●○なつ。の本棚○●

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2005年02月12日
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カテゴリ: ★★★な本
芥川賞受賞作です。


読んでみると一読者である私が、小夜子と全く同じ環境で驚きました・・・。
子供を連れての公園デビュー。
ママ友に囲まれているようだけれど、実際はちっとも馴染めず、打ち解けられない自分。
働きだすと周囲の反対、特にダンナさんの理解を得られずに苦しむ。

そんな小夜子を中心に、そして葵と出会ってからは葵の過去も回想しながら、葵の視点でも物語が展開していきます。

小夜子のような環境にいる女性はたくさんいると思います。
そして、葵のような立場にいる女性も。


のようです、というのは、私にはもっと深く感じたところがあったからです。

小夜子と葵のそれぞれの少女時代がポイントだと思うのですが、特に葵の過去には深く共感している自分がいました。
思春期の多感な時期に、人との関わり方について、みんな多かれ少なかれ悩むことがあると思います。
葵はある事件を起こしてしまうけれど、そこに至る気持ちは、なんだかすんなりわかる気がするのです。

『なんであたしたちは、なんにも選ぶことができないんだろう。何かを選んだつもりになっても、ただ空をつかんでいるだけ。自分で思う方向に自分の足を踏み出すこともできない。』

葵の気持ちが痛いほど伝わってきて、胸が痛くなります。

小夜子は小夜子で、人はなんで年をとるのだろう?という問いの答えを模索しています。
そしてようやく、自分なりの回答を見つけることができるのです。

女の友情、私にとって真の友達とは?と考えさせられる一冊でした。
特に女性にお勧めの一冊です。





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最終更新日  2005年02月12日 23時24分08秒
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