エレファントピア

エレファントピア

Born into Brothels(インド)



監督:Ross Kauffman &Zana Briski
詳細:→http://www.kids-with-cameras.org/bornintobrothels/
評価:☆☆☆/4星

直訳すると「赤線地帯に生まれて」とでもなるだろうか?
77回アカデミー賞のドキュメンタリー部門最優秀賞に輝いた一作。

同作品の監督であり、プロのカメラマンでもあるザナ“おばさん”は、赤線地帯の女性たちを被写体に撮影している間、そこに暮らす子供たちと親しくなった。
「土曜日に写真教室をするわよ。いらっしゃい。」と声をかけ、9人(作品中では8人)の子供たちが集まった。9人の子供たちの成長が、彼らの写す写真を通して描かれる。

貧しさから、幼くして夜の街にも立つ子供たち。怒鳴りあいや罵り合いに満ち、ゴミや異臭に埋もれた赤線の街。それでも、子供たちの目というフィルターを通してみると、街や人がこんなにも明るく、ドラマチックに変異する。


この作品に登場する子供たち、幸運にもザナたちに出会った子供たちは、何千、もしかして何万という子供たちの中でも、奇跡のように運のいい子供たちなのかもしれない。
でも、そんな特異な幸運の一滴でも、無駄だとどうして言えるだろう。


DVDでは、ドキュメンタリー完成から3年後の子供たちの様子も収められていた。3年経って、初めて自分たちの映画を目にする子供たちのそれぞれの反応は印象的だった。
笑い転げて、大きな声で、興奮してはしゃぎ続ける。

泣き出す子、恥じ入る子。
言ったことを後悔する子、耳をふさいでうずくまる子。

「私たちの人生は随分変わったわ。。」
「昔のことは、忘れましょう。」
「昔のことは、絶対忘れちゃいけない。」


彼らの人生は、まだまだ始まったばかりなのだ。
これから彼らはどんな大人になるのだろう。
もっともっとたくさんの子供たちが、「希望」を見つけ、それを本当にしていくためには、一体どうすればいいのだろうか。


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