nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

Jan 28, 2005
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テーマ: 囲碁全般(752)
カテゴリ: 囲碁
 碁において手つきというのは、味わい深いものの一つである。手つきを見れば相手の実力がわかる。会心の一手を打つときは、最高の手つきで打ち、その打ち応えも楽しみたい。また、プロの美しい手つきを見るのもNHK杯の楽しみでもある。ただ、最近はネット碁や切れ負けの碁を打つことが多くなり、手つきを楽しむ機会が減っているのは残念である。
 私は、布石の段階や自信のない手の時はさり気なく打つ方であるが、すべての手を会心の手つきで打つ人もいる。この場合は、まさに一手入魂という気合が伝わってきて見ていて気持ちがよい。感心するのだが、これはなかなか真似できないものだ。やはり、気持ちの盛り上がりにも強弱をつけないと凡人の精神力では一局持たないのだと思う。さすがにプロでは、小林光一9段や依田碁聖などそのタイプは多いが、アマでは少ない。私が見た中でその代表は菊池康郎氏と高林共平氏である。また、別稿でも取り上げたいが高林氏の場合は、プロも含めても1~2位を争う美しい手つきの上に、対局時計を押す手つきまでが流れるような芸術と言ってもよいだろう。村上文祥氏は対照的に、時々つまむようなひょうきんな打ち方もしていた。最近見た中で感心したのは、熊本の糸山君である。まだまだ手つきには年期が入ってはいないが、すごい一手入魂、例え苦しい場面での不本意な手でも力強く打っていた。ぜひ続けてほしい。
 美しさという点で、私が知るプロ棋士では、梶原武雄9段、武宮正樹9段が双璧と思う。この辺はおそらく異論がないであろう。依田碁聖も好きだが、もう少し年期が入るとさらに良くなると期待している。
 手つきですぐ実力がばれるのはよくある話しだが、実は一つ例外がある。碁打ちが将棋を指す時である。これに対して、将棋指しが碁を打つ場合はえてして大した事がない。将棋指しは、かなり強くてもつまむような持ち方をする人もいる。また、人さし指と中指ではさむ持ち方は、将棋の駒より碁石の方が難しいらしい。経験的に碁石をきちっと打てる人は駒も綺麗に指せるが、その逆は必ずしも言えないようだ。これに関連して面白い話があるので紹介する。
 大学時代、将棋の団体戦は7人編成だったので、遠くまで出かける選手がなかなか集まらず、運転手を兼ねてたまに私も駆り出された。ある時、高段の相手に当たったらしいが、そんな事はこちとら知らない。全力で考えてがんばっているうちに何と初級者の私が勝ってしまった。実力差を知る周囲は、皆びっくりしていた。どうやら対局前に誰かが私を元奨励会だと吹き込んで、相手は私が将棋を指す手つきを見て信用したらしい。相手には申し訳ないが、私には大学時代のいい思い出である。ところでこの頃、北信越地区には今や全国区の前川尚三氏がいた。さすがに彼の手つきはダントツで惚れ惚れするものだった。





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Last updated  Jan 29, 2005 12:21:13 AM
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Comments

nipparat @ Re[1]:追悼 畑正憲氏(04/08) GO!さんへ  ぜひお楽しみください。今回…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) 11/11にしずおか囲碁まつりでまた伺う予定…
GO!@ Re[2]:追悼 畑正憲氏(04/08) nipparatさんへ 久能山東照宮は行ってみ…
nipparat @ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) あまり確認しておらず、返事が遅くなりす…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) しばらくご投稿がなかったので、案じてい…

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