.



やれるだけのことをやり尽くして

できることが もう何もなくなってしまったとき

人はどうしようもない無力感に苛まれる


よかれと思ってやってきたことが

ことごとく報われなかったと思い知ったとき

抗うことのできない虚しさに襲われる




それでも 諦めたらそこで終わりだと思ったから

まだ投げ出すのはやめよう って

まだ何かできることがあるんじゃないか って


投げ出すことだけはしてはいけないと思ったから

もう少しだけ頑張ろう って

あともう少しだけ頑張ってみよう って




それはちょうど長距離ランナーが自らを励まし続けるように

そんなふうに なんとかここまでやってきたのだけれど

最終目標として定めたその日にとうとう到達してしまった




ずっと考え続けてきたつもりだし

できることは すべてやり尽くしたと思う

無力感とも 虚しさとも もう十分戦ったと思う


だからもう 終わりにしよう

できることなどないのだろうし

伝え残したこともないはずだから







© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: