生活雑記2

藻類の問題



●藻類の種類と栄養源

・珪藻
 いわゆる茶ゴケと呼ばれるもので、水槽のセット初期に発生しやすい。つまり、珪藻は浄化バクテリアと密接な関係があり、生態系が構築されれば自然と消えるものである。一般的には水道水中の珪酸という成分が発生原因とされるが、それそのものが原因というわけではなく、生態系構築の未完成こそを原因と考えるべきである。

・緑藻
 緑色を呈し、ガラス面や水草の表面、流木など、ありとあらゆる場所に発生する。またその形状は様々で、ミドロと呼ばれる糸状性のものからガラス面に付着する群体性のものまである。対処法がほぼ同一であることから、ここではそれらすべてを緑藻として扱う。
 緑藻は主に窒素(硝酸態窒素)を栄養源とし、亜硝酸態窒素やアンモニア態窒素の状態では利用されにくい。よって、窒素循環(濾過)がうまく働いていない状態では硝酸態窒素が生成されないので緑藻は生えにくい。つまり、緑藻が生えるということは濾過がうまく働いているという証拠にもなる。

・黒色糸状藻
 アクアリウムにおいては黒髭などと呼ばれ、撃退が困難な藻類として嫌われている。文字通り黒色を呈し、水草やパイプ、流木などに房状に発生する。活着力は非常に強く、一度発生してしまったものを取り除くことは不可能に近い。
 黒髭は主に無機リン酸を栄養源とし、これは要するにリン酸イオンのことである。

・藍藻
 悪臭を放つものや毒素をもったものなど様々な種類が存在し、厳密には藻類(植物)ではなくシアノバクテリアという菌類である。群体で発生するが、活着力は非常に弱く、簡単に取り除くことができる。しかし、その増殖力は他の藻類の比ではなく、完全に取り除いたつもりでも、その環境が依然として藍藻に適していれば、すぐに復活してしまう。つまり、環境自体を見直す必要があり、それは他の藻類にもいえることである。
 藍藻は主に有機物を栄養源とするようだが、窒素性かリン酸性のいずれが栄養源であるかはよくわかっていない。ただ、有機物が多量に堆積している環境で発生しやすいのは間違いない。


●藻類の防除法

・珪藻
水換えや底床掃除、濾過槽の掃除は控え、生態系構築に全力を注ぐ。つまり、何もせずに時間による解決を待つということだ。

・緑藻
水溶性である硝酸イオンが発生原因であるから、水換えを行い、硝酸イオンを水槽外に排除することが、緑藻を防除する上でもっとも有効である。ただし、窒素性の固形肥料を地中に埋めすぎた場合は、水換えしても次々と水中に溶け出てくるから、肥料の施しすぎには十分注意する必要がある。

・黒色糸状藻
 水溶性である無機リン酸(リン酸イオン)が発生原因であるから、水換えを行い、リン酸イオンを水槽外に排除してやればいい。が、ここで大きな問題があることを忘れてはならない。
 水槽内のリンがすべて無機リンではなく、排泄物や餌に含まれる有機リンの存在を忘れてはいけない。有機リンとは無機リンに分解される前の形態であり、これは水に溶けず、濾過槽内のウールマットや底床内に沈着する。一般的には水槽内でのリン総量の80%~95%が有機リンであり、黒髭の発生には直接的な関与はない。しかし、濾過槽や底床の掃除を怠ったりすると、有機リンは徐々にバクテリアにより無機リンへと分解され、黒髭の栄養源となってしまう。
 水を換えても換えても黒髭の増殖が治まらないというのはこういったことが原因で、ウールマットの交換や底床掃除を行い、無機リンの前段階である有機リンを排除することで劇的に改善することができる。一度発生してしてしまったものは取り除けないので、予防に努めることが肝要である。

・藍藻
 有機物が蓄積していると発生しやすいので、底床掃除や濾過槽の掃除をこまめに行うことが最大の防除法になる。
 一度発生してしまうと根絶が極めて困難だが、こまめな掃除を繰り返すことによって、ある日突然消えたということもしばしばある。最終手段としては魚病薬であるグリーンFゴールドという殺菌剤が特効薬的に効く。ただし、これは水草を枯らしてしまうので、あくまで最終手段である。




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                                                文・神田 亮

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