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2005年10月05日
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カテゴリ: ★★★な本
ある善良な家族の上に降りかかった一つの殺人事件。被害者の遺族、そして加害者の家族がその運命を狂わされていく様を、多感な年頃の少女・真裕子を主人公にして描いた社会派問題作。


「hamutan」 さんのお薦めで手に取りました。

ある殺人事件が起こり、犯人は誰だ?!という展開の物語は多々ありますが、本書は 被害者の遺族 や、 加害者の家族 に焦点をあてたものです。


ある日、娘の学校の保護者会に出席するために家を出た母が、夜になっても帰らない。
テーブルには母がいつも残すような書き置きが。

「保護者会のあと、お茶を飲みにいくかもしれないので遅くなるかもしれません。洗濯物を取り込んでおいてね。夕食に使うからキャベツを適当な量、刻んでおいてね」

そのまま夜になっても、翌日になっても帰らない母。
その母を家で待つ、高校生の娘の真裕子が本書の主人公です。



どこにでもある普通の家庭だというのが、この書き置きからもわかります。
そんな普通の家庭が、ある事件を境に崩壊していくさまが詳細に書き綴られています。

読んでいてつくづく思ったのですが、一つの事件がなんて広範囲に影響を及ぼすのでしょう。

被害者の遺族ももちろんですが、加害者の家族も。
特に遺族である真裕子の精神的な衝撃は大きく、読んでいて何度も泣けてしまいました。。。

そして加害者の妻と、加害者の子供達。
確かに自分の夫が殺人を犯したのだけれど、妻である自分や子供達にはなんの責任が?
ある日降ってわいたような加害者というレッテル。

もし自分が被害者の遺族だったら・・・
もし自分が加害者の妻だったら・・・
ものすごくリアルに書かれているので、ついついそんなことを考えてしまいました。

部分部分で、共感できない!と思う箇所もありましたが、所詮被害者でもない私がまるっきり共感できるはずもないのだと思うと、あまり気になりませんでした。

かなりボリュームがありますが(汗)、読み始めたら一気にのめり込んでしまいました。
読み応えがあり、面白かったです!


風紋(上) 風紋(下)

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最終更新日  2005年10月05日 09時29分37秒
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