虹色のパレット

虹色のパレット

2005.11.10
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カテゴリ: 心・人生


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・。


ぼくは、倒れるどころか、ひどく気分が良かった。
今まで感じたことがないくらい・・・。
いつもキリキリと痛んだ胸が、ほわっと暖かいような気さえする。



ぼくは、恐る恐る目を開けた。



わー! ま、眩しいー!!!



hikari



ぼくは思わず、右腕で光を遮った。


ぼくは、全てを理解した。


凍っていたぼくの心に光が届いた暖かさだったんだ。


ああー、ぼくの百億年の氷河が溶けている。

今、百億個の涙になって流れ出している。

一つ一つの涙に光が当たり、
きっとぼくは、クリスマスツリーのようだっただろう!!

あの青く冷たい氷河が暖かく輝く虹色の涙に・・・。

止め処もなく流れるぼくの涙。

ポケットいっぱいの死ぬ方法も
すっかりこぼれ落ち、
ぼくはひどく身軽になっていた。


「女神様。ぼくを助けて下さったんですか?」



「え・・・・、ぼくが???」

”覚えていますか?あなたが死を決意してから、ご自分の為に次の角まで全力を振り絞って歩いた事を。”

「それが・・・???」

”それから、あなたは、あの消え入りそうなあなたの心のともし火をいとおしく思いました。あなたは、あなたを愛したのです。光をあなたの心に呼び入れたのは、他ではない、あなた自身の愛なのです。”

「ほんの、一瞬のことです。」



「そうです。心のそこから、ぼくは、ぼくをいとおしく思いました。」

”人が耐え抜いた闇の大きさは、その後に輝く光の大きさです。”

「ぼくの苦しみは、孤独は、悲しみは無駄ではなかったんですか。」

”この世に無駄なものは一つもありません。”

「じゃあ、これからぼくは幸せになれるのですか?」

”あなたが望み、あなたがそれを求めるなら。”



「ふふふ・・・。くっくっく・・・。わ、はっはっはっはっは・・・」

何故だか知らないけれど、心のそこから笑いががこみ上げてくるのをどうすることも出来なかった。

ぼくは笑った。笑った。笑った。


”泣いて笑って疝気の薬 ♪♪”

そんな歌声と共に、
光の女神はきらきら光る金のこなを残して遠ざかって行く。


「め、女神様あー!!」

なに笑ってるんだ!ぼくは女神様ともっと話したかったのに!!

”私は、あなたといつも一緒よー”

小さく小さく、でも、はっきりと聞こえてきた。

ぼくは周りを見回したけれど・・・・。

かさかさと、枯葉が舞っているだけだった。





夕暮れの道を、引き返しながら、

ぼくは、死を決意した場所で長く立ち止まって物思いにふけった。

もし、ぼくがここにぼくの死体となって転がっていたら、ぼくは幸せだったのだろうか・・・・・。

ぼくは、ぼくの為に涙を流した。

そして、ぼくは、 ぼくが  生きている  ことに  感謝  した。




       さやさや、きらきら、涼やかなあの天使の歌声が聞こえてきた。



tensi2




             「君たち、見送りに来てくれたんだね。」

           ”ほ^ほ^ほ^ほ^^・・・。”


               「さっきはごめんね。酷いこと言って!」

            ”さよなら三角 ♪”

                      「また来て四角 ♪」

                 「バイ、バーイ!!」

          ”’、、’☆’☆’☆’☆’、’、、’’、、’、、、、、”








                     The End











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最終更新日  2006.01.16 01:19:13
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