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まんざら捨てたものではない日本人の英語

なぜ、モノにならない?日本人の英語
第三回 まんざら捨てたものではない日本人の英語

市民講座「なぜ、モノにならない?日本人の英語」にまたまた行ってきました。今回のテーマは「まんざら捨てたものではない日本人の英語」と称して、この大学には珍しい、サラリーマンの経験を経て大学教授になった先生の英語との出会いから現在に至るまでを聞いてきました。

まず、驚いたのが、高校卒業までに9割の学生が英語の落ちこぼれになっているという現実。この英語の落ちこぼれというのは、高校卒業時に英検2級に合格するかどうかというのが基準になっています。

では、なぜ高校卒業時のレベルが低いのか?その理由として次の4点を挙げられていました。

① ボキャブラリーが不足している(少なくとも、偏っている)
② 読解において、「英語→認識」であるべきなのに、「英語→日本語→認識」になっている。
③ 作文・リスニング・スピーキングの力不足
④ 文法を知らない

まず①のボキャブラリーの不足に関しては、"philosophy"などのintellectualな単語は知っていても、「足首」や「足の裏」というような単語は知らないとのことです。もっと使える具象名詞を知らないことが問題であると指摘されていました。

単語の覚え方にはコツがあって、文脈の中で意味を捉えること、語源をとらえて単語の持つ意味を覚えることが一番のやり方だとか。

今出ている受験用の単語集ではZ会の「速読英単語」が一番の売れ筋だそうです。でも、語源が載っている「試験に出る英単語」(これは私の世代ですね~)が一番いいとか。だけど、受験じゃなくて、社会人になってから英語をやり直ししている人はやはり読みながら、語源も考慮に入れていくのが一番いいのかも知れません。

先生のお勧め本は『英単語に強くなる』(岩波ジュニア新書)だそうです。

②の読解に関しては、英語の達人と呼ばれる人でも、下手すると「英語→日本語→認識」というように読んでいるとか。そのためには速読の訓練が必要だとのことです。自分自身を振り返ってみると、確かに小説などは読みながら「英語→認識」になっていると感じますが、それでも時々間に日本語を介して理解して、また気分が乗ってきたら英語→認識になっているような気がします。もっと難しいもの(TIMEなど)ではやはり日本語を介していることが多いように思います。

100万語を読もうというのは、簡単な英語から読んで行こうという試みですが、これ、結構いいかも!

③に関しては、「作文は自分の英語力の総力である」とのことでした。そして、リスニングに関しては、今はMDやCDの普及により、英語環境はとてもよくなっているので、ぜひそういったものを活用するべきだと思います。そして、最後にスピーキング。先生によると、作文が出来なければスピーキングは無理だとのこと。

④の文法でつまづくのは、「文法そのものを知らない」場合と「文法的説明をしても、文法用語を知らない」場合とに分かれるそうです。

先生によると、日本人が英語を学ぶ場合、

「文法→読解→リスニング→作文→スピーキング」

というのが鉄則だということです。「インプットからアウトプットへ」というのがやはり原則なんですね。あとは、早い段階で発音記号が読めるようになっておくことが大切だそうです。

最後の結びの言葉として、先生がおっしゃったのは、

「英語力は筋力と同様、訓練を怠るとすぐにダメになる」

でした。(耳が痛いにゃ)



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