nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

nipparatの日記 囲碁 不思議体験 

Dec 31, 2005
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テーマ: 囲碁全般(752)
カテゴリ: 囲碁
 私の「今年のこの一手」は以下の白1である。最高に集中した状態からひねり出し、難しい碁を制することができた。

toei1.jpg

 黒は金沢東栄氏。序盤に中央を制圧し自分ではうまく打てたと思っていたのだが、黒もしっかり地を稼いでいて形勢は微妙。下辺の黒に寄り付きがないと白が苦しそうである。
 今黒が中央を伸びてきたところ。黒もここを打たないと形勢に自信がなかったのかも知れない。白はここを素直に受けるとおそらく勝てない。
 パンチを入れるならこの瞬間しかない。必死に考えて浮かんだ手がこの白1である。以下のように進行して黒が潰れてしまった。

toei2.jpg

 白3のあてに対して一目逃げるのは、下につがれて下辺がうまく連絡できない。この後に黒が中央をあててから下辺に押さえ込んでも、白は一線に下がっていて渡りと中央切りが見合いになる。今年のこの一手は、周囲の条件が妙に白にうまくできていて幸運もあったが、最高に魂の入った手だったと思う。

 さて、もう一つ以下の図の黒1は最近ネット上で見た碁から取材した一手である。

pg1.jpg


 しかし、この手はそこの白一眼をしっかり奪っている。さらに、自分の目を絶対安全にして下辺か左辺の白のどちらかは絶対に取るぞという、亀のような強い意志から生まれた手なのだ。実戦でもこの後、左辺の白を取ってしまった。
 この亀の一手には魂が入っている。その魂に触れて感動したのである。この手を打ったのはブログ仲間のpgさんで、かの女はこの一手で「亀の殺し屋」の称号を手に入れたのは有名である。

 棋力に関係なく魂の入った手はすばらしいと思う。pgさんが将来高段者になってこの手を見たら、その愚直さに驚くかもしれない。しかし、その時の思いが蘇ってきて感動し海亀の涙を流すに違いない。
 私も若いころだったら、この亀の一手の価値にも気づかなかったかも知れない。今は、魂の入った手を残したいと強く思う。





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Last updated  Dec 31, 2005 12:20:17 PM
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Comments

nipparat @ Re[1]:追悼 畑正憲氏(04/08) GO!さんへ  ぜひお楽しみください。今回…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) 11/11にしずおか囲碁まつりでまた伺う予定…
GO!@ Re[2]:追悼 畑正憲氏(04/08) nipparatさんへ 久能山東照宮は行ってみ…
nipparat @ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) あまり確認しておらず、返事が遅くなりす…
GO!@ Re:追悼 畑正憲氏(04/08) しばらくご投稿がなかったので、案じてい…

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