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職場で、挨拶されて往生することがよくある。顔は見たことがあるのだが、名前やどういう人だったかどうしても思い出せない時だ。私の記憶力が悪いためもあるが、誰に聞いても多かれ少なかれ同じようなことはあるようだ。ただ一回だけ診療した方なども含めて、極めてたくさんの人を相手にしているので、ご勘弁願いたい。 患者さん本人なのか家族なのか、家族なら本人は元気になったのかどうか分からない場合は、下手な事は言えない。「父がお世話になりました」と言われ、「その後、お元気ですか?」と聞いてしまい、「あの時亡くなりましたよ」と言われた、というような失敗につながる。「どちら様?」と聞く手もあるのだが、名前を聞いてすぐ思い出せばよいが、分からずに墓穴を掘る恐れもある。それで、実際にはあたりさわりない挨拶に終始するのが相場になる。 ある時、病院の廊下で中年の女性に挨拶されたが、例によって誰だかを思い出せない。しかし、ごく最近この女性とかなり込み入った話をしたのは間違いない。おそらく、担当患者さんのごく近い肉親であろう。名前を聞くこと自体も失礼な方だと思える。挨拶しながら必死に思い出そうとしたが、思い出せない。いくらなんでも、プロとして情けない。自分を責めた。その後、注意して病室を見ていたが、2週間くらいたっても顔を会わせることはなかった。しかし、そのことを忘れかけたある日、突然思い出したのだ。それは、偶然女性の職場で、再び鉢合わせた瞬間だった。 そうだ、患者さんではなくて、飲み屋のママだったのだ。
Jan 31, 2005
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今日は加藤正夫プロの追悼番組を見て、あらためて若すぎる死を惜しむ。間近に加藤プロを見たことはないが、NHK杯で加藤九段の碁を見るのは楽しみだった。足が遅そうだけれど遅れない、力強くてじわじわ締め上げるような攻めは、憧れていた。その感じだけでも真似したいなあといつも思った。 その後の活躍が華々しくて忘れていたが、以前殺し屋の他に万年2位というニックネームもあった事も思い出した。木谷門では珍しく晩成型で、最近でもまだどんどん強くなっているように思えた。武宮さんが、加藤さんの碁の強さは辛抱にあると言っていたが、なるほどと思った。辛抱できずに足早に展開すれば攻めの碁にはならない。やはり、生き方と棋風は切っても切り離せないものなのだろう。 以前加藤さんの本ですごく影響を受けたような気がして、探してみた。昔は立ち読みが多かったので、あまり棋書が残っていないが、一冊発見した。「碁風をさぐる。加藤正夫 攻めの戦略」成美堂。何と、ところどころにペンで書き込みがあるのにびっくり。ほとんどそんな事はしたことがないのだが、加藤流の攻めの思想によほど感銘を受けたのであろう。 また今日も解説していたが、小林光一戦での後手で棒つぎして狙いを残した手は、当時も衝撃的であった。小林名人が気がつかなかったくらいだから、歴史に残る妙手だと思う。この当時は、何でこんな手がひらめくんだろうと思った。しかしこの手は、単にひらめきというのではなくて、足が遅くてもじっと我慢して目標に向かっていくという、加藤さんの碁風や生き方が生み出した手だと今は思える。 長生きしていれば、さらに大きな仕事と芸を見せてくれたと思う。しかし、加藤さんは人の心を動かし、棋院の改革の精神は必ず受け継がれるであろう。そして、名棋譜は永遠に残るのである。
Jan 30, 2005
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テレビを見ていたら、今日は土用の丑だそうだ。最近は、十二支の書いてあるカレンダーが少ないので言われないと気づかない。夏の土用の丑ではないが、今日はこれにちなんで大好きなうなぎの話。 うなぎの蒲焼は、日本料理の中でも世界に誇れるものの一つと思う。 ヨーロッパにもうなぎはいるのだが、食べた人に聞いた話では大味でひどく脂っこいらしい。日本にいる種類のうなぎは、マリアナ海溝で生まれ中国や日本の川に上ってくると言われている。養殖うなぎは、川を上って来る稚魚を捕らえて育てるのだ。成魚は、再びマリアナ海溝に帰り、そこで産卵する。日本の環境破壊のため、うなぎの大半は中国経由になっていると考えられるが、最近は中国の環境破壊も進んでいるので、近いうちにうなぎは食べられなくなるかもしれないのだ。 名古屋には、ひつまぶしという料理があるが、私はこれはあまり好きではない。お茶づけや混ぜご飯としては最高に美味いのは間違いないが、うなぎを美味く食べる料理とは思えないのだ。やはり、蒲焼をのせたうな丼が最高だと思う。東京などの老舗で食べると、やはりさすがと思うが、生まれ故郷の松本にある桜家のうなぎが一番好きである。美味しいだけでなく、うなぎを食べるというのは子供にとっては最高のご馳走であり、心の底にその味がしみこんでいるのだろう。桜家には、笹蒸しというチマキみたいな料理があり、これも美味しい。今は、都会のデパートでもよく売っていて全国区になっているが、本店で食べる味は格別である。 しかし、今まで食べたうなぎの最高となると、浜名湖のたきや漁に行った時に食べた、取れたての大きな天然うなぎの蒲焼である。 http://www.hamanako.com/resort/window/62.html極めて上品な脂がよくのっていて、そして肉の味わいが深い。普通の養殖うなぎとは、比べようもない。このうなぎを食べてしまったのは、幸か不幸か。二度とは食べられないかもしれないのだ。天然うなぎと言っても、街中の店で食べて、大した事ないなと思ったことがある。水揚げから時間がたって痩せてしまったためだろうか。 うなぎについて勉強したい方は、下記がお勧めです。 http://www.hamanako.com/unagi/index.html
Jan 29, 2005
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碁において手つきというのは、味わい深いものの一つである。手つきを見れば相手の実力がわかる。会心の一手を打つときは、最高の手つきで打ち、その打ち応えも楽しみたい。また、プロの美しい手つきを見るのもNHK杯の楽しみでもある。ただ、最近はネット碁や切れ負けの碁を打つことが多くなり、手つきを楽しむ機会が減っているのは残念である。 私は、布石の段階や自信のない手の時はさり気なく打つ方であるが、すべての手を会心の手つきで打つ人もいる。この場合は、まさに一手入魂という気合が伝わってきて見ていて気持ちがよい。感心するのだが、これはなかなか真似できないものだ。やはり、気持ちの盛り上がりにも強弱をつけないと凡人の精神力では一局持たないのだと思う。さすがにプロでは、小林光一9段や依田碁聖などそのタイプは多いが、アマでは少ない。私が見た中でその代表は菊池康郎氏と高林共平氏である。また、別稿でも取り上げたいが高林氏の場合は、プロも含めても1~2位を争う美しい手つきの上に、対局時計を押す手つきまでが流れるような芸術と言ってもよいだろう。村上文祥氏は対照的に、時々つまむようなひょうきんな打ち方もしていた。最近見た中で感心したのは、熊本の糸山君である。まだまだ手つきには年期が入ってはいないが、すごい一手入魂、例え苦しい場面での不本意な手でも力強く打っていた。ぜひ続けてほしい。 美しさという点で、私が知るプロ棋士では、梶原武雄9段、武宮正樹9段が双璧と思う。この辺はおそらく異論がないであろう。依田碁聖も好きだが、もう少し年期が入るとさらに良くなると期待している。 手つきですぐ実力がばれるのはよくある話しだが、実は一つ例外がある。碁打ちが将棋を指す時である。これに対して、将棋指しが碁を打つ場合はえてして大した事がない。将棋指しは、かなり強くてもつまむような持ち方をする人もいる。また、人さし指と中指ではさむ持ち方は、将棋の駒より碁石の方が難しいらしい。経験的に碁石をきちっと打てる人は駒も綺麗に指せるが、その逆は必ずしも言えないようだ。これに関連して面白い話があるので紹介する。 大学時代、将棋の団体戦は7人編成だったので、遠くまで出かける選手がなかなか集まらず、運転手を兼ねてたまに私も駆り出された。ある時、高段の相手に当たったらしいが、そんな事はこちとら知らない。全力で考えてがんばっているうちに何と初級者の私が勝ってしまった。実力差を知る周囲は、皆びっくりしていた。どうやら対局前に誰かが私を元奨励会だと吹き込んで、相手は私が将棋を指す手つきを見て信用したらしい。相手には申し訳ないが、私には大学時代のいい思い出である。ところでこの頃、北信越地区には今や全国区の前川尚三氏がいた。さすがに彼の手つきはダントツで惚れ惚れするものだった。
Jan 28, 2005
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今日は、風邪がひどくて体調が悪いので小ネタでいく。 この業界は、お恥ずかしいことながら私も含めて字が下手な人が多い。しかも、忙しいので急いで書くから下手な上に乱筆になる。紹介状が読めなくて、患者さんからさり気なく聞き出そうすると、「それ紹介状に書いてないんですか?」と言われ往生することもある。「その紹介状が読めないんですよ」とはさすがに言えない。でも、最近の文書はパソコン入力が一般的になりつつあるから、ご安心を。 同じ職場内での部署間のやり取りには、依頼書というのが使われる。要するに紹介状みたいな物である。どこでも、複写で上段に依頼内容を書き下段にその返事が書かれるスタイルが多い。ある時、大先輩に依頼をしてその返事が来た。ところが返事の欄だけでなく、私の依頼文の方に、何やら赤字で書き込みがある。失礼な事を書いて注意されたのだろうかと身が凍りつく。ところが、その赤字が読めない。近くにいた何人かの職員に聞いたが、誰も読めない。うーん、困った。もし怒られたのなら、廊下で会って何も言わないわけにも行かない。意を決して、本人に聞きに行ったのだ。「これ何と書いてあるのでしょうか?」その答えを聞いてびっくり。「この字が読めない」と書いてあったのだ。
Jan 27, 2005
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時々,子供が碁を打ちたいと言うので相手をする。今日も一局お相手させていただいた。 子供が3歳でポン抜きを覚えた時は、もしかしたら天才かと思った。驚いたのは、その後すぐに一塊になった石を抜く事を覚えたことだ。期待は膨らんだ。しかし、ここから2年以上全く上達がない。大石を取る喜びが忘れられないらしい。一直線に相手の石を取りにいくのだ。つけると、はさみつける。伸びると天狗の鼻につける。反対に伸びるとまた鼻づけ。自分の石が、ばらばらだろうと、あたりがかかろうがお構いなし。ひたすら、相手の石をあたりにしようとする。囲碁教室に行くと、覚えたての初心者には圧勝するが、ちょっとあたりがわかる相手とやると、ズタズタにやられる。万場券の味を覚えてしまい、それだけをひたすら狙う人のような感じである。あまり石が取れない対局が続くといやになってしまうので、私が相手をする時は、興味を引くために時々大石を取らせてあげる。「やったー。ぼく、お父さんより強い」などと喜んでいただける。果してそれがいいのか悪いのか。 一年生くらいで、もう一人前の碁を打つ子もいるがどういう頭の構造の違いがあるんだろう。そういえば、私も小学生のころに父親が碁を教えようとしたが、自分では興味がないわけでもなかったのに全然覚えられなかった。さすがに父親が根負けしたようだ。頭が悪いのか、それとも教え方が悪いのか?
Jan 26, 2005
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日本棋院ネットは、韓国の人と打てるのが面白い。しばしば予想もしない手を打たれる。あっという間に自分の知らない世界に引きづり込まれてしまう。そんな状況で右往左往していると、自分は今まで学んだ棋理や形にすっかり頼っているんだなあと思い知らされる。時に棋理もへったくれもなく、一直線に石や地を取りにくる相手に圧倒されて愕然とする事がある。今まで自分が信じていたものは何だったんだろう?こんな時は、碁がさっぱりわからなくなったと感じるのである。こんな気持ちになると必ず思い出すのが、大学時代に一時囲碁部にいたH君である。入学して来た時に、3~4段あったのだがほとんど碁を打ちたがらない。彼は、口癖のように「碁がわからない。」と言っていた。そんな難しく考えなくてもいいのにと思ったが、彼にとっては、わからない事が苦痛だったようだ。 碁とはつくづく奥の深いものだと思う。宇宙の神秘に匹敵する。のめり込めばますますわからなくなるのが魅力である
Jan 24, 2005
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今日は、所用で名古屋に行ったため、名古屋駅近くで夕食をとった。この季節、名古屋と言えば何といっても味噌煮込みうどんである。いつものように山本屋で、冬限定の牡蠣入り味噌煮込みを注文した。けっこう値がはるが、ここの牡蠣がまたすばらしいのだ。最上ランクには、牡蠣プラス名古屋コーチン入りがあるが、ちょっと味噌煮込みとしては贅沢すぎる気がして今のところ控えている。 火からおろされた土鍋が運ばれてくるが、気をつけないと本当に大やけどする。何しろ、土鍋の蓋をしてそのままほっておけば10分くらいは、ぐつぐつ沸騰しているのだ。ほくほくしながら、やけどに気をつけながら食べる。芯から温まる。冬だというのに汗が噴出してきて、セーターを脱ぐ。これが名古屋の夏だとすさまじい事になるので、初心者はまずは冬に食べるべきであろう。しこしこうどんと赤味噌の汁の味わいがたまらない。味噌煮込みは、硬いしこしこうどんと赤味噌でなければならない。名古屋以外ではなかなかこの組み合わせがない。信州味噌と柔らかうどんの煮込みも悪くはないが、全く別の食べ物と言ってもよい。 牡蠣が硬くならないかと思われそうだが、絶妙に計算されているで心配ない。しかも、並みの牡蠣ではない。丸々太った新鮮な牡蠣。当然、志摩あたりの牡蠣だと思うが、これほどの牡蠣はなかなかお目にかからない。 一気に汁まで飲み干す。熱いうちに一気に食べなければ、味噌煮込みに失礼である。もし誰かと一緒に行っても、けしてしゃべりながら食べてはならない。味噌煮込みを食べる事は、食べる楽しみだけでなく、スポーツの楽しみも入っているのである。全力で食べなければその真価を味わえない。うまい味噌煮込みを一気に食べ終わった後は、暑いお茶を飲みつつその余韻を味わう。満ち足りた充実感が体中を包む。まさしく戦い終わったあとのような満足感を与えてくれる食べ物を、噌煮込み以外に私は知らない。
Jan 23, 2005
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来週土曜日から、パンダネット上でパンダオープンが始まります。予選から毎週土曜日の長丁場なので、残念ですがとても参加できません。優勝賞金300万、賞金総額580万とインターネット棋戦としては破格ですから、上位のプロも相当参加するのではないでしょうか。どんなメンバーがそろうか楽しみです。パンダは、日本棋院ネット開業に合わせたように昨年終盤から次々とサービスを打ち出していますが、こんな奥の手を用意していたとはびっくり。メンバーが出揃ったら、レースの予想をしてみたいと思います
Jan 22, 2005
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人に勧められてひかるの碁の単行本を喫茶店で初めて読んだのは、2年くらい前でしょうか。その一場面で突然、忘れかけていた遠い昔の光景がよみがえってきたのでした。 ひかるが初めて自分の力で塔矢と対戦して、打ちのめされる。塔矢は、ライバルのふがいなさに怒り、ひかるはいつか塔矢に追いつくことを誓う。ひかるの碁においてまさにこのシーンこそは、宇宙戦艦ヤマトが地中から発進するあのシーンに匹敵する名場面でしょう。 私がTさんに初めて会ったのは、中学2年の時で彼は中3でした。少年少女囲碁大会が始まる前年のことで、初めて県大会が開かれたのでした。小さな部屋で、そこにいるほとんどが学校の先生で、参加者は小学生が多分2人、中学生が3~4人だったと思います。Tさんはすでに、アマ十傑戦の県大会で上位入賞するほどの実力者で超有名人でした。私は、碁を覚えてまだ1年くらいでした。精一杯戦いましたが、当然全く相手にはなりませんでした。同じ年ごろでとんでもなく強い人がいることに驚きました。誰かが、Tさんに聞きました。「手ごたえはどうだった?」 大会前に、多分誰かがTさんに結構強いのがいるよと吹き込んでいたのでしょう。彼は、「もっと強いと思ったのに」と残念そうに答えていました。私は、自分が不甲斐なく彼に申し訳ないような気持ちと、「よし、いつかは追いつきたい」という前向きさが混ざったような気持ちだったと思います。 その時は、自分の気持ちを表現する事ができませんでしたが、ひかるのシーンを見て記憶がよみがえり理解できたのでした。 その後も、Tさんは常に私の先を行きました。Tさんは、私をライバルとは思っていないでしょうが、私には永遠のライバルなのです。7~8年前に、十傑戦で対戦しひどくやられましたが、今度こそいい所を見せたいと思います。 ところで、Tさんは一時プロを目指していた事があり、ひかるの碁にも登場します。確かめたわけではないのですが、年恰好や設定からして間違いないはずです。機会があれば、梅沢プロに確かめてみるつもりです。
Jan 20, 2005
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魚のあたまは大好物だ。この季節だと、やはりブリの頭だ。昨日は、ぶりの頭の煮付けで一杯やった。ブリ大根も最高だし、酒蒸しにして、ポン酢で食べるのも美味い。他には、我が家ではトムヤムスープにもする。ブリの頭を見ると必ず思い出すのが去年の冬の恐怖体験である。 この時も金曜日の夜、でかいブリの頭を昆布と一緒に酒蒸しにして、妻と一緒に丸々一つをしゃぶりつくした。特に新鮮なブリで最高に美味い。いつものペースでビールを飲んでいたが、妙に酔いが早い。すぐにくらくらしてきた。一本飲み終わったころには、目がくるくる回ってうまく歩けない。動悸がする。「今日はやけに酔っぱらった、風邪でもひいていたのかな」と思いながら早々に床についた。布団の中でも目が回ったような感じがしていたが、すぐに眠ってしまった。2~3時間寝ただろうか、目が覚めた。くらくらする、動悸もする。続いてすさまじい吐き気が襲ってきて、嘔吐が始まった。その後、何時間もはき続けた。そして驚いた事に、妻も全く同じ症状を呈しているのだ。妻はアルコールは飲んでいない。どう考えてもブリの酒蒸しが原因だ。今まで経験した最もひどい二日酔いとも比べ物にならない。あまりの苦しさに動くこともできずにいたのだが、夕方からすこしずづ症状は和らいでいった。しかしその翌日もまだ、二日酔いのような状態であった。ブリの頭に毒があるに違いないと思い、ちょっとインターネットで調べたがそのような記述は見つからない。具合が悪くそれ以上調べる元気もないので、碁の弟子で最も博識であるK先生にメールで聞いて見た。ところが、こんな時に限ってかつて鬼と言われた大師匠の顔になる。情報収集と分析をして報告せよという返事だ。鬼だ。 まず、魚を買った店に電話。ブリの頭は50匹分販売したが、すべて新鮮なもので、食中毒の連絡はない。北海道の日高昆布の業者に電話。一切添加物は使ってないし、今までそんな事は一度もない。保健所に電話。他に報告もないし、そんな事は聞いたことがない。次に、ネットで食中毒関連の検索を進める。添加物による、アセトアルデヒド中毒というのが似ているが、添加物は入っていない。さらに検索、そしてついに原因にたどり着いた。 まず間違いなく、ブリの頭によるヒスチジン中毒である。ヒスチジンとは、ヒスタミンの前駆物質であり人の体内にも存在する。青味や赤みの魚に時に多量に蓄積されていて、水揚げ後に細菌の働きでヒスタミンに変化して中毒を起こすらしい。アメリカでは、ツナで同じような集団中毒の報告が散見された。まさかブリの頭に毒があるとは、めったにない命がけの貴重な経験をした。しかし、それでもブリの頭を食べるのはやめられない。そのかわり抗ヒスタミン剤は用意してあるのだ。(注意:一般の人はすぐ病院に行くこと)
