りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年12月06日
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今日の日記




「ある女の話:カリナ34(初体験)」



私もバイトに土日はいることにした。

夜はしょっちゅう夕食をいっしょに食べた。
平日にデート。
大学の講義が終わってから。

オノダさんは私が早く帰れる金曜を選んで休みを入れるようになった。
待ち合わせて、
いっしょに映画を観に行く。

オノダさんは黙々と映画を観る。
好きな映画は現実にあったような、重い話が多くて、
大学に行った後に観ると眠くなる。

終わってからの感想も、
そんなにハズまない。

「昔って、ああいう差別が平気であったんだね…。
何だか怖いって思っちゃった。」

「うん、そうだな。」

「ほら、あの処刑みたいなシーンもさ、
どうしてあんなこと平気でできるんだろ?って思わなかった?」

「まあ、あの時代はそういうモラルだからじゃん?」

「モラルなの?」

「うん。」

オノダさんが軽く笑って、
それで会話が無くなる。

この人、私の考えに興味なんか無いのかな?
私の何が好きなんだろ?

そんなことをふと思う。

歩いてる時なら、オノダさんが肩を抱いてくる。
隣に座ってる時なら手を弄んでくる。

「オマエの手って小さいな…」

そう言って、
無言の会話をしているような、
そんな空気を作るので、
私もまあいいか…って思うけど。

食べてる時とか、
向かい合ってる時は、
こんなふうに会話が無い時は、
どうも間が持たなくて、つまらなく感じる。

でも、考えてみれば、
自分の家族といても、話がすごくはずむワケじゃないし、
オノダさんは素を見せてるってことかもしれない。
飾らなくていいのかも…。

だからかもしれない、
デートは何となくドライブが増えた。

車に乗っていれば、
そんなに会話が無くても、
曲を聴いてればいいし、
歌を歌っててもいい。
会話がなくても景色を見てればいい。

男の人と付き合うってこんな感じなのかな?

友達とは違う、男女の付き合い。

自分から話を作らないオノダさんに合わせて、
私はこの無言の会話に慣れつつあった。

夕食を食べて、
帰り際にはいつも車の中でキスをされた。

会う度にキスが濃厚になっていくのがわかる。
そのうち、服の中に手が伸びてくる。

その手を私が拒むと、
オノダさんは泣きそうな顔になって、
フーってため息をついた。

「ごめんね…」

「いいよ…
そんな顔するなよ。」

オノダさんは優しく髪を撫でると、
軽くキスをもう一度する。

「きりが無いな…。
帰したくなくなるじゃん。」

私がうん…って頷くと、
じゃ、また…な。
って去ってく。

体中がドキドキ言ってる。
キスされる度に、あれ以上強引にされたら拒めるのかな?
って自信が無くなってくる。

多くを語らないのに、
体からは好きだ好きだって無言で言ってくる。

いい子いい子って、
撫でられて満足している犬や猫の気分になる。

コレが男の人の好きなの?

私にはよくわからない。

それでも触れ合うぬくもりに、
会話よりも心が安心するのは確かだ。


そうやってしょっちゅう会ってるうちに春休みが来て、
その日は雨が降ってた。

午前中から待ち合わせをして、
ドライブに行こうってことになってた。

昼ご飯をファミレスで済ませると、
雨が本降りになってきた。

「どうする?どこ行きたい?」

「んー、雨だしね。
どこ行こうか。」

ホントは動物園に行こうかって言ってた。
私は車の窓についた水滴を見ていた。

「あれ?これ何?」

後部座席に絵本が置いてあった。

「ああ…。
甥っ子が置いてった。
この前遊びに来た。」

「へえ…子供好きなの?」

「うん…。カワイイじゃん。」

ちょっと意外だった。
てっきりオノダさんは子供とか好きじゃないと思ってたから。

子供を遊ばせるオノダさんを想像すると、
何だか心が温かくなった気がした。

私は小さい時から子供に囲まれてたせいか、
大変だったりめんどうな現実を知ってるから、
進んで好きってワケじゃないけど、
彼が子供好きなことは、ちょっと嬉しかった。

車を走らせながら、
いきなりオノダさんが私の手を握った。

「ね…ダメかな?」

「え?何が?」

「オマエのこと欲しいんだけど…」

「え…」

体がいきなり熱くなったのがわかった。

そのまま無言で手を握ったまま、
オノダさんが車を運転する。

指にはホワイトデーにオノダさんからもらったファッションリングをつけてて、
オノダさんはその指輪を指でいじっていた。

くすぐったいのに、その手を拒んだら、
それが聞かれた返事になって、
気まずい空気が流れそうなのがわかった。

私は弄ばれる指の感触を感じながら、
雨粒を見ていた。

このまま付き合って行くなら、
もう拒むのも限界かもしれない。

それ位、しょっちゅう会ってたし、
会う度に求められてた。

長く会う時間があると、
服を脱がされそうになって、
先週はオノダさんの家で服を脱がされたけど、
怖くなってやめてもらった。

その度に泣きそうな表情をするオノダさんに、
何となく申し訳ないような気持ちになった。

だから今日は外で会いたかったんだけど…

でも、もうそういうタイミングなのかも…って思った。
少し今日は覚悟してた。

「うん…。」

「え?!」

オノダさんは心底驚いた顔をしていた。
その表情に私が驚く。
私が断るって思い込んでたらしい。

何だ、断っても良かったのかも?

「あ…じゃあ、やめとく。」

「いや…、ダメだって!」

オノダさんは握った手に力を籠めた。

あ…

コレは本気だと思った。
もう逃げられない…よね。

自分の心臓の音が聞こえてきた。

いいのかな…
ホントにいいの?

いざ、本当にするってなったら、
だんだん怖くなってきた。

オノダさんの家に行くのかと思ったら、
オノダさんはラブホテルに車を入れた。

「いいんだよな?
ここまで来たから、
今日は逃げんなよ…?」

私がオノダさんの目を見る。

私は唾を飲み込む。

オノダさんはさっさと車から降りてしまった。
自分から降りようとしない私に、
助手席のドアが開いた。

「ほら、おいで。
嫌…?」

ホテルから出てきたカップルが見えて、
私はここでグダグダやってることが恥ずかしくなって、
慌てて降りた。

グッとオノダさんが抱いた私の肩に力を入れてきた。

もう引き返せない。

そう思うと、
心臓の音がうるさい。

こんな場所に来てるだけでも緊張するのに…。

オノダさんが部屋はどこがいいか聞いてるけど、
私はこの場にいること自体がいたたまれなくて、
返事もそこそこに頷いた。
頭が真っ白になってる。

オノダさんは慣れたように、
鍵を持って、私の肩を抱いて部屋まで連れて行く。

正直、今までのデートの中で一番嬉しそうに見えた。

どうしよう…
どうしよう…

部屋の中に入ると、
オノダさんは待ちきれないようにキスをしてきた。

怖くて、頭が働かない。
ボーっと突っ立っていた。
キスされてる現実感が無かった。

「どうする?シャワー浴びる?
いっしょに入る?」

私は何も言えずに首を振った。

オノダさんは笑って、
じゃあ俺から浴びてくるって言った。
固まって頷くと、
後ろから抱きしめられた。

「カリナ、かわいい…」

小声で耳元に囁かれたことに、体がジンと痺れた。

何か、やらしいドラマでも見てるような感じで、
これがリアルに起こってることだと思えなかった。

オノダさんが離れてバスルームに向かうと、
どうしていいのかわからなくなって、ベッドに座り込んだ。




前の話を読む

続きはまた明日

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最終更新日  2009年12月06日 22時30分12秒
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