おそらく菊池先生や西村修さんが中心となって企画された棋戦で、すべての対局の打ち碁集が出されたり、これを題材にして石田章プロと高木祥一プロ著の棋書(天下六段・囲碁戦略)が出版されるなど憧れの大会だった。東西それぞれ
100
人近いチーム戦で、午前と午後に一局ずつ、相手を替えて
2
局打った。このころ愛知県に住んでいたので何度か誘われて参加したが、当時は愛知県(西)と静岡県(東)の選手が相当数を占めていたと思う。
白は山梨の強豪Tさんで、黒が私。右上で白が技を飛ばし面白い変化ができた。ここまで形勢は互角。以下実戦図で、左辺白 3 は 9 が良く、黒 4 では 9 、黒 10 では 11 のハサミツケが良かった。黒 10 の罪が重く、黒が一気に苦しくなった。
実戦図 1

その前の黒 2 では、下図のように下側を軽く見る打ち方が良かったようだ。
参考図

その後、左辺で劫争いになったが、黒が苦しかった。黒 2 に対し白は 4 に受けて下辺を劫材にすれば白が優勢だったが、白 3 と劫を解消して黒 4 と整形できて黒が優勢となり、その後もヨセで頑張り押し切った。
実戦図 2

Tさんは、大柄で迫力ある外見ながら優しい方で、後に山梨で対局がある度に名物のほうとうを参加者に振る舞ってくれて御馳走になった。その美味しさに病みつきになり、冬には頻繁にほうとうを食べるようになった。
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