偽三丁目~home home home~

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「さあ、共に世界を滅ぼそうか。我が愛稚児よ」
 世界は最悪だ。だから、どこへ行こうが最悪から逃げる事など出来無い。唯一逃げる事が出来るとすれば、それは『死』。けれどそれはあくまで可能性、仮定の話だ。それこそ愚行。もしくは一興。
 だから僕は死なない。第一、最悪だと理解している時点で世界に絶望などしていないし、そもそも対比物が無いのだから、最悪を最高と思っても良いんだ。単に、僕は裏切られない様に悪く考えているだけ。
 でも、きっと、人が僕だったら、絶望、するだろう。
「くそ……いいぜ。乗ってやるぜ神様」
 どうせ、俺がどう足掻こうと絶対だ。その絶対が云っているんだ。だから誰も『絶対』から逃れる事が出来ない。誰独りとして。
 だけれど。もし。絶対をムだとしたらば。

 覚えておこう。
 絶対に逆らってはならない。
 絶対は絶対故正しい。
 人はすべからずソレを知っている。
 だからー


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 世界は賑やかだ。毎日が毎日を繰り返し、毎日人が死んでは人が生まれ、毎日誰かが傷ついては誰かが癒されていく。ソレは誰もが理解しているのに、極稀に、世界の一部しか見えない僕らは『退屈』と呟いていく。
 仕方無いと言えば仕方が無い。それが僕らなんだから。
「たぁーいくーつだー」
 かく言う目の前の長谷もそうだ。一体名字はハセなのかナガタニなのかナガヤなのかオサダニなのかオサタニなのか友達かどうか定かでない彼は、僕に馴れ馴れしく話し掛けてくる。いつもいつも嫌な笑顔を浮かべて、たわいもなく屈託のない話をまき散らしては、やっぱりヘラヘラと笑う。少し頭のネジが足らないんじゃないかと疑るが、きっとそれは正しいと確信していたりする。
「うへっへっへっ」
 出た。脈絡もなく突然笑い出す。不気味だ。正直近寄らないで欲しかったりするのだが、極力荒波をたてたくない僕は流されるしかない。過去がやり直せたらやり直したいとは……まあ、思わなくもない。
「パンチラゲッツ☆」
 死ねば良いのに。長谷の視線の先には上級生か下級生か、はたまた同級生か分からないけれど、不幸にも絶対領域を不可侵された少女がスカートを整えて恥ずかしそうに走り去っていく。が、風も吹いてないのにどうやってパンチラを
「グッジョブ、鉄柵♪」
 なるほど。どうやら鉄柵にスカートが引っ掛かって。挙げ句コイツに視られて。彼女に取って不幸極まり無い出来事であったろうな。
「んだぁ? お前見逃したのかよ、ばっかでー。お前人生の99%損したぜぇ」
 なるほど。お前の人生パンチラに99%の割いているのか。すまんが残りの1%を是非とも教えて欲しい。
「そうかな。別に、視たくないし」
「ああ? そりゃねーだろー。お前なんで女がスカート履くか知ってっか? そら男に魅せるためだぜ? パンツを」
「ならパンツ一丁で充分だろ」
「つっつっつ……分かってない。お前は『視たいんでしょ? 視たら良いじゃない。けど、そう簡単に奉仕すると思って?』っとゆー女心と言うもの全く全然わくわってぬわぁーい!!」
 ごめん。
「………」
 む。どうやら顔は謝るのを忘れていたようだ。あからさまに不服そうな顔を奴は浮かべている。仕方なく慌ててやった。
「……で、お前は何で残ってんだ? こーんなだあーれも居ない教室でよ」
「残されてんだよ。コレで」
 机の上に置かれた紙を拾い上げ、ヒラヒラと掲げる。それには『進路志望先』と簡素に書かれたモノで、それに1、2、3と希望順に希望先を綴って教師に提出しなければならない。
「まだ出してなかったのかよ。そんなんでっちあげでも良いんだよ」
「いや。書いたんだけどね。返された」
「何て書いたんだよお前。珍しいぞ。進路希望書き直しってよ」
「さあ、何て書いたか。寝ぼけてたから、覚えてない」






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