●○なつ。の本棚○●

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2005年11月02日
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カテゴリ: ★★★★★な本
人類学者アーチボールドの家に、ある日チンパンジーのジェニーがやってきた。生まれたときに母親を亡くしてアーチボールドにひきとられ、自分を人間と思っているこの愛らしい動物を、一家は暖かく迎えた。とくに息子のサンディとの間には、まるで兄妹のような絆が生まれていく。やがて、霊長類研究のためにジェニーは手話を学ぶことになるが、発情期にさしかかったとき、悲劇が一家を訪れる。

ダグラス・プレストン氏はもともと ノンフィクションライター
本書は、 ノンフィクションの形をとった 「フィクション」 なのですが、あとがきを読むまでは、絶対にノンフィクションだと信じてました・・・。
それくらい、リアリティ溢れる作品でした。

物語は 「ジェニー」を良く知る人々や、科学者たちをインタビューしたり、過去の出版物から記事を転載する形で構成されています。

同じ出来事に対するインタビューでも、 科学者から語られる出来事 と、 ジェニーの家族から語られる出来事 双方の立場によって違う ことがあり、多少もどかしいような思いをします。
でも、だからこそ、ここまでリアリティのある作品に仕上がったのだと思いました。

この物語に出てくる登場人物などは実在しない人物ですが、中に出てくる 実験結果などは真実 です。
人間のDNAとチンパンジーのDNAは99%近くが同じもの だといいます。
それでは人間とチンパンジーとを区別する境界線は一体どこに?
チンパンジーが手話を使える なんて!
チンパンジーがこんなこともできるの?などなど、ストーリー以外の実験結果も大変興味深かったです。

この本、ラスト数ページに差し掛かると・・・もう 号泣 でした。
絶対にバスや電車では読めない本です・・・。

「ジェニー」を巡って 悲劇が訪れる ということは読み進めるうちにだんだんわかってくるのですが、結局 何が起こったのか というのは、最後の数ページにならないとわからないのです。

そして、 そのこと を知った人は、もう涙をこらえることはできません。。。

自分を人間だと思っていたチンパンジーが、その時選択したこと。

ほんとに、悲しいお話でした。。。[壁]/_;)シクシク

あとがきを読んで、(フィクションということで)ここまでホッとした話はありませんでした。

ジェニーのいた庭

画像がない・・・(T-T) 「ジェニーのいた庭」





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最終更新日  2005年11月02日 12時06分14秒
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