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May 16, 2004

『家守綺譚』梨木香歩

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テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91833)

カテゴリ：カテゴリ未分類

庭とたくさんの草木に囲まれたこの家は、小鬼や河童、季節折々の憎めない物の怪、そして死んだ高堂までが掛け軸の中から現れる不思議な家でした。サルスベリの木に惚れられたり、たぬきに化かされたり犬に守られたり、とても不思議な出来事なのに、まるで当たり前のように穏やかでやさしい世界として語られたものでした。

草木の題名で６～７ページごとにまとめられています。そのすべての花達が、私ははっきりわかるわけではないのですが、その前後の語られ方やその一つの物語により想像させられるような美しい文章。どこか抜けているようで憎めない主人公。セミが鳴いたり、風や太陽や草木によって感じることができた季節感などがとてもいいんですよねぇ。

登場人物たちにより、ゆっくりと過ごされてゆく日常がとても懐かしくうらやましくなる1冊でした。
とても品のある表紙で、手元におきたい本の一つとなったのでした。

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