りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年06月12日
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カテゴリ: オレとボク
昨日の日記


「アイツとオレ44」




「…
遊びでも何でもいい。」

「一日だけって言わなきゃ出てこなかったでしょ?」

タカダさんは何か言おうとした感じで、
オレの顔を見た。
ちょっと間があって、
ようやく口を開く。

「私ってズルい人みたいだね。」

「そうなるように仕向けたんだよ。」

「…
優しいんだね、赤木くんは。
そうじゃないよ。
ほんとにズルいんだよ。」

「どうしてそんなこと言うの?」

「好きじゃない人と寝れない…。
寝たから好きになった訳じゃない。」

「…」

そんなことを言われると、どうしていいのかわからなくなった。
今日だけのことだと自分に言い聞かせてきたのに、
もっと、もっと欲が出る。

「そんなこと言って、もっと本気になったらどうすんだよ。
困るのはそっちだろ?」

「今だって困ってるよ…。
こっちだって、ずっとブレーキかけてたんだから。
ずっと、いい関係でいたいって…。
はずすつもりなんてなかったんだよ。
本当に…」

「だから、タカダさんのせいじゃないって言ってるじゃん。
オレが、こうなりたかったんだよ。
オレが誘惑したの。
いい?
罪悪感感じる必要無いから。
オレのワガママに付き合ってやったと思えばいいんだよ。
タカダさんがいい関係のままでいたいって言うなら、
このこと忘れたっていいんだよ。」

「忘れちゃうの?」

「タカダさんが忘れればいいんだよ。
それでいいじゃん。
会社を辞めるまで、今まで通りで。」

「そんなことできない。
忘れたくないよ。」

「じゃあ、忘れないでよ。
オレも忘れないから。」

「どうしてそんなこと言うの?
どうしてそんな優しいことばっか言ってくれるの?
貴方は悪くない。
ワガママなんか言ってないよ。
私の意思で、ここに来たの。」

「別に優しくなんかないよ。
本当にそう思ってるだけでさ。
タカダさんが、こんなことになって、嫌な思いすんの、オレ嫌なんだよ。」

「私だって、赤木くんが嫌な思いするのは嫌だよ。
だから…」

タカダさんは下を向いて黙ってしまった。
よく見たら、タカダさんが声を出さずに泣いてるのがわかった。

「だから、こうならないようにしたかったのに…。
だって、私結婚してるじゃん。
どうにもならないじゃん。
もう、どうしていいのかわからなかったよ。

でも、貴方が待ってるかと思うと、行きたかった。
どうしても、会いたかった。
私と同じように思ってくれたのかと思ったら、
気持ちが止まらなかった…。

最低だよね?
だって、今すごくこうしてられると嬉しいんだよ?
罪悪感でいっぱいなのに、
赤木くんといっしょにいたいの。
もっといっしょにいたいの。」

オレは、タカダさんを引き寄せて、
強く
強く抱き締めた。

「もういいよ…。
何も、言わないでも。
わかるから…」


本気になったら、本気の人しか残らない。

本当だ。

もう、それだけで、オレの心は充分満たされたんだよ。



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最終更新日  2010年03月27日 17時27分14秒
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