りらっくママの日々

りらっくママの日々

2008年12月10日
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カテゴリ: 自作小説


今日は年賀状を親に届けに行ってきま~す♪

自分のがまだ終わってないのに~


今日、帰ってから更新できるかわからないので、

ちょっとここのとこきて小説をちゃんと載せてないので、

とりあえず、見直してオッケーな分だけ載せていきまーす!


---

「ある女の話:カリナ」


会社が産休に入って、
最初のうちは何て楽なんだろう~って、ゴロゴロしていたけど、
オナカが大きくて寝返りもうてなくなってきたし、
ずっと歩くのも辛いし、
もう秋だって言うのに、まだまだ残暑も厳しいし、
早く出てきて~!
って感じだった。

ノボルが帰るのを楽しみに、夕食を作って、
週末は二人で夕涼みがてら、レイトショーを観に行った。

駅前の夜は若い男の子が女の子をナンパしていて、
私たちの子供もこんなことをするようになるのかな~、
なんて、私が言ったら、
まだまだ早いよ。
って、ノボルが返してきて、二人で笑った。

幸せだな…って思った。

珍しくノボルが赤木くんを家に呼んでくれた。

結婚して、妊娠してから、赤木くんは、何となく来なくなっていたので、
賑やかな空気が、とても嬉しかった。

ようやく整理できた結婚式の写真や映像を3人で見て、
大騒ぎして笑った。

3人でカラオケに行って、
ノリノリで歌うと、
ノボルも赤木くんも、
そんな大きな声出してたら、
生まれてきちゃうんじゃないか?って心配していた。

男二人もいれば心強いじゃない?
って、言ったら、
ノボルは一瞬、本気でホッとした顔をして笑った。

オナカにいない分、ノボルの方が親になる心配は大きいのかもしれないなぁ。

そんなこと、ふと思った。

その日は赤木くんが泊まっていくことになった。

私が布団の支度をしようとすると、
ノボルが即、手伝いにくる。

「オマエ、ほんとにイイ父親になりそうだな~。」

赤木くんがその様子を見て、しみじみと言った。

ノボルは照れ臭そうに笑った。


二人を勝手に飲ませておいて、
私は久しぶりにベッドを一人で占領することにした。
でも、珍しく一人で眠ったせいなのか、なかなか寝付けない。

二人がまだ飲んでるかな~?と見に行くと、
ダイニングテーブルで赤木くんが携帯を見ていた。

こんな夜中にやり取りする相手がいるんだ?

「あれ?どした?」

私に気付くと赤木くんは携帯をたたんで、ポケットにしまった。

「なかなか眠れなくて、混ぜてもらおうかと思ったんだけど…
ノボルは?」

「布団に転がってたら、すぐ寝ちゃったよ。
仕事ハードなんでしょ?疲れてるんじゃん。」

「あ、そうなんだ?」

襖の向こうで、ノボルが爆睡してるのが見えた。
あどけない顔が子供みたいでカワイイ。
私は電気を消してあげた。

ダイニングの椅子に、赤木くんと向かい合わせで座ると、
何だか変な感じがした。

「あ~、二人が結婚してくれて、ホント良かったなぁ~。
俺の別宅ができた感じ。」

私は、ふふっと笑いながら、
冷蔵庫から麦茶を出してコップに注いだ。

「そう思ってくれるなら、また遊びに来てね。
赤木くんが子供嫌いじゃなければ。」

「え?!マジで?イイの?
行く!行く!」

赤木くんが目を輝かせるので、
私も嬉しい気持ちになった。

「ずいぶん前に釣りに行った時のこと…
カリナちゃん覚えてる?」

「うん。覚えてるよ。」

「俺さ、ちょっと心配してたんだよね。
あの時に、アオヤンとカリナちゃんが別れたりしたら、嫌だな~って。」

私は軽く笑った。

「そんな心配、しなくてイイって言ったじゃない?」

「あ~、まあ…そうなんだけどさ~。」

赤木くんはカラカラと氷を鳴らしてから、
作ってあげたウーロンハイを一口飲んだ。

「どうなるかわかんないじゃん?
男と女のことなんてさ。」

その言葉が、ふっと私の心の中に沈んでいった。

「そうだね。
わからないね。」

私も麦茶を一口飲んだ。

「もしもだけどさ、初めて会った時、
俺が先にカリナちゃんに電話番号を聞いてたら、
こうして結婚してたのは俺かもしれないよね。」

赤木くんが変なことを言うのでドキリとした。

「え~?それは無いでしょ~。」

「うわっ!失礼だな~!」

「だって赤木くんモテそうだし。
私、声かけてきても本気にしないと思うな~。」

「なんだよ、それ~。
遊び専門の男みたいじゃん?
だから結婚できないのかな~。」

赤木くんがクスクスと笑った。
少し淋しそうに見えた。

「え~っと、そうじゃなくて、
こっちが本気になっても本気で相手してくれなさそう。
赤木くんが本気になった相手しか。
でも、私はノボル…アオヤンに何かこう、ピピっと来たんだよね。
そういうの無い?
赤木くんは私の相手じゃないな~って思ったの。
直感で。
赤木くんだって、そう思ったでしょ?」

