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「ホームレスが飼ってた猫なんやけど、ひどい話で…」
公園事務所のおじさんが連れてきた、体の小さな女の子。
名前のなかったその猫には”ハルカ”という可愛い名前がつきました
公園事務所のおじさんと運び屋Tさんが教えてくれたハルカの暮らしぶり…
とても悲しくなりました。
一時期、公園にはブランド猫がたくさんいました。
なぜそこにたくさんのブランド猫がいたのか
詳しい経緯はわかりませんが…
流行りの品物を買うように猫を飼い、流行が終わったから捨ててしまう
悲しいけれどそんな人間たちが世の中には多く存在するようです。
明らかに自分たちの意志で公園にやって来たのではない猫たち。
愚かな人間の身勝手な行動…
腹立たしい想像ばかりが頭をよぎります。
公園に連れてこられた猫たちは、その場所で懸命に生きようとします。
捨てられた悲しい記憶を背負っていても、人間のように自ら命を絶つことなどせず…
どんな場所であっても生きたいと願います
そして彼らは野良猫になります。
手術をされていない猫たちは、その場所で繁殖行動をとります。
それは生き物が持つ、ごく当たり前の行動。
自然の摂理です。
彼らは子孫を残すため、何匹も子供を産みました。
生まれた子供たち…
ブランド猫の見た目を色濃く残している猫も少なくはありませんでした。
見た目にはブランドの子猫にしかみえない小さな命
そして、またそれに目をつける愚かな人間…。
「そのホームレス、子猫をペットショップとかに売りに行ってたんや」
「えっ売るって…それを買うペットショップがあるってこと」
「もちろんミックスやけど見た目はアメショーとかやん…
流行りの猫やったりするから、1匹が2万とか3万で売れたらしい」
「…」
「たまたま売れたから、これは金になるって思ったんやろうな…
どんどん猫に子供を産ませて、次から次にペットショップに持ち込んでたらしい」
人間に捨てられた猫たち、その仲間たちが必死で生き抜いて生んだ命
その命をお金にする人間…。
とても愚かで悲しい連鎖です。
その話を聞いて、つくづく人間の身勝手さに嫌気がさしました。
私や仲間たちを助けてくれた「猫の部屋」の人たちや公園事務所のおじさんたち。
協力してくれる人たち、いつも応援してくださる人たち。
みんな同じ人間なのに、なぜこんなにも違うのか…
「本当に何だか悲しくて、情けなくなる」
「…同じ人間だってことが嫌になる」
秘書たちは憂鬱そうな顔をして、そう言っていました。
そんな悲しい連鎖の中で生まれた猫なのだそうです。
何代目かに生まれたハルカには、特にブランド猫の特徴は見えません。
どんな血統を受け継いでいるのかはわからないままですが…
ホームレスさんのテントにいた頃、ハルカも何度か子供を産んでいたようです。
その子供たちも次々にペットショップに売られたのだと聞きました。
秘書たちが唯一、救いだと思えたこと
それはハルカが人に甘える心地よさを知っていたことです
お部屋のそばを通りかかるたび、大きな声で呼び止めて…
一生懸命に甘えようとするハルカ
その健気な可愛らしい様子に、秘書たちは胸が痛くなりました。
そして…
「これ以上、人間の勝手な私利私欲にハルカを巻き込まないでほしい」
そう強く感じたそうです。
ハルカが「猫の部屋」にやって来てすぐ
Sさんはハルカの様子がおかしいことに気が付きました。
呼吸が大きく荒く、ぐったりとしていて…
少しだけお腹が横に張りだしているように見えたのだそうです。
「もしかして、赤ちゃんがいるんじゃ…」
その報告を受けた司令塔Aさんと運び屋Tさん。
避妊手術の日程を前倒しにして、急いでハルカを病院に連れて行きました
Sさんの予想通り、ハルカは小さな体に新しい命を宿していました。
あと少しで、この世に生まれてくるところだったそうです。
「体が小さかったから、連れてきた公園事務所の人も気付かなかったのかな」
「…うん、何だか本当につらい」
