ねこっぽ雑記

ねこっぽ雑記

2004年08月27日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 今日は歌舞伎座の第2部を幕見で観劇してきました。本来行くはずだった20日に行けなかった時点で第2部はあきらめていたんです。「院試が迫っていることを考えても行かない方がいいよな」、と。ところが昨日母親が急に思い立って第2部を観劇。私が観に行きたいのを我慢して観に行っていないのを知ってか知らずか、感想を一生懸命私に話してくるんですよ(泣)。あまりにも「蘭平(「蘭平物狂」のこと)良かったわよ~、蘭平良かったわよ~」と言うので、結局誘惑に負けて見に行ってしまいました。幕見に並ぶ前に念のため三等席の有無を確認したのですが、千穐楽が近いこともあってかやっぱり売り切れ。おとなしく幕見に並びました。並び始めたのは発売20分ちょっと前と結構遅かったのですが、ちゃんと座れました。ちなみに発売直前になって急に人がどやどやと並びだしたらしくて、立見もかなりいました。

【あらすじ…在原行平は、須磨でなじんだ松風のことが忘れられず恋煩い。見かねた行平の奥方水無瀬御前は、奴の蘭平に、松風に良く似た与茂作の女房おりくを連れて来させる。そこへ捕えていた賊が逃亡したとの知らせ。行平は、刀を見ると乱心するという奇病を持つ蘭平を避け、その息子の繁蔵を追っ手に指名する。蘭平は、実は行平に殺された伴実澄の遺児義雄で、行平の命を狙っていたのだが、敵は然る者。与茂作は、自分は義雄の弟と名乗り、証拠の品の銘刀「天国」まで見せ義雄を信用させるが、真実は行平の家臣、大江音人だった。義雄の計略はすべて見抜かれていたのである。大勢の捕手に囲まれた蘭平は、孤軍奮闘空しく、我が子繁蔵の縄にかかるのだった。】
 「蘭平物狂」を観るのは松緑さんの襲名披露以来2回目です。とはいうものの去年10月の国立劇場歌舞伎公演「競伊勢物語」のラストは「蘭平物狂」そのままだったけど。
 さて感想を。奴蘭平役実ハ伴義雄役は坂東三津五郎さん。物狂いの場面で観客を楽しませることができるというのはすごいなぁ思いました。さすが踊りの上手さに定評のある三津五郎さんだなぁ、と。三津五郎さんの踊りは、詩章はもちろんのこと詩章の与えるイメージまで動きで表現しているように感じました。だから観ていてとても心地よかったです。
 後半の大立ち回りの場面は、観ていて「きっと今が三津五郎さんの芸と体力のバランスが一番取れているときなんだろうな」と感じました。そう考えると今回観劇しておいて良かったと思います。たとえ今後三津五郎さんが再び蘭平を演じることがあっても、今回と同じ蘭平は二度と観られないでしょうから…。
 繁蔵役は児太郎君(福助さんの長男)。前回の松緑さんの時は清元延寿太夫さんの次男
の岡村研佑君が繁蔵役だったのですが、私は研佑君の繁蔵の方が好きでした。小さいけれどいっちょまえ、という感じで。
 余談ですが、前回の「蘭平物狂」を観劇した数日後、花屋でグリーンボールという植物の鉢植えを買ったんです。その姿は「小さいけれどいっちょまえ」とまさに繁蔵そのもの。そこで繁蔵と名前を付けて育てたら、その名の通りぐんぐんぐんぐん驚くほど成長してしまいました(笑)。

 おりく実ハ大江音人妻明石は扇雀さん。前回おりくを演じた雀右衛門さんとは随分雰囲気が違いました。扇雀さんのおりくは変な表現かもしれないけど庶民的。一方雀右衛門さんは衣装(赤姫)に比べて確かに中身はくだけているんだけど、それでも気品があるおりく。私は雀右衛門さんのおりくの方が好きでした。
 行平役は勘九郎さん。この後の「仇ゆめ」と180°違う真面目っぷりが印象的でした。勘九郎さんってふざけるときはおもいっきりふざけるけど、真面目な時は本当に真面目だし、いつも目立っているようでいて一方で役に応じて目立たなく演じていたりしますよね。
 そして「蘭平物狂」といえば後半の大立ち回り。きっと捕手役の人たちはいつも以上に意気込んで演っているんだろうなと思いながら観ていました。印象的だったのは、花道に立てられた梯子のてっぺんで逆さまにひっくりかえる捕手の人。4階席だったので蘭平よりもこの捕手の方がよく見えたんです。ひっくりかえる直前、きっとかなり緊張しているだろうにそんな様子はほとんど見せず、一気にバッとひっくり返っていたのが印象的でした。
 2つ目は「仇ゆめ」。
【あらすじ…壬生村に住む狸は、島原の遊女深雪太夫に恋焦がれているが、深雪太夫は舞の師匠にぞっこん。そこで狸は、師匠に化けて太夫に告白し、想いをかなえる。しかし本物の師匠と鉢合わせしたため化けていたことが知られてしまい、廓の主人たちに袋叩きにされてしまう。瀕死の狸は、その真情に心を打たれた深雪太夫の膝の上で息を引き取る。】
 これはいかにも勘九郎さんらしい一幕でした。師匠に化けた狸が踊る場面なんてあまりの可笑しさに清元延寿太夫さんら演奏者の方たちもにやけていたんですから(舞台上にいるのでおもいっきり笑うこともできず、あくまでもにやける程度に収めていた延寿太夫さんたちの様子がまた楽しかった)。あとは竹本清太夫さんが、正直言ってどうでもいいようなふざけた一説を超がつくほど大真面目に語っていたのが楽しかったなぁ。下座音楽なんてバンドみたいだったし。そして深雪太夫役の福助さんはそのコメディセンスを存分に生かして演じていました。
 こんな感じでドタバタする「仇ゆめ」ですが、最後は狸が死んでしっとりと終わり。とはいうものの、なんかあまり見ごたえを感じなかったなぁ。もっと実のある話を観たかったというか。話が単純すぎるように思いました。でも終演後、結構泣いている方もいらっしゃいましたよ。
 というわけで感想は以上。
 ところで今日、歌舞伎座に行く前は結構大忙しだったんです。地元の大学図書館で本を借りてから電車を乗り継いで国文学研究資料館へ。それから歌舞伎座に行きました。もしかしたら第2部に間に合わないんじゃないかと心配したんですが、観られてよかったです。
 ちなみに国文学研究所では、平家物語の講義を担当されているK先生をお見かけしました。そういえばK先生、この間もいらしたなぁ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年08月27日 22時48分43秒
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: