秒読み絡みで地獄のような経験をしたのは、今は亡きアマ最強戦。相手は若手売り出し中で、この大会で初優勝したKさん。私の白番の碁。この2年前にも支部対抗戦の決勝戦でKさんと打ったことがあり、完全に舞い上がった私の無残なヘボ碁を週刊碁で晒されてしまい、しばらく落ち込んだことがある。今回は、負けても悔いのない碁を打とうを気合が入っていた。
白1に黒2が強手。この手でその右側に引いて白1子かかえになる形は打たれていたが、2は初めて見た。5の手筋から17までこの時は一本取られたのかかなと思っていたが、今研究すると良い勝負のようだ。
実戦図1

上辺で乱戦となり、以下のような局面。白1から3は劫材作りの手。白7と1子担ぎ出した。先手で黒を目2つにすれば白優勢だが黒8と反発し大きな劫になった。お互い若く、何んともすごい気合だ。
実戦図2

以下のような振り替わりになったが、ここでもいい勝負のようだ。ただ、白がかなり厚く、この後多いにチャンスがあったのだが、力の差が出て打ちまわされて結局押し切られた。
負けは力量差で仕方ないのだが、この局面の後地獄を体験することになった。スポーツ新聞主催で紙面や賞金は派手だったが、肝心の運営経費の節減で日本棋院の3階の1/3のスペースで行われていた。そのため、碁盤の隙間に碁笥と対局時計が入るのが一杯のキチキチの環境だった。とどうなるか?秒読みになってとんでもない事態になった。どの音が自分の時計の音なのかさっぱり分からないのだ。常に近所でピーピー鳴っている状態で、そればかり気になって全然集中できず、ほとんど半分くらいの時間で打つことになった。苦い思い出だ。
実戦図3
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