Jan 15, 2005
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羽根棋聖が先勝しましたね。ずっと不調だったので心配していましたが、結城9段の得意とする乱戦を制したので、心配ないと思います。4-0で羽根棋聖防衛と予想します。 私の仕事の大師匠にして碁の弟子であるK先生は、「プロの中での強さの違いは精神の安定の違いである」という持論であり、なるほどと思います。羽根先生の精神の安定は抜群であり、これは羽生やイチャンホに通じるように感じます。対して、結城プロはテレビの画面からも慌てているのがはっきりと伝わるほどで、そこが魅力でもあるのですが動揺しやすいタイプのようです。その意味で対照的な二人の対戦は、興味深いです。 ところで羽根棋聖の不調の原因は、「世界のトップになるために他人にはわからない改造の途中であるから」と推測します。いずれ再び、鬼のように勝ちまくる日が来ると信じています。
Jan 14, 2005
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昨年の職場の忘年会で、まさにミステリーゾーンに入ったような不思議体験をしたので報告します。 忘年会は例のごとく、松健サンバやら、ヒロシやら、それぞれ準備した出し物で盛り上がりました。で、締めの挨拶という事になって、たまたま参加者の中で年長だった私に御指名がきました。それで、これだけ盛り上がった流れの中で型どおりの挨拶というわけにもいかないわけです。振りとして「実は、皆さんに申し訳ないと思いながら隠していた事があります。私にはちょっとした趣味がありまして、以前から思い温めていたことがあります。このような席で話すのは、心苦しいのですが」と前置きした後に、「実は今年の大晦日にK-1にデビューします」とかましたわけです。会場どっとこけるかと思いきや、何とも言えない異様な雰囲気。なんと、大半の人がそれを真に受けて信じてしまったのです。その後、「すごい、すごい、ホント」と質問攻めです。こちらも、すぐ否定するのもヤボなので「ホントかどうか大晦日見てください」と答えました。一種の催眠効果とでも言うのでしょうか。後日、あの冷静なT先生が私に、「例の件はホントですか?」と聞いて来たのにはあきれました。こんな不思議体験は、生まれて初めてです。いくらなんでも、こんな非現実的な事を信じてしまうとは。みなさん、こんな経験ありますか?
Jan 12, 2005
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絵に描いたような手筋というのは、なかなか実戦には出現しないものです。先日、碁歴25年の中でも、あまり記憶にないような綺麗な手筋が実戦に出現しました。以下棋譜で最後のマクリからの3手です。最終の桂馬の手でも、他の手では味が悪いはずです。 http://www7a.biglobe.ne.jp/~nipparat/tesuji2.JPG(;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.998]SZ[19]HA[3]PB[M君]BR[]PW[私]WR[]GN[レート戦]EV[対局用]RE[W+Resign]KM[0.0]AB[pd][dp][pp];W[cd];B[ed];W[id];B[dg];W[mc];B[cf];W[qf];B[pf];W[pg];B[qe];W[of];B[pe];W[rf];B[og];W[ph];B[nf];W[oh];B[ng];W[qn];B[jp];W[nq];B[oo];W[qq];B[pq];W[qp];B[om];W[po];B[op];W[nh];B[dn];W[lq];B[jq];W[lo];B[pn];W[qo];B[qm];W[pl];B[pm];W[nn];B[on];W[pr];B[or];W[qr];B[mp];W[np];B[lp];W[no];B[nm];W[ko];B[mq];W[kp];B[kq];W[nr];B[lr];W[ll];B[mk];W[lk];B[mj];W[ml];B[nk];W[pk];B[nl];W[ne];B[oe];W[mf];B[me];W[ki])
Jan 10, 2005
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