※ライバル
先日高校生S君の碁を見ていて驚いた。見たのは中盤からだが、強豪相手に見事な打ち回しで押し切っていた。これほど、しっかりと打てるとは思っていなかった。一つ年上で同年代では全国トップクラスのY君の影に隠れていたけれど、もうほとんど遜色はない。Y君は序盤から中盤に天才的なヒラメキを発揮するけれど、中盤以降の力ならS君の方が上かも知れない。
S君の驚異的な進歩はY君への対抗心なくしては語れないだろう。S君にとってY君の存在は幸運だ。しかし、二人の関係を厳密にはライバルとは言えないかも知れない。S君の方は強烈にY君を目標にしているはずだが、Y君の方はS君ではなくて上を見ているはずだ。
先行する天才型のY君と追いかけるS君。ほんの数ヶ月でどんどん強くなる若い彼らは眩しいばかりだが、S君にはかつての自分が重なって気になるのだ。
※思い出
私にも幸運にもTさんという一つ上の目標がいた。Tさんは中学の時にすでに一般の県代表クラスの力があって、雲の上の存在だった。参加が二人か三人だった中学の県大会でTさんに完敗し「もっと強いと思った。」と素直にがっかりされて以来、Tさんに追いつくことが全てになった。Tさん抜きに自分の碁は考えられない。
一つ年下のH君は、多分Tさんと逆の関係だと思う。中学・高校といい勝負をしていたが、私にはTさんしか見えていなかった。結局H君は振り切った。今は全く名前を見ないがどうしてるんだろう。Tさんは人気実力ともトップクラスのインストラクターとなっている。
大学の囲碁部で出会った同学年のO君は、典型的なライバルと言えそう。O君は名門囲碁教室の出身で、入学していきなり全国学生ベスト4。その明るく筋が良い碁は田舎の碁会所育ちの私には衝撃的だった。彼に追いつくことに執念を燃やし、だんだん私の方が分が良くなったが、O君はすでに半分燃え尽きていたのか残念なことに2年ほどで部を止めてしまった。
とにかくこれからのS君とY君、どこまで駆け上がるか楽しみだ。特に急速に強くなっているS君に注目したい。
シチョウで取ってしまい困った話 Aug 22, 2018
知って損はない!プロ常用?ハメ手の話。 Jan 13, 2018 コメント(2)
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