どくだみ音楽

どくだみ音楽

彼の父親観の或る部分



 前回、衝動的に始めたのだが、ネット上にアップはせずにいた。『nの日常日乗』の方に書けばそれでいいか、とも思ったからだ。
 ただ、やはりだらだらと書く場所も欲している自分がいるわけで、意を決してアップすることにした。

 再びこの企画を始動するきっかけになったのは、父が自分のサイトを始めたことかもしれない。まったく以て文系的、物書き的な一家に生まれてしまったものだ。あちらも随筆寄りの日記系とでもいえる感じであり、このサイト(『nの殿堂』ではなくて。)のあり方にも近いものを感じる。
 少し、父のことでも書こうか。
 私は自分のことをきわめて保守的で偏狭な視野を持つ人間だと思うのだが、それに比して父は間口の広い人のように感じる。音楽関連の話題に対する造詣の深さ(本人は否定するかもしれないけれど、私にとっては深い)には敬服しきりだ。その他にもまだまだ聞けていない話があるだろうが、それはこれからのお楽しみ。逆にこちらから流れる知識も、増えるといいなと思う。パソコン関連の話が2人の間に発生したので、そういう場面も増えるかもしれない。
 まあ、もちろん偏狭が必ずしも悪いわけではないと思うので、どちらが良いとか悪いとかそういう話ではないのだが、自分とは違う面を持っているので面白い。
 1つ屋根の下で暮した時間はそれほど長くはなくて、私が過ごした時間のすべてから見れば4分の1ほどになってしまったわけだが、「だからこそ」という関係性も持てているように感じている。
 説明は不可能なのだが、そういう感じ。まあそれ以外の人生を送っていないので、純粋に比較するというのはどだい無理な話なのだが。

 そんな父が、サイトを始めた。パソコンに触れ始めてまだ日が浅いというのに、うちよりもよほど体裁が整っていて(笑)刺激を受ける。パソコン購入につきあったのだが、バンドルソフトの中にあったホームページビルダーか何かを使ったものと思われる。すごい時代だなあと感心する。
 数年前に世界はWWW(WorldWideWeb)草創を迎えたわけだが、そのころは「これで自分にも情報発信ができる!」と意気込んだ草の根ネッターが多かったという。そしてその熱意は、発信する情報が何もないということに気づいてため息に変わったという笑えない話があった。
 私も父も、その時代からのネット利用者ではないので(2人とも本格的にはここ半年以内に始めた)、それが幸いしているのかもしれない。やはり、草創当時は「万人に対して開かれた有意義なサイト」こそがあるべき姿であるという風潮の中にあったのだろう。気軽に「発信する自分を楽しむ」ことができる今とは、そこが決定的に違う。
 その流れが内包している負の面(情報の氾濫、空虚化、メディア覇権の変遷など)ももちろん忘れるわけにはいかないが、情報は発信しなければ伝わらないものだ。その意味で、親子2世代にわたってウェブマスターを務めることになった我々が、面白い縮図になっているのかもしれない。

 と、なんだかいきなりものすごい脱線だなあ…。しかしこういう、感情にまかせた、野放図な文章を書くために設けた場所なので、まったく問題なし、である。それではこれからもいけるところまで、願わくば最後までおつきあいを。






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