手術後、秘書たちがハルカに会った時、
お部屋の中から手を出して、鳴いていました。
静かにハルカを撫でていると…
大人しくゴロゴロと喉を鳴らせてくれたのだそうです
そして何ヶ月かが経過
今、ハルカは「猫の部屋」で元気に暮らしています
ワンルームから卒業し、ドミトリー生活を送ることになりました。
「ほら、ハルカご飯だよ」
みんなと一緒にご飯を食べて、ウトウトと居眠りをする頃になると…
ハルカは住み慣れたワンルームに帰って行きます
そしてお部屋に置いてある段ボールにもぐり込み、寛いだ様子で居眠りを始めます
「ここが自分のお部屋だって思ってるんだよ」
「そうだね、きっとハルカにとって一番安全で、落ち着ける場所なんだろうね」
以前に一度、体調の悪い仲間をハルカのお部屋に入れたことがあったのですが…
その時、ハルカは目に見えて落ち着かなくなりました
何度もお部屋の前をウロウロと歩き回って、中をのぞき込みながら鳴いていました
不安そうなハルカを見て、秘書たちが別のお部屋にハルカを入れてみたのですが…
やはり落ち着かず、元のお部屋の前に戻ってしまったのだそうです
「やっぱり、ここじゃないとダメなのか…」
「じゃあ、ヒュウマを別のお部屋に移動させようか」
ハルカのお部屋の扉を取り、自由に出入り出来るようにしてみました
するとハルカは一目散にお部屋に駆け込んで
段ボールの中で安心したように丸くなったのだそうです
今もハルカはご飯の時間やおやつの時間、
撫でてほしい時や遊びたい時、
外に出て来て、みんなと一緒に甘えます
ただ自分の近くに他の仲間たちがやって来て、秘書たちに甘えだすと…
『シャーシャー』
なぜか怒って猫パンチすることがあります
「こら、ハルカ何でタエちゃん叩くの」
「くーちゃん、何もしてないでしょ」
秘書たちに叱られて、少ししょんぼり横に座っていたかと思えば…
やはりまた他の仲間に猫パンチ
「…何でだろうね」
「もしかして、他の子が怖いから叩いてるんじゃないの」
ハルカの様子を見ていて気がついたのだそうです
秘書たちや他のお当番さんたちが近くにいない時、必ずお部屋の中にいるハルカ。
猫同士でじゃれあったりすることもありません。
奥のエリアまで遠征していくこともありますが、少し緊張しているような素振りもチラホラ…
誰かを叩いた後、まるで逃げるかのようにお部屋へ戻っていくこともありました
「きっと他のドミトリーの子たちと、まだうち解けてないんだよ…」
「そういえばハルカ、仲良しさんもいないし」
「ハルカは怖いのに、他の子は気にせず近くまで来たりするからさ」
「なるほど、それがハルカにはすごく怖くて、思わず手が出てしまってるってことか」
確かに一理あるかもしれない秘書たちの想像
元々、テリトリーが違ううえに、ハルカはホームレスさんのテントで暮らしていました。
他の仲間たちは自由に過ごしていたので、元々、猫同士のコミュニケーション能力は高いと思います
ただハルカを飼っていたホームレスさんは、ハルカをとても”大切”にしていたのだそうです。
「…それって、ただ単に自由にさせていなかったってことかな」
「ちょっと姿が見えないと、いなくなったとかって大騒ぎしてたらしい」
そんな状況で暮らしていたのなら…
ハルカが猫同士で仲良くする方法をあまり知らないとしても理解できます。
人には無防備なほど甘えることが出来るのに、
同じ仲間たちとは上手くうち解けられなくて、猫パンチ
そんなことを考えていて、秘書たちはまた胸が痛んだそうです。
「よし、ハルカの安心できる避難場所なんだから、お部屋はこのまま置いておこう」
「誰か仲良しさんが出来て、一緒にくっついてお外で寝られるようになるといいね」
そして…
ハルカが早く優しいパパやママにめぐり逢い、
本当の意味で大切にしてもらえる日が来ること、心から願っています![]()
優しい天気でありますように… 2014.06.09 コメント(4)
ボーダーライン~彼に伝えたい~ 2014.01.19 コメント(4)