ケルトの夢

ケルトの夢

シーズンチケット





2000年 英 監督・脚本は「リトル・ヴォイス」のマーク・ハーマン
私の弱い、"少年もの"です。

イングランドプレミアシップの人気チーム、ブレアもサポーターというニューカッスルのホームゲームは、シーズンチケットホルダーでないと、チケットが入手困難。
もともと全席指定(保安上)になってから、プレミアシップの試合を観るのはチケットが高くて大変。しかも、TV放映も有料チャンネルだから、低収入層はパブとかでみんなで見るしかないみたい。
生粋のニューカッスルサポの15歳のジェリーは、何とかシーズンチケットを手に入れるために親友と金を貯めようとするが…

シーズンチケット500ポンドだから、10万弱だよね。このリアルな数字が、少年たちの奮闘に説得力ある。(このシーズンチケット代は、スタジアム・セントジェームズパークを改装した時に大幅値上げして、ずっとチームを支えて来た以前からのホルダーに大ブーイングだったと聞いた気がする)

苦労を重ねて、ほとんど貯まるんですよ。ところが、なぜこの少年の家が貧しいかというと、とんでもないクソ親父が疫病神でついてるの。正真正銘の見事なクソ親父!

思い余って少年二人は銀行強盗までしようとするんだよね。
全編、イギリス映画らしいシニカルな笑いと叙情にあふれています。
イギリスの福祉事情もわかります。
ラストもね、ウィットがきいて気持のいい映画です。

ニューカッスルのライバルチームといえば、今はニューカッスルに水をあけられちゃったけど、サンダーランド。映画の冒頭で、「ヘイト!サンダーランド!!」ってやってる。そんな生な感じのプレミアサポの雰囲気も味わえます。
で、リアルシアラーが出演してるから、ファンにはたまりませんわ(ヨダレ)。


監督は、辛い現実も笑って吹き飛ばすのがジョンブル流(とは言ってないけど)、映画にはユーモアと人を励ます力がなけりゃ、って考えらしい。
名画『ブラス!』もこの人です。

主役の二人、いいですよ。「イギリス映画の中の忘れられない少年」の系譜です。

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