2003年10月26日
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家を出たのは10時。
ところが、木崎湖あたりまで行くと、東の空から雲の大群が押し寄せてきた。えっ、天気って西から変わるんじゃなかったっけ。この分じゃ西股に着く頃には稜線は雲の下なんてことになりかねないと、ルート変更。
青木湖からサン・アルピナ鹿島槍スキー場へ登り、とりあえず鹿島槍の全容を見よう。登り切った途端、目の前に鹿島槍と爺ケ岳の岩峰が飛び込んできた。
すっごーい。久し振りに見るこの位置からの2峰は迫力がある。でも、紅葉にはいささか遅いかなと思うこの季節、写真マニアがわんさかいるのだ。いいよ、私、秘密のルート知ってるからと、3～4年程前に初めて見つけた小熊山トレッキングルートの方に車を乗り入れる。
ムムッ………。秘密のルートなんてとんでもない。もうすでに皆さんに良く知られたルートらしく、鹿島が見えるところには全て車と三脚の列があった。あきらめて、雲の大群と追いかけっこしながら、峠を下り大谷原へ急ぐ。最初からこっちへ来れば良かったんだと、思いきりの悪いいつもの自分を批判して…。
大谷原には車が1台きり。昨日入山したのかな。準備をしている間にも車は数台入ってくるが、大冷沢から鹿島を眺めてそのままUターンしていく。もったいないなあ、もうちょっと行けばもっといいのに。
デジカメだけ首から下げて、熊に出会った時の武器を兼ねるストックを持ってしゅっぱーつ、11時15分。
林道は落葉のじゅうたん。ブナやナラやカエデに混じって、大きなホウの葉がたくさん落ちていた。木についているときは気がつかなかったけど、こんなにたくさんの種類の葉があるんだ。ここで秋の自然観察会やったらいいだろうななんて。
フウーッ。
ガマズミ、ヨツズミ、アケビ、ヤマブドウの実が熟してきれい。もちろんこれ、熊も好物だよね…。後ろを見、横を見、前を見る。どこを向いても、やわらかな秋の色が続く。
大体は知り尽したこのルートでも、1年ぶりで多分初めての10月下旬の様相は意外の連続。
このカーブを曲がれば、どんな景色が見えてくるだろう。想像して当れば万々歳。違っていてもそれがまた素敵。
途中、白樺の幹にシタテハが翅を休めていた。絵になる！抜き足差し足忍び足、構える。その途端に飛び立っていった。
ほぼ1時間かけて、西股出合到着。押し寄せていた大群の動きは止まり、半分以上は真っ青な空。ちょっと回り込むと、見えた！！
鹿島槍の南峰から吊り尾根と東尾根第一岩峰。ああ、今年もここまで来れた。
鹿島槍への取り付きは、今は地下道になっている。大冷沢にかけた橋が、毎年雪崩や雪解け水に流されるので、もう数年前に砂防ダムの下に造られている。ダムの上まで登って、北股本谷に足を延ばしてみようかなと思ったけど、思っただけでやめた。
大きな石に腰を降ろして、軽い昼食。ここでハタと気が付いた。携帯の着信音で熊除けをしようと。曲は「アルプス一万尺」。間奏がやけに調子良くて、ついつい私の体もはずんでしまう。
と、その時、南峰の上に爺の方から、いわし雲が急ピッチに流れてきた。その移動の仕方がおもしろい。見上げている私を円心にして左回りに流れているように見える。えっ、こんな動き方あるの? 着信音を「花のワルツ」に変えてみた。リズムが合う。いわし雲一つひとつが女性のフレアースカートに見えてくる。しばし石の上に仰向けになってみとれてしまった。
見とれている…(^-^) 見とれている… (*-*） 見とれている…(~-~)
「また、来年来るよ～」
満ち足りた気分で、茂みからがさごそと林道へ出る、誰かがいたなら熊だと思うだろうな。
でも、今は誰もいない。多分熊もいない。この谷は今私ひとりのものだあー。
帰り道、「花のワルツ」に合わせて、私もダンスっぽく歩きながら下山開始、13時。
デジカメは容量の小さいカードを持っていったので15枚で終わり、途中から普通のカメラを使ったが、27枚取りのフィルムしか持って行かず、途中で終わってしまった。ええい、もう1本持ってくるんだった。同じ道でも登りと下りでは感じが違う。ああ、これも撮れない、うーん、あれもだめ。くそっ！残念！
