nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

Jun 19, 2005
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カテゴリ: グルメ
 碁は手談としばしば言われる。言葉を交わさないのに、着手を通してお互いの考えが伝わり、会話が成り立つ。碁の面白さの大きな要素と思う。そのためか、私はレストランなどに行ってもそのような思考をしてしまう癖がある。

 今日は、以前から気になっていた小さなイタリアレストランに入り、家族で昼食を楽しんだ。思った通り、いい食材を使い、しっかりした手作りの味で文句のつけようがなかった。それと、手談?の腕も相当なものだったので、堪能できた。

 子供と妻と私の3人で注文したのは、スパゲティーセット(ちょっとした前菜、ドリンク付)を2つ、ピザ一つ、トマトサラダ、セットのドリンクはオレンジジュースとコーヒー。これが、当方からの着手である。
 ここでまず、オレンジジュースという着手に対する応手が相当に興味深い。たいがいは、「オレンジジュースはいつお持ちしますか?」と聞いてくる。これは、大きな間違いはなく常に80点以上の応手であろう。何も聞かずに、食後または食前に出してくるのは、状況によって妙手にも悪手にもなり得る手である。他の着手のレベルが低い店なら、どちらにしても何も考えずに出したのだろうと思うだろう。相当な打ち手の場合は、こちらも考えさせられる。オレンジジュースは、小さな子供が飲むのだろうから、最初に出してあげようと考えてくれるためか、最初に出てくることも多い。これは相当の打ち手である。しかし、この店は何も聞かずに食後に出して来た。これは、高段の応手である。おそらく、子供がジュースを先に飲んでお腹が一杯になったら困ると考えてくれたのであろう。

 次に取り皿を出すかどうかである。3人で、この注文内容なら取り皿を使ってみんなでコース料理風に食べたいのだな、とすぐ理解してくれなければ初段は遠いであろう。しかし、こちらが言うまで取り皿を出してくれない店はかなり多い。当然この店は、取り皿を出してくれた。
 次に、料理を出す順番である。一気にいく皿も出したり、脈絡もなく出来た順に出してくる店は当然初級者である。サラダ、ピザ(この順は逆も面白い)、スパゲティーの順で出せれば、5級以上である。ただ、順番だけでなく出すタイミングでその実力が問われる。今日の店では、食べ終わるころにちょうど次の料理が出され、しかも味付けの違うスパゲティーもちゃんと順番に出てきた。ワインなどやりながら大人の会話を楽しむ時には、多少料理の間隔を空けてほしいが、家族の昼食ならこれが良い。トマト味のピザとスパゲティーの間以外は、取り皿も料理ごとに出されてきた。完璧である。
 今日は、思いがけず言葉を使わない会話を楽しむことができた。 





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Last updated  Jun 19, 2005 04:24:05 PM
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Comments

nipparat @ Re[1]:追悼 畑正憲氏(04/08) GO!さんへ  ぜひお楽しみください。今回…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) 11/11にしずおか囲碁まつりでまた伺う予定…
GO!@ Re[2]:追悼 畑正憲氏(04/08) nipparatさんへ 久能山東照宮は行ってみ…
nipparat @ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) あまり確認しておらず、返事が遅くなりす…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) しばらくご投稿がなかったので、案じてい…

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