退学煙草友達夢恩返




あたしは、高校を3年の初めに変えた。
前の学校は商業高校だった。
今の学校はサポート高っていって、単位制の学校。

定時とも、通信とも違う。
簡単に言えば、単位がいる授業のある時間だけ行って
終われば勝手に帰っていいという
大学のような授業制度をとってる学校。

で、どうして学校が変わったのか。
商業高校、1年の終わりあたりにあった文化祭。
合唱のことに熱心になってしまって、男子達とあたしが言い争いをした。

そのとき合唱の練習を引っ張っていた女の子、マグという女の子と、あたしは仲良しだった。
何かあるたびにお互いにハナシて、励ましたり叱ったり、毎日一緒にいた。

あたしが男子と言い争ってるところを見て、マグが泣いた。
あたしに一言『触んないで』って言ってどこかに行ってしまった。

それから、あたしは一人になった。
あからさまなシカトをするわけでもない。
だけどクラスの大半の女子があたしを明らかに避けてるのがわかった。
文化祭記念に作られた待ち受け画面に、あたしの名前はのってなかった。

移動教室もヒトリで行った。お昼ゴハンも一人で、違う校舎で食べた。
もう諦めて輪に入ることもせず、学校で口を開くことがなくなった。

何も関係ないふりをして気付かないフリをしていた人たち。
その状況を影で楽しんでいた人たち。
噂話にしてコソコソする人たち。

周り全てが敵に見えた。

これもイジメだって気づいたのはもう少し先だけど。
別にクラスの女子からハブられんのなんて初めてじゃない。
中3のときなんかもっとひどかったんだから、どうってことない。

そう思い込もうとした。

朝になると親の目が恐くて学校にいく準備をして、いつもの時間に出た。
制服の袖に腕を通すとき、皮膚が痛くなるようになった。
お昼ゴハンも食べずに、違う校舎でずっと座ってた。

『男の人』で書いてたサクと別れてから1ヶ月で、これほどまでに周りが変わった。
友達も、大好きな人も、一気になくなった。
支えになるものなんて、何もなかった。

支えにしようともしなかった。

崩れた。
壊れた。
潰れた。

年を越す頃には、腕が傷だらけだった。
浅い傷が、数え切れないほど。まるで何かの模様みたいに。
どこかの傷が治る頃にはまた新しい傷ができて、その繰り返し。

ココロもカラダも、その繰り返し。

それから、シホという子があたしを引きずり出してくれた。
何がきっかけだったか、移動教室もお昼ゴハンも、シホが隣にいた。
あたしの手首の傷をみて、オロナインをもってきてくれてた。

いろんなハナシをした。
たくさんの笑顔をあたしにくれた。
あたしは救われたんだと思った。素直にそう感じた。

それから、なっちんやユウが心配してくれるようになって
あぁ、あたしコレ治さなきゃって思った。

あたしがカッターの変わりに頼ったものは煙草。
気がまぎれればやめられるかなっておもった。
最初は1ミリの煙草。久しぶりにくわえた煙草。

まんまとあたしは煙草に移行した。
だけどどんどんとタールやニコチンの数値は上がっていって
高校2年の初めには既に8ミリのマルメラを吸ってた。

1年の終わり、あたしを引きずりだしてくれた友達。
大切だった。

でもやっぱり、1年3組というクラス。周りにあれだけ人間がいるだけできつい。
周りにたくさんの人間が、マグやそれとつるんでるヤツらがいる環境。
そこに、一日のうち7時間、8時間いるという生活に、だめになった。

だけど、親の目が恐くて、怒られたくなくて殴られたくなくて
行きたくないなんていえなかった。

2年になるというときのクラス替え。
また3組。マグと同じクラスだった。

1年3組でマグとつるんであたしを避けてた人たちは、ほとんど違うクラスになった。
あたしとシホも違うクラスになった。なっちんもユウも。

でも、新しいクラス。
モト3組のヤツらはほとんどいない。
あたしはあたしなりにうまくいくかもしれないと思ってた。

だけど
マグが寄ってきた。
何もなかったかのように。

あたしも、期待を捨て切れてなかったところがあった。
あきれた部分のほうが多いとはいえ、またあの頃のように何でも話すようになってた。

人間って、こんなもんなんだ。
そうやって諦めたり期待したりした。

そんな生活をしていると、学校がやっぱりきつかった。

煙草の量が増え、部屋でもおもいっきし煙草を吸うようになった。
そのうち、灰皿がお父さんに見つかった。
初めて見つかったのはたしか2年の半ば。

本気で殴られて、蹴られて、飛ばされて、あたしの言い分なんてヒトツも聞いてくれなかった。
殺すぞ、そのコトバと拳がいったりきたりで、あんまり記憶はないけれど。

そんなことがあっても、やっぱり煙草がないと学校でもやってけなかった。
昼休み、他の知り合いたちとトイレで見張りたてて順番に煙草吸ってた。
放課後、部活の前と後は体育館のウラで煙草を吸ってた。

そんで2回目。
2年の12月だか、1月だか、冬あたりにまた見つかった。

今度はイキナリ殴りかかってくることはなかった。
だから、あたしも全部話した。

いつも左手にしてるリストバンドを、お父さんの前で初めて外した。
傷を見て、お父さんは一言ゴメンと言った。

あたしは、学校に行きたくないということ
むしろ辞めたいこと、マグのことも中3のときのことも全部話した。

担任にも話した。
それから、あたしは3学期のほとんど学校にいかなかった。

1,2学期無欠席だったから、全然単位は足りてたから
2年最後のテストをうけて3年にそのままあがった。

またマグと同じクラスだった。
でも、そんなものもう意味をもたなかった。

完璧に辞めたいと思っていたその学校。
だけど、あたしには夢があって、どうしても専門や大学にいきたかった。
大検なんて、オチこぼれでサボり魔でめんどくさがりのあたしに合ってるわけがなく
通信もそれと同じだったし、夜間はイヤだった。

そのときパソコンで検索して出てきたのが今の学校。
ハナシを聞いていくうちに、この学校なら、と思った。

それから転校の手続きをとって
今までいっていた商業高校とはケタ違いの学費を払って、今の学校になった。

お父さんにたくさんの迷惑をかけてる。
今も、専門に進学すると決めたこれからも。

煙草のコトは、もう見てみぬフリをしてくれてる。
最近は、最低限のことをしてれば何に対しても怒ることがなくなった。

恩返しをするために今度こそ卒業するし、ちゃんと専門に行ってちゃんと就職する。
今のあたしにはそれを成すことだけが恩返しになる。

あたしの人生をちょっとだけ変えた出来事でした。(何
めっさ長くてゴメソwww





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