「ん~、まあ~、
って言うか、俺、あの頃、サキのこと気になってて、
他の女のこととか、あんまり気がいかなかったんだよね。」

「結構一途なんだよね。」

「そ。意外と真面目なんだ、俺。」

笑いながら、赤木くんはお酒を飲んだ。

「いいな~、アオヤンは。
結婚して、子供ができて、家もちゃんと手に入れたし。
俺は何にも持って無いよ。」

ちょっと淋しい気持ちになった。
赤木くんが弱音を吐くのなんて、
初めて聞いたような気がする。
オナカの赤ちゃんがピクリと動いた。

「赤木くんが弱音吐くなんて珍しいね。」

「ん~。何でだろうね?
ちゃんとカリナちゃんみたいな子を選んでれば良かったのかもしんねぇな。
何だか、素直に弱音吐けるよ。
俺はカッコつけ過ぎなんだな…」

「今まで付き合った子のこと、
後悔してるの?」

赤木くんはちょっと考えたように言った。

「ううん。
全然。
手に入れば、もっと良かったなぁ~って思うけど…」

「大丈夫だよ。
まだまだ若いし、赤木くんはカッコいいんだから!
ライブの時なんてサイコーだよ!
あんな才能、私には無いもん。
これからイイ子、たくさん出てくるって。
あ、もういるのかな?メールしてたでしょ?」

「はは…。そうだといいんだけどね。
ありがとな~。
は~やく会いたいなぁ~。
そんな子に。
会って、俺のこと、ギューって、抱きしめてくんねぇかなぁ~。」

「抱きしめるんじゃなくて?」

私は笑いながら言った。

「どっちでもいい~!」

赤木くんも笑った。


翌日も3人でダラダラ過ごして、夕飯にお好み焼きを作って食べることにした。

こんな時にはノボルが台所を手伝うから可笑しい。
普段は子供みたいにお皿並べる程度しかしないのに。

「あ~、飲み過ぎで食いすぎたのかな?腹が痛ぇ~。」

食後に赤木くんがオナカをさすりながら言った。

「大丈夫かよ?そんなに食った?」

「胃薬ならあるよ?飲む?」

私が胃薬を渡すと、
赤木くんは水でそれを飲んだ。

以前赤木くんは腸閉塞をやっているから、
私もノボルも、何だか心配な気持ちになる。

「ねえ、そのオナカさ、触ってみてもいい?」

台所から戻った私に赤木くんが言った。
ノボル以外の男の人に、オナカを触られたことは無いかもしれない。
セクハラに聞こえないのは、赤木くんだからだろう。

「いいわよ。
オナカだけならね。」

赤木くんがクスクス笑って、ノボルの方を見て、
ノボルがいいよ、って感じで頷いた。

赤木くんが恐る恐る、私のオナカに手を当てた。

「うわ~。ホント卵みたいだな。」

そう言った瞬間、
オナカの中の赤ちゃんが動いた。

「わっ!」

「どうした!?」

「今、グルグルって動いたぞ!
すっげぇ~!」

ノボルが初めて、オナカの赤ちゃんが動いた時と同じ反応をしたので、
私が笑いながらノボルの顔を見ると、
ノボルも笑っていた。

あれ…?

触ったのが男の人だからなのか、
私の鼓動なのか…?
体が熱くなったように感じた。

ふと、オナカの中の赤ちゃんが喜んでいる気がした。

「なぁ、この子女の子?
そしたら、オレの嫁さんにしていい?」

その時、オナカの子がピクリと動いた。

え…?

「お~い!オレの嫁さんになってよ!」

その瞬間、オナカの子が確かに返事をした。
グリグリっと、動いたのだ。
いいよ!って感じで。
この人がいい!この人がいい!
そんな感じで、体がほてってきたのがわかった。

「え~、赤木くんがボクの息子になるの?
勘弁してよ~。
年だって違い過ぎるって!
おーい、男でいいぞ~!」

それには赤ちゃんは何の反応もしなかった。

ずっとオナカに手を当てていた赤木くんには、今の赤ちゃんの反応がわかってるらしい。
嬉しそうな、勝ち誇ったような顔をしていた。

「この子が女の子で、赤木くんのことすごく好きになったらいいわよ。
でも、泣かせないって約束してね。」

私が笑いながら言うと、

「約束しますよ。お母さん。」

と、赤木くんは真面目な顔をして言った。

ノボルには言えないけど、
体が変だった。

欲情してる感じに似てる。

抱かれたい…と、
私を通して言っているような…。

自分がやらしい人間になったような気がした。

妊娠してるせいでホルモンが変なのかな?

赤木くんが手を離しても、
この子が興奮してるような感じだった。

でもこの子は、絶対女の子だ…。

そんな気がした。


赤木くんが倒れたって聞いたのは、

その3日後だ。





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最終更新日  2008年12月10日 10時59分47秒
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