りらっくママの日々

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2010年01月18日
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今日の日記




「ある女の話:カリナ77(プロポーズ)」




突然のことで頭が真っ白になった。

結婚?

結婚って、

どうしてこの状況からそうなるの…?

何て言っていいのか、全くわからなくなった。
でも青山くんは淡々と話を続ける。

「ボクは今仕事でとっても疲れてる。
今だって、ようやく仕事に一段落したら、部署の飲み会だ。
あの女の子は遅いから呼びに来たんだよ。
先輩の婚約者だ。

でさ、
こんなふうに、カリナが突然来ても、ボクはカリナを追ってしまう。
そんなんでいいと思う?
どっちも大事だから、今までだって無理してたんだ。
本当は、会社の休みは寝ていたい。
でも、カリナの側で寝てたいんだよ。わかる?」

メチャクチャなことを言ってると思ったけど、
言ってることは、とても伝わってきた。

無理してた…
その言葉が私を打ちのめす。

好きだから無理してる。
今も無理してる。

わかる…わかるけど…
わからない。
私が無理をさせてたの?
そんな要求をしてたって言うの?
じゃあ、どうすれば良かったって言うの?

こんなことを言い出すからには、
青山くんは、かなり我慢していたのかもしれない。

だから結婚すれば解決するんだろうか?
ますます私の頭がこんがらがって行く。
青山くんは続ける。

「カリナがボクを嫌いなら嫌いでいいよ。
結局ボクがカリナを好きってことなんだ。

このままこんなこと続けてたら、
ボクはぶっ倒れる。
仕事とキミに挟まれて、確実に倒れる。

ボクのことが嫌いなら、もう手を離してくれ。
でも、ボクが好きなら結婚しろ。
ボクのためにいっしょにいて、側で怒ったり泣いたりしてよ。」

青山くんは言いたいことは全て言い終わったらしく、一息ついた。

プロポーズ…?

コレは、キレたからなんだろうか?
それとも真剣な話なんだろうか?
口調だけは冷静な青山くんの言葉に、
真意が計れない。

「いますぐ返事しろなんて言わないから、
帰ってよく考えてよ。
ボクはこれから部の飲み会がある。
戻らなきゃいけない。
ほら、行くよ。」

青山くんは私の手を握った。
そして強引に駅方面に歩き出した。
私の顔を見て言う。

「ちゃんと考えて、
週末にでも返事聞かせて。」

引っ張られるままに私は歩いた。
青山くんの言葉を思い返しながら。

答えがすぐに出て来ないのは、
私が青山くんを愛して無いからなんだろうか?
ううん、そうじゃないと思った。

「どうして…?そんな急に焦るの?」

こんなにいきなりなことを言うのはどうしてなのか、
私には、さっぱりわからなかった。

わかるのは、いつもの青山くんじゃないってことだ。
だとしたら、コレが本来の青山くんなのかもしれない。
もう何年も付き合ってきたのに、
青山くんも初めて感情を剥き出しにしたんだと思った。

「急でもないし、焦ってもないよ。
気付かなかっただけじゃないの?
ちょっとはボクのこと考える時間ある?
カリナは自分でいっぱいいっぱいでしょ?」

「そんなふうに思ってたの?」

「違うの?」

青山くんが私の目を見る。

コレが青山くんの本音なんだ…。

私だって、青山くんに無理させてたこと、
何となくわかってた。
でも、何で今なの?

だから、大丈夫なの?って、
いつも気遣っていたつもりだったのに。
そんなこと、全く青山くんには伝わってなかったんだろうか?

悲しい気持ちが広がって行った。

ズルイよ、青山くん。
今更無理してたなんて。
そんなに本音を出したら私が離れて行くと思ってたの?

お互い心を剥き出しにしたら、
こんなふうに傷つけ合うだけなんじゃないか、って。
それが怖くて、思いやりって言葉で蓋をして、
本音を押し殺していただけだったなんて…。

「じゃあ、ボク行くね。」

駅に着くと、突き放したように青山くんが言った。

「行っちゃうの…?」

こんな気持ちで別れたく無い。
なのに青山くんには伝わらない。

こんな冷たいプロポーズ、いらないと思った。

「連絡待ってるから。」

「結婚するか、しないか…しかないの?」

「もうそうするしかない。」

「脅しみたいだね。」

「そう思ってもいいよ。
それ位、疲れてるんだ。
いっしょに暮らして欲しい。
じゃないと、側にいられそうもない。」

「結婚って…そんなふうに決めるものなの?」

私は悲しかった。
結婚って、
もっと幸せな気持ちで考えるものだと思ってたから。

「結婚は形式じゃないだろ。
じゃあ、ただいっしょに暮らす?
ボクは家を出たっていいよ。」

理想じゃなくて、現実の、生活の話なんだって思った。
青山くんは現実を覚悟して言ってるって。
だから同棲じゃなくて結婚って言ってるんだって。

「それは…無理だと思う。
親が許さない。」

「だったら手を離せよ。
ボクは何のために必要なの?
ボクを必要だとしても、側にいるしかできない。
でも、ボクにだって何か与えてよ。
ギブアンドテイクだ。」

「取引みたいだね。」

「そうかな?
ボクはカリナのこと、ずっと大事にしてきたつもりだよ。
伝わらなかった?」

青山くんは悲しそうな目をしていた。

青山くんの体調より親へのメンツを重んじてる言葉のせいで、
傷つけたかもしれない。
ホントはそんなこと理由じゃない。
そんなことはわかってる。

でも、こんな気持ちで承諾できない。
できるはずが無い。

去って行く青山くんの後姿を眺める。

消えてしまってからもずっと。

待って!

そう思ってるのに、
私はその場に何もできずにしばらく立っていた。

今、青山くんを追っても同じことだろう。
私がどちらかに決めない限り。

どうしよう…って考えて、
その先にバス停の明かりが見えた。

私はフラリと、そのバスにどうしたら乗れるのか乗務員に聞いた。

このバスに乗れば、
解決できるような気がした。

私のこのモヤモヤした気持ちも、全部。




前の話を読む

続きはまた明日

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最終更新日  2010年01月18日 21時23分32秒
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