りらっくママの日々

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2010年02月07日
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今日の日記1

今日の日記2 (「宿命1969-2010」「ブラッディ・マンデイ」「君たちに明日は無い」の感想☆)



「ある女の話:カリナ97(夫以外の異性)」



居酒屋の割引のビラをちょうどもらったことから、
ここに行ってみようか?ってことになった。

ノボル以外の男性と二人で飲みに行くなんて、
本当に何年ぶりなんだろう…。

つい緊張してしまう。
今時の女子高生でも、
こんなに緊張したり、しないんじゃないかな?

何となく、イシタニくんの態度もぎこちなく思えた。

こんな気持ちになるなんて、
ついてきて良かったんだろうか?

雑居ビルのエレベーターを下りて、
店内の入口引き戸を開けると、
割烹着のような制服を着た店員が、笑顔で迎えて来た。

靴を脱いで上がるしくみになっているらしい。
下駄箱に靴を入れると、
長い廊下がガラスになっていて、
下に玉砂利が敷いてあるのがわかった。

もしかして、
結構高級なところだったりして…

よく政治家がドラマで使うような、
密会の場所みたいに、
案内されたところは個室だった。
でも狭い。
机は掘り炬燵のように足が伸ばせる作りになっていて、
私とイシタニくんは隣同士に座らざるをえなかった。

飲み物の注文を先に済ませると、
店員は引き戸を閉めて行った。

三味線のような和風の音楽が、
心を和ませるどころか緊張を誘った。

「なんか…
すごいね。ここ。」

おしぼりで手を拭きながらイシタニくんが言った。

「うん。
何か、政治家が密会してるみたい。」

「色気無いな~。
せめて逢引きしてるみたいって言ってよ。
それに政治家が使うにしては狭過ぎるでしょ。」

イシタニくんが笑いながらそう言ったので、
緊張が少しほぐれた。

自分って、すごいバカなんじゃない?
何、生娘みたいに緊張してんの?

もう女とかって意識されるような歳じゃないわよね…
って、私は自分を少し恥じた。

だってもう、娘は中学生、息子は小学5年生になる。

子供を見てから鏡を見ると、歳だな~って思うようになったし、
写真を撮られるのも、見るのも嫌になってきた。

自分の体が衰えていくのを実感するようになっていくなんて、
若い頃は恐怖だったけど、
なってみるとこんなものかと思った。
そして、なったことが淋しくもあり、悲しくもあり、
やんなっちゃうな~と苦笑いする。

同じ歳の女優や芸能人を見て、まだガンバれるかも?と老いを諦められず、
いや、アレは芸能人だから…って、
自分を納得させたりもする。

何て微妙な歳になってしまったんだろう、と思う。

ノボルとも、子供の成長と共に、男と女じゃなくて、
「家族」って気持ちになっていた。

歳を取るって、こういうことなのかもしれない。

そんなことを最近ぼんやりと思っていた。

世の中には、
不倫だの何だのって、現役バリバリの男女してる人も周りにいたりするけど、
私とは縁遠い世界のことだと思っていた。

でも、実際、こうして夫以外の男性と、
二人きりで密室にいたりすると、
急に気持ちが女になったりするから不思議なもんだと思った。

昔イシタニくんとは、お酒で失敗してる。
どういうつもりで二人での飲みを誘われたんだろう…

変に意識して、色気づいたババアって思われたくないと思う自分がいて、
そのことについて、聞きたいのに聞けなかった。

言ったら変な空気になりそうな気がした。

とりあえず頼んだビールとサワーが運ばれてきたので、
適当にツマミをたのんで乾杯した。

「青山さんは、相変わらずビールダメなんだ?」

「うん。付き合いでは飲むよ。
一口目は美味しいって感じる。
でもやっぱり苦くてずっと飲めないんだよね。」

「俺は少し弱くなったな。
前より飲めなくなったよ。
腹も出てきちゃったしなぁ~。
さっきも走ったら、息が上がるし。
運動しようと思っても、なかなか続かないんだよね。」

イシタニくんは飲みながら笑う。

あ、この空気…

懐かしいな、って、しみじみと思った。

少しドキドキしてる自分がいて、
平常心。平常心。
って、言い聞かせる。

ノボルは、女の人と二人で飲みに行く事ってあるんだろうか?
あったんだろうか?

あまりにも、家の中で男じゃなくてお父さんと言うポジションが板についてしまったため、
そんな心配をしなくなった自分が、
何だか鈍感だったような気がした。

こうして、B子の旦那さんになって、息子さんがいるはずのイシタニくんのことを、
私だって男性として、いまだにこうして意識してるんだから…。

それでも、イシタニくんが私のことを女として意識してるとは思えなかった。
私もその空気を感じてホッとしてる。

私はもう、女じゃなくて、お母さんなんだと思う。
女のカテゴリーから、はじかれてると思う。

子供たちを見て、最近は特にそう思っていた。

ピチピチで滑らかな肌。
化粧をしなくても長い睫毛。
何も塗らなくてもピンクの唇。
無駄な肉のついて無い、スラリとした体。

ふう…って、ため息をつく。

オバさんは誘いやすいと思われたかな。

「どうしたの?酔った?」

「ううん。この空気、
懐かしいなぁって思って。」

つい出たため息を誤魔化したくて、
私はそう言った。




前の話を読む

続きはまた明日

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最終更新日  2010年02月07日 19時35分54秒
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