りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年07月10日
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カテゴリ: ある女の話:ユナ
今日の日記


<ユナ5>



日曜日って何してたっけなぁ~。

何だか妙に落ち着かない。
だからかもしれない。
珍しく母親が料理作るの手伝ったりしてしまった。
「明日って雷雨?」
母親にイヤミを言われた。

寝る前には何となく部屋に子機を持ってきてしまう。
電話は、やっぱり鳴らない。

飲み会の時、
どうして彼女と別れることになったんだっけ?
飲んでいたせいか、うろ覚え。
もっとちゃんと聞いておけば良かった。

友達と遊ぶのに夢中になって連絡してなかったからだっけ?
あんまり毎日連絡取るのはめんどうとか言ってなかった?
連絡しないと文句言われるんだよな~って。
女って、そんなもんなの?
とかって。
比べてもしょうがないのはわかってるんだけど。

電話鳴らなかった。
起きて、ガックリして会社の支度。


昼休み、
いつものように、事務の女子でランチしていると、
高卒女がため息を大きくついた。

「どしたの~?」
先輩が尋ねる。

「ん~、なんて言うか~。
この前のGWにちょっと同窓会っぽいことがあったんですよ~。
で、その時に、ちょっと好きだった人と二人で会う約束できたんですよね。」

おおっ!何てタイムリーな話題。
私はおかずを頬張りながら、耳がダンボになる。

「そしたら、どう思います?
蛍光の黄色い靴下はいてたんですよ?
ちょっと、それ見ただけでガックリしちゃって。
早く帰りたくなっちゃったんですよ~。
絶対彼氏には履いてて欲しくないんです!
私、どーしても蛍光黄色って許せないんですよね!」

「え?そ、それくらいでダメなの…?」

おとなしめの先輩がちょっと顔をひきつらせて言った。

「どこで靴脱いだのよ~?」
とかってツっこみが入る。

「居酒屋が座敷だったんですよ~。」
高卒女が笑いながら答える。

「うん、でもそういうのあるかも。私も蛍光黄色やだな。
でも、もっとヤなのは、スパゲティをすする人~」

私もついしみじみと言ってしまった。

「あ、私もそれダメ!」

もう一人の先輩が言った。

「えー?私自分がすすっちゃうから大丈夫だけどなぁ。」

高卒女が言う。

「そのうち、カワイく見えてきたりするんじゃない?」

一番年上の先輩が言った。

「え?そんなものなんですか?」

「結構…ね。
我慢できない場合もあるんだろうけど、
お互い片目つぶってあげないとね。
両目で相手見たらいけないって母親が言ってたわ。
でも、私も、靴下がピンクの男って許せないんだけど!」

「同じじゃないですか!」

「ピンクならいいんじゃな~い?」

「捨てちゃえばいいのよ!」

「変!って言っちゃえば!」

みんなでツっこんで笑った。

「男が下着で靴下だけってマヌケだよね~。」

「あ、確かに~!」

「私もそう思ってた~。」

「やめて!笑って食べられない!」

「ビキニタイプの水着の男ってヤダ!」

「わかるぅ~!自信満々って感じじゃない~?」

「え~私好き。」

おとなしそうな先輩がそう言ったのでビックリした。

それでゲラゲラ笑った。

「女の子たちは楽しそうだね~。」

おじいちゃんみたいな上司が目を細めて、微笑ましそうに通り過ぎて行った。
何言ってるかも知らないで…。
オカシー!

先輩が何でもないですよって顔で、上品に微笑んでいた。
高卒ちゃんが噴出しそうな顔をこらえている。

みんないろんな女の顔持ってそう…。

もしかしたら、やっぱり、好きな人の前では、
今とは違う女の子の顔を見せるんだろうな…


家に帰ってからお風呂に入って、寝る支度をして、テレビをぼんやり見ていた。
10時をまわった。

多分、今日も電話は来ないんだろうな…。

そう思ったら、何となく淋しくなってきて、
部屋に戻って、
フジサワくんの電話番号を押していた。

ウザったいと思われたら、どうしよう…。

でも、出なくて、代わりに留守電メッセージが聞こえる。

あ、まだ帰ってないんだ?どうしよう…

「…メッセージをどうぞ」
ピーっ。

「あ、あの…。ユナです。ヤマグチ…。
えっと…」

どうしよう!早くなんか言わないと!

