日本顎関節症リハビリ研究室 /より安定した快適咬合を求めて

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ぼけ予防には歯を残せ



毎日新聞 2003年11月25日より


 残っている歯が少ない高齢者ほど、記憶をつかさどる大脳の海馬付近の容積が減少していることを、東北大大学院の渡辺誠・歯学研究科長らのグループが突き止めた。アルツハイマー病になると海馬が萎縮(いしゅく)することが知られており、渡辺さんは「ぼけ予防のためには、自分の歯の数を保つことが大切だ」と指摘する。24日東京で開幕したアジア・オセアニア国際老年学会議で26日に発表する。

 研究は、財団法人・ぼけ予防協会が厚生労働省の助成を受けて設置した調査研究検討委員会(委員長、石川達也・東京歯科大学長)のプロジェクトとして実施された。

 東北大グループは、仙台市内の70歳以上の高齢者1167人を対象に調査した。健康な652人は平均14.9本の歯があったが、痴呆の疑いのある55人は同9.4本と少なかった。

 さらに、高齢者195人(69~75歳)の脳をMRI(磁気共鳴画像化装置)で撮影し、残っている歯や、かみあわせの数と、脳組織の容積との関係を調べた。その結果、歯が少ない人ほど、海馬付近の容積が減少していた。意志や思考など高次の脳機能に関連する前頭葉などの容積も減っていた。また、かみあわせ数が少ないと、減少が大きかった。

 渡辺さんは「かむことで脳は刺激されるが、歯がなくなり、歯の周辺の痛みなどの神経が失われると、脳が刺激されなくなる。それが脳の働きに影響を与えるのでは」と話す。



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