「中所得国のわな(Middle Income Trap)」は2006年に世界銀行がその『東アジア経済発展報告』の中で明確に提起した概念である。新興市場国は人口1人当たりの国内総生産(GDP)1000米ドルの「貧困のわな」を突破した後、急速にGDP1000~3000米ドルのテイクオフの段階を突き進む。但し、人口1人当たりのGDPが3000米ドルに近づくと、急速な発展中に蓄積された矛盾が集中的に爆発し、1人当たりのGDP1.1万米ドルを突破して高所得国の列に加わることが出来なくなる。この種の発展の停滞を「中所得国のわな」という。