☆なっちゃん研究室☆

電位差滴定法実験


 硫酸鉄(2)アンモニウム溶液をセリウム(4)塩標準溶液で白金電極を指示電極として電位差滴定し、滴定曲線を作成する。また計算より求めた滴定曲線と比較検討する。


器具・装置
 ビーカー(100,300,500ml),ビュレット,ホールピペット(20ml),電位差滴定装置,マグネチックスターラ


試薬
 0.025N鉄(2)酸性溶液,0.025Nシュウ酸ナトリウム標準溶液,0.025N硫酸四アンモニウムセリウム(4)標準溶液,フェロイン,1N硫酸


操作
1) 硫酸四アンモニウムセリウム(4)標準溶液の標定
 ホールピペットで0.025Nシュウ酸ナトリウム標準溶液20mlを300mlビーカーに取り、1N硫酸約50mlを加えた。
 ビーカー内の溶液に指示電極(白金電極)と参照電極(銀塩化銀電極)を入れ、マグネチックスターラでかき混ぜながら電位差計で電位差を読んだ。
 この溶液を0.025N硫酸四アンモニウムセリウム(4)で滴定したが、滴下量が0.0~12mlまでと25~40mlまでは3.0mlずつ、12~25mlまでは1mlずつ滴下した。滴下毎に2分間かき混ぜ、その後電位差を記録してから次の滴下を行った。
 滴定中に結果をグラフ上にプロットしておき、最後に滴定曲線を作成した。

2)鉄(2)酸性溶液の滴定
 ホールピペットで0.025N鉄(2)酸性溶液20mlを300mlビーカーに取り、1N硫酸約50mlを加えた。さらに指示薬としてフェロインを一滴加えた。
 以降は1)の滴定と同様に、0.025N硫酸四アンモニウムセリウム(4)標準溶液で滴定した。この時は色の変化も記録した。
  滴定結果は1)で用いたグラフにプロットし、滴定曲線を作成した。


結果
 硫酸四アンモニウムセリウム(4)標準溶液の標定の結果は次のとおりである。
 滴下量(ml) 電位差(V)
0     0.61       21     1.05
    3     0.62       22     1.08
    6     0.63       23     1.11
    9     0.64       24     1.14
   12     0.64       25     1.15
   13     0.65       28     1.17
   14     0.65       31     1.18
   15     0.65       34     1.19
   16     0.67       37     1.19
   17     0.69       40     1.20
18 0.72
19 0.80
20 0.94

 この結果をもとにグラフ1に滴定曲線を描いた。
 グラフ1より、19.5ml滴下時に当量となる。当量点における電位差は0.89V。
よって硫酸四アンモニウムセリウム(4)標準溶液の濃度は
  0.025×20/19.5=0.0256 N

 鉄(2)酸性溶液の滴定の結果は次のとおりである。

 滴下量(ml) 電位差(V)
    0     0.48       21     1.11
    3     0.48       22     1.13
    6     0.49       23     1.15
    9     0.50       24     1.16
   12     0.51       25     1.17
   13     0.52       28     1.18
   14     0.52       31     1.19
   15     0.54       34     1.19
   16     0.55       37     1.20
   17     0.57       40     1.20
   18     0.93
   19     1.02
   20     1.07
 この結果をもとにグラフ2に滴定曲線を描いた。同時にグラフ2には指示薬の変色した電位である0.57Vと計算によって求めた理論値による滴定曲線も描いた。
 グラフ2より、鉄(2)酸性溶液の濃度は
  1.電位差滴定から求めた場合(17.75ml滴下で当量点 電位差は0.815V)
   0.0256×17.75/20=0.0227 N
  2.指示薬の変色から求めた場合(16.75ml滴下で当量点 電位差は0.57V)
   0.0256×16.75/20=0.0214 N

 この実験に用いた参照電極は白金電極で、指示電極は銀塩化銀電極である。
 白金電極は白金を電極材料として用いた電極である。白金は化学的にきわめて安定で延性展性があり、ガラスに直接封入でき、しかも水素や酸素の気体電極の触媒として高い活性をもつ。また、白金黒として有効表面積を非常に大きくできるなど、多くの特徴を持つ。
 銀塩化銀電極は銀の表面に塩化銀の層をつけた電極を塩化物イオンを含む溶液に浸した第二種の電極である。再現性の良い安定な電位を示すため、代表的な参照電極として広く用いられる。カロメル電極に比べて高温まで使用でき、電極の作成が容易で、水銀を用いないため取り扱いやすい。


考察
 電位差滴定法において、滴定開始当初は滴下されるCe に対してFe が大量に存在するため、Fe   Fe +e の平衡が成り立ち、ある一定の電位を示す。これはグラフからも分かることで、当量点近傍になるまで電位差にはほとんど変化は見られない。
 当量点を超えると、今度はCe の方が大量に存在する事になり、Ce +e  Ce の平衡による電位を示す。
 当量点以前に成り立っている平衡と以後に成り立っている平衡の間に電位差があるため、グラフ1,2に描いたような滴定曲線を描く。

 滴定槽の溶液に純水ではなく1N硫酸を加えたのは、純水は電気伝導率が小さく、逆に硫酸は高いためである。これにより酸化還元反応の阻害をすることがなくなる。

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