☆なっちゃん研究室☆

原子吸光・炎光分析法実験


 溶液中の元素濃度を求める方法として重要な原子吸光分析法および炎光分析法の原理を修得する.ここでは,人口海水中のナトリウムとカルシウムをそれぞれ検量線法と標準添加法により定量する.


《器具・装置》
 メスフラスコ(50,100ml),メスピペット,ホールピペット,原子吸光・炎光分光光度計


《試薬》
 ナトリウム標準原液(1000mg/l),ナトリウム標準溶液(50mg/l),カルシウム標準溶液(1000mg/l),塩酸


《操作》
 ナトリウム標準原液5mlを100mlメスフラスコを用いて純水でメスアップし,50mg/lのナトリウム標準溶液を調整した.
 50mlのメスフラスコにナトリウム標準溶液をそれぞれ0,1,2,3,4,5ml取り,メスアップした.試料水2.5mlを100mlにメスアップし,その希釈溶液1mlを100mlにメスアップして試料水を4000倍に希釈した.
 50mlのメスフラスコにカルシウム標準溶液をそれぞれ0.0,0.5,1.0,1.5,ml取り,そこに試料水を1mlずつ加えてからメスアップした.
 各濃度のナトリウム溶液と希釈した試料水の発光強度を炎光分光光度計で測定した.
 各濃度のカルシウム溶液の吸光度を原子吸光光度計で測定した.
 測定結果から二つの検量線を作成し,試料水中のナトリウム,カルシウム濃度を求めた.


《結果》
 分析溶液中のナトリウム濃度(および試料水の未知濃度)と発光強度の関係は以下のとおりである.

 ナトリウム(mg/l)   0.0  1.0  2.0   3.0   4.0   5.0 | 試料水
 発光強度         0.8  4.7  8.9  14.6  16.9  21.3 |  21.0


 分析溶液中のカルシウムの濃度と吸光度の関係は以下のとおりである.

 カルシウム(mg/l)  0.0  10.0  20.0  30.0
 吸光度         10.8  24.9  38.1  57.1


 この二つの測定結果をグラフにした.

 グラフより,
 (試料水中のナトリウム濃度)=4.87×4000=1.91×104(mg/l)
 (試料水中のカルシウム濃度)=6.52×50=3.26×102(mg/l)


《考察》
 原子吸光分析は原子スペクトル線の光吸収量を測定して、元素の微量定量分析を行う.すなわち原子に固有な波長の共鳴線を用い,基底状態から励起状態への遷移に伴う光吸収現象を測定する.原子吸光分析で使用されるフレームや高温炭素炉の温度は最高3000K程度であるので,この温度領域ではいずれの元素もほとんど基底状態に存在する.したがって,原子吸光法では基底状態にある原子の吸光度を測定して定量する.
 炎光分析法は,励起状態にある原子が低いエネルギー順位に遷移するときに放射される発光強度を測定して定量分析を行う.炎光法で多くの元素を測定するには,酸化二窒素-アセチレン炎を使うのがよく,ほとんどの元素について原子吸光分析法の検出限界に近い分析ができる.

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