんとにそうだと思う・・・
みんな同じだね、って(怯)

(2004年11月24日 10時05分56秒)

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