やっぱり本が好き♪

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July 28, 2005

『サウスバウンド』奥田英朗

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91902)

カテゴリ： ♪本の覚え書き♪

主人公小学６年生の上原二郎の父一郎は元過激派と呼ばれ数々の武勇伝のある人物。働いても搾取されると言って家で形ばかりの物書きをし、姉と妹をふくめた一家５人の生活は母の喫茶店経営の収入のみ。年金も税金も払わず公務員にはたてつくし、学校へきては修学旅行代金が高すぎると文句を言う人物。ここまでうるさい父親はどうしようもないな、と腹立たしいやらあきらめ感やらが私の中にまでわいてくるような姿なのです。

そんな父をしり目に、二郎はのびのびと遊びよく食べ、小学校生活を謳歌しています。しかしそんな二郎に不良中学生カツが目をつけます。
さぁ、物語は大展開を始めます。もうここは一気読みしかないでしょう♪

この本の表紙は青い空に入道雲、瓦屋根にシシ顔の飾り…とくれば沖縄ですよね。しかし半分以上は中野ブロードウェイでの二郎の青春物語で、更なる事件の後舞台はこの沖縄へと移ります。

中野での生活はこの沖縄でのことを語る上での前置き程度でしかなかったことが読み終えて感じられましたね。

５百年も前のアカハチ伝説になぞられて描かれた、読み終えてとても気持ちのいい物語となっていました。

対立する両者とそれを話題として取り上げようとするマスコミ、そして当事者なのにのんきというか人間臭い地元の人たちの様子は「あ～こういうものなんだろうな…♪」というこっけいさがあって、その本質を楽しく読み諭されているような気がしました。

「またこの一家に会いたいな」と読み終えて思うのでした。

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