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2014.03.21

「メトロマニラ　世界で最も危険な街」をみて

テーマ： DVD映画鑑賞(14649)

カテゴリ：映画鑑賞

サンダンス映画祭ワールドシネマ部門ドラマ観客賞など5つの賞を受賞しています。

レーティングは、フィリピンでPG-13指定、イギリスでは15指定、日本とアメリカでの

レーティングは不明です。

【送料無料】メトロマニラ世界で最も危険な街［ジェイク・マカパガル］

あらすじ

フィリピンの山間部の村バナウエで棚田を耕し細々と暮らす農民オスカー・ラミレス

(ジェイク・マカパガル)は、収穫したわずかばかりの米を買い取ってもらいに行きますが、

安値で買いたたかれ、嫌なら持って帰って自分で食べろと言われます。

仕方なくそのお金を持って帰るしかありません。

これでは来季植える種も買えそうにないから、家族で大都市メトロマニラに職を探しに

乳児の次女を連れて村を出ます。

身を寄せるあてもないまま辿りついたオスカー達は、職業紹介所で声をかけてきた男性の

紹介でアパートに住めることになり、少ない有り金を全て叩いて支払います。

しかし、翌日オスカーが日雇い労働を探しに行っている間に、マイ達は警察から勝手に

住むなと追い出され、騙されたことを知らされます。

オスカーが丸一日重労働して得られたのも、水とパンだけ。

オスカーは、お金がないから何も食べさせられずにいる家族にそれを持って帰るため、

自分は食べません。

呆然と路上で待っていた妻子と再会したオスカーは、安全な場所を探してうろつくうち、

スラムに辿りつき、空いてる部屋に入る他ありません。

ケソン市の輸送警備会社の運転手の求人に応募したオスカーは、元警官で1次面接官の

できました。

一方、マイは水着姿で外国人相手に接客するバーで雇ってもらうことになります。

オスカーはオングの後ろ盾を得て、新しい職場で順調なスタートを切ったと思えたの

ですが…。

私の感想

見始めてすぐに思い出したのは、故パトリック・スウェイジが主演した1992年制作の

ハザリのこと。ハザリもインド、ビハール州に暮らす貧しい小作農で、生活に困窮し家を

失い、妻と子供達とカルカッタに出てきます。

ハザリも、オスカーと同じように、すぐに騙されて有り金全てを失い、スラム街へと身を

寄せていくのですが、その後の展開は人生に失望してインドにやってきたアメリカ人医師

マックスなど様々な人々との出会いや衝突を経て作った絆に支えられていました。

一方、本作のオスカーは、ハザリのような出会いに恵まれていなかったと思います。

オスカー一家は、勤勉で正直者なので、日本なら真面目に働く謙虚な人は徐々に周囲の

信頼を得て生活を立て直していけそうに思えますが、フィリピンではそうはいかないようです。

誰一人傷つけたわけでもなく、迷惑をかけたわけでもなく、まっとうに家族を大事に生きてきた

主人公が直面する、そのあまりに厳しい現実が見ていてなんともやるせませんでした。(-ω-;)

写真家でもある監督らしいドキュメンタリー風な映像でしたが、物語はノンフィクションでも

実話でもなく、イギリス人のショーン・エリス監督が書いたもののようです。

オール・フィリピン・ロケで撮影されたそうで、出演者も大多数がフィリピン人キャストで

台詞は英語が少々、後はタガログ語などフィリピンの言語で、見ごたえある作品でした。

副題の「世界一危険な街」というのは疑問でしたが。

南アフリカのヨハネスブルグ(以前ご紹介した故ポール・ウォーカー主演・総製作総指揮作

「逃走車」の舞台でしたしね)とか南米の方がもっと犯罪率が高くて危ないような??

☆☆☆☆

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