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夜が待ち遠しい

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さかまたつみ

みなさんこんばんは、ようやく待ちに待った夜が来ました。今日も無事夜を迎えられたことを喜びつつ、今歩いている土地やこれから向かう場所、そこで見聞きしたことや思い浮かべたことあれこれを綴っていきたいと思っています。

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さかまたつみ @ Re[7]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) ひざげりさんへ確かにそうですねえ。ど…

ひざげり@ Re[6]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) さかまたつみさんへその店は「一組二人…

さかまたつみ@ Re[5]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) ひざげりさんへ元来、酒屋の店先で酒を…

ひざげり@ Re[4]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) さかまたつみさんへ前記のマスターは美…

さかまたつみ @ Re[3]:日暮里の女性だらけのイタリア料理店(06/10) ひざげりさんへある意味、空いてる居酒…

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2018/07/09

　湯島はぼくにとってはまだまだ敷居の高い町です。別に料亭に行こうとか芸者を上げようなんてことを思っている訳じゃないけれど、それでもよその町でするようには気軽にそこらにある暖簾なりを潜ろうとは思えぬのです。トラウマなんて言うつもりはないけれど、それでもこれまで、気安い雰囲気の店のつもりで入ってみて痛い目にあったことは少なからずあるのです。確かにそうした酒場では、丁寧な接客や品質の高さは期待以上であったりするけれど、対価にに見合ったまでのもてなしを受けたとはとても思えぬのであるし、手持ちのお金で何とかなるであろうという淡い期待をあっさりと打ち消すだけの勘定書きを何度目にしたことか。そしてその後の始末に以下ほどの労力を強いられたかについては、もう思い出したくもない程なのであります。これは一体どうしたことなのだ。湯島にも手頃な酒場がある位の経験と知識はそれなりにあるつもりです。だけれどもそうした酒場を訪れる度に、特に常連らしき人々を眺めると、彼らは何を求めてここを訪れるのか、疑問に感じざるを得ないのであります。いや、それなりに想像する所はなくもないのです。極めて凡庸で恐縮至極なのですが、それはきっと地位とかステータスの証左となりうるが故の散財なのではなかろうか。そりゃまあ値段には厳選素材というプレミアム価格がある程度は反映されているのだろうけれど、その違いを裕福層が必ずしも、てか大多数が理解してなどいない事は既にテレビなどで白日のもとに晒されているではないか。幾ら金と薀蓄を蓄えようと違いに鈍感な連中はいつまで経っても成り上がり扱いされるばかりなのだ。然らば金もなく違いも分からぬものはどうなのだという追求には固く口を閉ざさざるを得ないのです。

　今宵訪れたのは「七福神岩手屋支店」であります。今宵などという雅な表現はこの老舗酒場にはしっくりとくるような気がします。それを用いるのが粋なおぢさまだったりしたら若い娘っ子はおぢさんの魅力に開眼するなんてことも起こりかねぬかも知れぬ。今宵は月が綺麗ではないかね、夜風に吹かれて歩いてみないかいなんて声を掛けられて湯島の雅なホテル群の一軒にうっかり誘われるなんて事が起こりうるかもしれぬのだ。それはまあぼくには縁のないことない話らしいからこれで終いにして、「岩手屋本店」がより風雅というにふさわしいと思わぬでもないのだけれど、いずれも何度かは訪れているにも関わらずようやくにして今回、外観と位置から判別できてそれは大変目出度いのであります。上の写真が本店で下が支店。外観は白壁の本店に明らかに分があるけれど、支店の方は支店らしく本店よりもくだけた印象で、少しばかりの気取りと気構えを求められている気がする本店よりも随分気安い雰囲気があって、それぞれに愛するに足るお手本にしてもらいたいよあな完成度の高いお店だと素直に思うのです。定評のあるお店に対しては、辛口気味の発言が多いと日頃指摘されることのある―実際はほとんど言われたことがないし、居酒屋に限らず何に対してもシニックというよりも憎まれ口を叩く事ばかりと言われることはままあります―ぼくでも素直に胸襟を開きたくなるのです。ここでは何を摘んでも何を食べてもしみじみとおいしく感じられます。馬鹿みたいに高級な厳選素材を用いているのではないのでしょうが、それでも充分においしいのです。ぼくなんかもミーハーなところがあるから、有名酒場にはちょくちょく足を運んでいますが、本当に満足できることは稀にしかありません。有名酒場の多くは実力があるから有名なのではなくて、それなりの有名人なり著名人なりがここはいいと軽々しく太鼓判を押すから有名になるだけなのであって、彼らだって本当に心から愛して内緒にしている酒場の一軒や二軒あるのだと思いたいのです。ここは有名になっても変に奢ったりせず実直に続けてこられたことがひしひし感じられるやはりいい酒場です。

　続いては、勢いに乗って有名バーの「EST!」にお邪魔しました。看板の「EST! EST!! EST!!!」の表記が昔から粋でかっこいいなあとあこがれ続けた、そして三島由紀夫も愛した老舗酒場であります。言うまでもなく内装はすばらしくて、かと言ってごてごて飾り立てたりしない辺りが洗練されています。この界隈のさらに古参店で勘定書きに仰天させられたことがあるので、びくびくして奥手になっていましたが来てみてよかった。そうしょっちゅうは来れないだろうけれど、何かちょっと特別な事でもあった時にはぜひ訪れたいお店として記憶に留めたいと思います。

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