大谷原着13時50分。幸せな、しあわせな小さな山旅が終わった。
※途中でロマンスグレーの男性に会った（もう大丈夫だろうと着信音を切った直後で良かった！）。互いにあいさつ。山姿がピシッと決まっていたなあ。今頃どこまで行くんだろう。
ところが、木崎湖あたりまで行くと、東の空から雲の大群が押し寄せてきた。えっ、天気って西から変わるんじゃなかったっけ。この分じゃ西股に着く頃には稜線は雲の下なんてことになりかねないと、ルート変更。
青木湖からサン・アルピナ鹿島槍スキー場へ登り、とりあえず鹿島槍の全容を見よう。登り切った途端、目の前に鹿島槍と爺ケ岳の岩峰が飛び込んできた。
すっごーい。久し振りに見るこの位置からの2峰は迫力がある。でも、紅葉にはいささか遅いかなと思うこの季節、写真マニアがわんさかいるのだ。いいよ、私、秘密のルート知ってるからと、3～4年程前に初めて見つけた小熊山トレッキングルートの方に車を乗り入れる。
ムムッ………。秘密のルートなんてとんでもない。もうすでに皆さんに良く知られたルートらしく、鹿島が見えるところには全て車と三脚の列があった。あきらめて、雲の大群と追いかけっこしながら、峠を下り大谷原へ急ぐ。最初からこっちへ来れば良かったんだと、思いきりの悪いいつもの自分を批判して…。
大谷原には車が1台きり。昨日入山したのかな。準備をしている間にも車は数台入ってくるが、大冷沢から鹿島を眺めてそのままUターンしていく。もったいないなあ、もうちょっと行けばもっといいのに。
デジカメだけ首から下げて、熊に出会った時の武器を兼ねるストックを持ってしゅっぱーつ、11時15分。
林道は落葉のじゅうたん。ブナやナラやカエデに混じって、大きなホウの葉がたくさん落ちていた。木についているときは気がつかなかったけど、こんなにたくさんの種類の葉があるんだ。ここで秋の自然観察会やったらいいだろうななんて。
フウーッ。
ガマズミ、ヨツズミ、アケビ、ヤマブドウの実が熟してきれい。もちろんこれ、熊も好物だよね…。後ろを見、横を見、前を見る。どこを向いても、やわらかな秋の色が続く。
大体は知り尽したこのルートでも、1年ぶりで多分初めての10月下旬の様相は意外の連続。
このカーブを曲がれば、どんな景色が見えてくるだろう。想像して当れば万々歳。違っていてもそれがまた素敵。
途中、白樺の幹にシタテハが翅を休めていた。絵になる！抜き足差し足忍び足、構える。その途端に飛び立っていった。
ほぼ1時間かけて、西股出合到着。押し寄せていた大群の動きは止まり、半分以上は真っ青な空。ちょっと回り込むと、見えた！！
鹿島槍の南峰から吊り尾根と東尾根第一岩峰。ああ、今年もここまで来れた。
鹿島槍への取り付きは、今は地下道になっている。大冷沢にかけた橋が、毎年雪崩や雪解け水に流されるので、もう数年前に砂防ダムの下に造られている。ダムの上まで登って、北股本谷に足を延ばしてみようかなと思ったけど、思っただけでやめた。
大きな石に腰を降ろして、軽い昼食。ここでハタと気が付いた。携帯の着信音で熊除けをしようと。曲は「アルプス一万尺」。間奏がやけに調子良くて、ついつい私の体もはずんでしまう。
と、その時、南峰の上に爺の方から、いわし雲が急ピッチに流れてきた。その移動の仕方がおもしろい。見上げている私を円心にして左回りに流れているように見える。えっ、こんな動き方あるの? 着信音を「花のワルツ」に変えてみた。リズムが合う。いわし雲一つひとつが女性のフレアースカートに見えてくる。しばし石の上に仰向けになってみとれてしまった。
見とれている…(^-^) 見とれている… (*-*） 見とれている…(~-~)
「また、来年来るよ～」
満ち足りた気分で、茂みからがさごそと林道へ出る、誰かがいたなら熊だと思うだろうな。
でも、今は誰もいない。多分熊もいない。この谷は今私ひとりのものだあー。
帰り道、「花のワルツ」に合わせて、私もダンスっぽく歩きながら下山開始、13時。
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