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August 23, 2005

『夜のピクニック』恩田陸

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91902)

カテゴリ： ♪本の覚え書き♪

夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。この一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった。

何を勘違いしたのかとてつもなく恐ろしい話だと思っていたんです。それが恩田さんのＱ＆Ａという作品の方だとわかってあわてて図書館へ向かったのでした。
しかし本屋大賞になったり、いろいろな書評でもすっかり話題となっていたのでやっと手元に届いた～という感じでした。

一言でいうと、歩くのが大好きな私にはとても共感できる青春小説でした♪

アメリカへ転向したかつての友達という、直接的には登場しない語られるだけの友人という設定が効いてましたねぇ！そして少年によって語られる日本の良いところとそうでないところ、さらにそのよいところではないことの中にある良いところ…ネタバレになるのでわざとまどろっこしく書いてみました（笑）…その使い方がとてもうまいですね。

確かに歩いていると様々なことを考えます。景色の中の新しい発見や自分の行動の反省とか、独り言のように自分に語りかけたりしているんですよね。
ふだん瞬間的に頭の中で考えて終えてしまうようなことを、すべて言葉にしていただいてとてもすっきりしたという思いがしました♪
きちんと文章にしてみる、言葉にしてみるって大事だなぁと思いました。

この歳になって歩くということの大切さに私は気づいたので、学生のときにこういう夜中も歩くという行事があっても「疲れる～」とか「めんどくさ～い」という感じだけで、彼らのようにきちんと誰かとゴールしようとか、楽しみに思ったりとかできなかっただろうな。とも思うのですが、こういう行事が私の高校にもあればなぁ～と思わずにはいられませんでした。

先日行ったボーイスカウトのキャンプで、目の前数メートル先の道さえ見分けられないような闇の中を歩くという経験をしました。
とてつもない不安と、一緒にいる人との連帯感を強烈に感じた十数分でした。

大人になって『夜のピクニック』のような経験をしたかったら入隊するといいかもしれませんね。

帯に『この一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった。』とあったのですが、この主人公達がたくさんの思い出を作れて、学生生活最後の行事を終えたことが本当に羨ましかったです。

こうして私もそんな学生になった気分を味わえる。これが読書の追体験的醍醐味なんだよな♪と改めて思うのでした♪

この本は買いです!!

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