☆なっちゃん研究室☆

錯体合成実験


 配位子場の異なる二種のコバルト(3)錯体の内の一つを合成する.

《試薬》
 30%エチレンジアミン水溶液,6mol/l塩酸,塩化コバルト(2)六水和物,エタノール

《器具》
 100ml三角フラスコ,メートルグラス,メスピペット,ゴム管,アスピレーター,電気湯銭なべ,吸引びん,真空デシケーター

《操作》
 100ml三角フラスコに純水7.5mlと塩化コバルト(2)六水和物2.37gを入れ,溶けるまで混ぜ,ここに30%エチレンジアミン6.1mlと6mol/l塩酸1.6mlを加えた.
 図1の装置を用いて三十分間激しく溶液に空気を通した.
 図2の装置を用いて溶液がゲル状になるまで加熱濃縮した.
 6mol/l塩酸5.0mlを加えてガラス棒でよくほぐした後,エタノール5.0mlを加え吸引ろ過した.エタノールで3回洗った後,粗収量を測定し粗収率を求めた.
 錯体を再び100ml三角フラスコに入れ,6.8mlの純水で溶解させ,13.6mlのエタノールで沈殿させた.
 80℃に加熱し再び溶解させた後,放冷し,氷冷して再結晶を行った.
 この沈殿を吸引ろ過し,90%エタノール4~5mlで洗浄し,質量既知のろ紙箱に入れて真空デシケーターで十五分間減圧乾燥した.
 収量を測定し,収率を求めた.


《結果》
 得られた錯体は[Co(en)3]Cl3・3H2Oであり,外観はわた状の黄色い固体であった.

 塩化コバルト(2)水和物:式量238
 トリス(エチレンジアミン)コバルト(3)塩化物:式量400
 錯体の粗収量:2.04g
 錯体の収量:0.28g

 用いた塩化コバルト(2)水和物1モルに対して同じく1モルの錯体が生成する.
 よって得た錯体の粗収率,収率は以下のとおりである.

 (粗収率)=2.04×100/(2.37/238×400)=51.2%
 (収率)=0.28×100/(2.37/238×400)=7.03%

《考察》
 コバルトを酸化した時間は三十分に加熱濃縮時間を加えたものである.この時間が長ければ長いほどコバルト(2)がコバルト(3)に参加され,収率がよくなる.粗収率の段階で他班よりも数字が低かったのは他班よりも加熱濃縮にしようした時間が短かったからであると思われる.

 収率が非常に悪かったのは最後の吸引ろ過の操作で誤って洗液で錯体を洗浄してしまったためである.
 錯体の合成反応は以下のとおりである.
 4CoCl2 + 12C2H4(NH2)2 + 4HCl + O2 → 4[Co(en)3]Cl3 + 2H2O
 式より水が生成しているので,これが錯体を溶かしたのである.

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