生活雑記2

自己流 水草水槽管理術



理由1:本質を究めることが出来る。
ソイルを使用すると水草育成の難易度が下がり、水草が簡単に育てられる、というのは事実。更に言うと、ソイルを使って水草が育つのはあたりまえ。だが、その為に多くの趣味家がレイアウトばかりに気をとられ、その本質である管理育成に手を抜くようになってしまった。逆に、砂礫系底床では栄養分が全く含まれないばかりでなく、水質調整機能も働かないので、知識がないと水草育成には手を焼く。


理由2:砂礫系底床は一生使える。
ソイル系底床は一定期間を過ぎると寿命を迎え、廃棄しなくてはならない。せっかくバクテリアが繁殖し、水槽に馴染んできた“大地”を捨てるのはもったいない。


理由3:色合いが自然で美しい。
これは特に大磯砂にいえることだが、その自然な色合いは水草によく合い、水景を華やかに見せることが出来る。まさに日本人好みではないだろうか。



●大磯砂でのセッティング

この頁では一般的な60cm水槽での、主に栄養管理法について述べていき、器具のセットや魚の導入など基本的な事は省くものとする。
環境としては、蛍光灯20w1灯~2灯、フィルターは外部~上部、二酸化炭素は無添加~1滴/1秒に対応。蛍光灯が3灯以上や、二酸化炭素を多く添加している場合は、このやりかたでは間に合わない。ただし、蛍光灯は2灯、二酸化炭素も無添加~1滴/1秒程度で十分である。むしろ、過剰な設備はバランスをとるのがむつかしく、育成難度を上げてしまうだけである。


まず、大磯砂を水槽に敷く前にやらなくてはいけないことがある。ソイル系底床と違い、全く栄養分が含まれないので、底床用栄養素の添加を行う必要がある。

NATURE-GARDENでは底床栄養素としてTetraイニシャルスティックとTetraクリプトを使用する。前者は遅効性カリウム+微量元素が主成分であり、後者は速効性カリウム+微量元素が主体である。一般的な水槽ではカリウムと微量元素が絶対的に不足し、水草の生長不良のほとんどが、これら栄養素の欠乏によるものである。

【Tetraイニシャルスティック】            【Tetraクリプト】
イニシャル.jpgクリプト.jpg




具体的な量としては、イニシャルスティックはメーカー規定量である60g、それと合わせてクリプトをメーカー規定量である2錠を水槽に満遍なく散りばめる(※60cm規格水槽の場合)

その後、大磯を均一に敷き、水草を植栽するまでの作業を終わらせる。

この時に魚をすぐに入れて給餌を行える環境(全水量半分程度の飼育水ストックがあり、ろ過材を使いまわした場合)でなければ、窒素とリン酸を多く含む総合栄養素であるアクアフローラ(通称:おこし)を1粒埋めておく。規定量は60cm水槽で5粒なので、かなり少なめであるが、経験上このくらいが丁度良い。藻類が発生してしまっては観賞価値が無くなるばかりではなく、管理者の意欲も無くしてしまうので、それは避けなければならない。

【アクアフローラ“おこし”】
おこし.jpg



●大磯砂での管理

水草を植栽して10日もすると新芽がどんどん伸び始める
グロッソ.jpg
新規立ち上げの場合はこのあたりから少しずつ魚などを入れていくと良い。セット初期では、イニシャルスティックはまだ分解されておらず、クリプトからの栄養素に頼っている。


植栽して3週間~1ヶ月で水草も完全に根を張るようになり生長も加速する。
管理としては毎週1/3程度の水換えを行うのみである。このあたりからイニシャルスティックの分解が進み、肥料効果が表れる。
グロッソ2.jpg
また、立ち上げ1ヶ月経過するとTetraクリプトの効力が無くなってくるので、もう一度規定量を埋めておく。またイニシャルスティックは1年程度効果があるので、頻繁に追肥する必要は無い。


それでも水草に異常が見られる場合がある。

俗に言う白化だ
ミリオ.jpg
画像はミリオフィラム・マトグロッセンセだが、このように生長の早い水草が最初に不調を訴える。これは肥料の効力が無くなったのではなく。底床に埋めた栄養素(カリウムや微量元素)の溶出より水草の吸収量が上回っているのだ。

このような場合にはイニシャルスティックを3~5g(約10本)と合わせてクリプトも1錠程度を追肥する(基本的にクリプトは毎月規定量を追肥すること)




ニューパール.jpg
パールグラスの類も生長が早く、栄養素欠乏を見る指標になる


グロッソ4.jpg
植栽から2ヶ月を過ぎると、水草の量も多くなり栄養吸収がかなり盛んになる。魚が少ない環境では窒素・リン酸不足に陥る。
葉が小さくなってきたら窒素・リン酸不足が考えられる。簡単に見極める方法としては、藻類の発生状態を見ることである。ガラス面に緑藻、水草にヒゲ状の黒藻などが付いていれば、窒素リン酸はむしろ過剰気味である。それらの藻類が全く発生せず、水草の生長が衰えてきていたら窒素リン酸不足が考えられる。ほんの少しでもヒゲ状の黒藻が生えていたら絶対に窒素リン酸を入れてはいけない。

これらの条件をクリアーして、確実に窒素リン酸不足だと判断できた場合に限り、アクアフローラ“おこし”を入れる。ただし、一気に入れるのではなく、1個ずつ様子を見ながら施すようにする。



ラジパル.jpg
このような管理で水草は旺盛に育ち、水換え後の気泡は癒しの極致である。
リシア.jpg



20070129.jpg


90.jpg


60.jpg







窒素 リン酸 カリウム 微量元素
Tetraイニシャルスティック


×




Tetraクリプト


×




tetraフローラプライド

×


×




ADAマルチボトム





アクアフローラ・おこし








※このホームページで紹介させていただいている内容を実践され、結果生じた一切の損害などについては責任を負いかねますので、全て自己責任において実践されますようにご注意願います。

また、このページに記載されている内容は予告なく随時訂正・加筆が行われます。これは常に最上の管理法を模索しているためなので、予めご了承ください


                                                文・神田 亮

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