「声聞きたくなっちゃって…、電話しました。
じゃあ、オヤスミなさい。」

電話を切る。
うわ~!心臓が鳴ってる!
変なこと言っちゃったかな?
大丈夫?
緊張した~!

こんな気持ちでかけてくれたのかな…先週。

そんなこと思ってベッドに寝転がる。

いつの間にか寝てたらしい。
耳元で電話音がして、慌てて電話を取る。

「もしもし!」

「あ、夜分遅くすみません。フジサワと申しますが…。」

家の電話だからか、フジサワくんは丁寧だった。
一瞬誰かと思った。

「あ、私です。」

「ごめん、こんな遅くに。起きてた?」

時計を見る。11時半。

「う、うん。」
電話が来たことでホッとしてしまった。

「嘘だぁ~。何か声違うじゃん。ゴメンな。
何か、メッセージ入ってたから、つい電話しちゃったよ。
子機だってこないだ言ってたから。
でも、家の人出たらどうしようかって焦った~。」

すっごい饒舌じゃない?
もしかして飲んでる?

「この時間は私か弟しか出ないから大丈夫だよ。
弟は寝ちゃうと絶対取らないし。」

「そうなんだ?じゃあ良かった。
だって、声聞きたいとかってカワイイこと言うんだもん。」

顔が真っ赤になるのがわかった。
眠気が吹っ飛ぶ!
恥ずかしい!

「ゴメンね。
別に用は無かったんだけど…」

「ううん、嬉しいよ…。」

うわっ!どうしてそういう優しい声を出すの?
この声が好き。
ドキドキしてしまう。

「フジサワくん、酔ってる?」

「うん、ちょっとね。
周りが行くと行っちゃうんだけど、オレ酒あんまり強くなくてさ。
あ、知ってると思うけど。」

「明日早いんじゃないの?何時に出るの?」

「うん、でもまあ7時位かな?
ユナは?」

嘘!呼び捨てにした!
絶対酔ってる~!

「私は7時半頃だけど。
じゃあ、早く寝なきゃいけないよね。
ごめんね、ホントに、電話させちゃって。
また電話するね。」

私はすぐに電話を切ろうと思った。
もう声聞けたし、
酔っててもかけてきたし、
満足。

「あ、ねえ。」

フジサワくんの慌てた声が聞こえた。

「ん?何?」

「あのさ…
ユナはオレのこと好き?」

えーっ!いきなり何てこと聞くの?
ヤバい!心臓の音マックス!
顔が熱い~!!!

「うん。」

「ホントに?」

「うん、ホント。」

ちょっと迷ったけど付け加えた。

「好き。」

「…オマエほんとにカワイイな。」

ヤダヤダヤダ!
すっごくすっごく恥ずかしい!

どうしてフジサワくんて、酔うとこんなに口説き上手なの~?

照れてるのがバレるのが嫌で、聞いてみる。

「フジサワくんは?」

「オレ?
…ないしょ!」

「ズル~い!ちゃんと言ってよ~!私も言ったじゃない?」

酔ってるよ!ホントにムカつく~!
でも、ホント好き。
どうしよう。

「…好きだよ。

じゃあオヤスミ。」

照れてるのか、フジサワくんが早口で言う。
でも嬉しい。

「うん。オヤスミ…。」

向こうが切る音がしてから電話を切った。

あ~ん、やっぱりまた会いたい~!
ここにきて、抱き締めて欲しい~!

って、手も繋いでくれないんだけど。

でも、スパゲティすする音させても、
もしかしたら蛍光黄色の靴下でも、許しちゃう!

…って思った。






続きはまた明日

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最終更新日  2010年03月27日 17時47分07秒
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