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2015年09月09日
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富士スピードウェイ(FSW)が企業の存続に関わるとして中止を決断したF1GP。

 海外の老舗サーキットも財政問題から継続開催が困難であることが、度々報じられている。






F1:経済危機とは無縁の金満ビジネス 2013年9月14日 WIRED

 バーニー・エクレストンの支配するモータービジネスは、ここ数年の経済危機においてさえ、決して成長を止めることがない。巨大なF1ビジネスの内情を見てみよう。

 …(略)…




  「Formula Money」は毎年、この巨大なモータービジネスの分析を行い、データと情報を満載したリポートを掲載していて、スポーツマーケティングや同種の問題にかかわっている人には非常に有益だ(ただし、それほど親しみやすい値段では入手できない)。

 いちばんに目を引くのは、2003年から11年の間に、収入が7億2,900万ドルから15億2,300万ドルと、2倍以上に増加していることだ。目まいのするような金額がフォーミュラ・ワン・グループの懐に入っている。約30〜40の企業からなるグループで、これらはしばしばタックスヘヴンに拠点をもつ。ジャージーが本拠の、謎に包まれたDelta Topcoによって経営されており、グランプリや関連するすべての活動やイヴェントを管理している。主に銀行や投資ファンドの手のなかにあり、エクレストンと一族はわずか(ものはいいようだが)15%を所有しているにすぎない。




 売り上げの3分の1はテレビの放映権料、もう3分の1はサーキットがグランプリを開催するために支払わなければならない登録料からなり、残りがスポンサー料、マーチャンダイジング、その他のさまざまなサーヴィスから生まれる収入によるものだ。

 テレビ放映権料は、想定される視聴者の数次第で変化する。登録料も、すべて平等ではない。マレーシアやアラブ首長国連邦、シンガポールのような国々は、それぞれ6,500万ドル程度の多額の登録料を支払っている。その一方でモンツァ(イタリア)、モントリオール(カナダ)、シルヴァーストーン(イギリス)のような歴史的なグランプリでは、金額はずっと少ない(例を挙げると、イタリアのサーキットは700万ドル、カナダは1,800万ドル)。モンテカルロ(モナコ)は、驚くべきことに1セントも支払わない。

 新しいグランプリの契約、特にアジアでの契約は、毎年10%金額が上昇するようなかたちで結ばれる。こうしたことは、自らの財布からこの金額を支払うことになるその地域の政府には問題とはならないようだ。というのもF1は、全世界に向けて自国を売り出すひとつの方法だからだ。

 …(略)…





 エクレストン一族が手にする放映権料は15%かとのことだが、新規開催のレーシングコースは全てエクレストン氏の娘婿ティルケ氏の事務所の設計。

 F1ビジネスは様々なところで成立する。


 自国の名を世界に知らしめ、国際観光振興に結びつけるというビジネスモデルを描いたようだが、マレーシア:セパンサーキット、韓国:霊岩サーキット、インド:ブッダ・インターナショナル・サーキットともに観光開発は成功していない。



 いずれにしろ公的支援が前提であり、F1のイベント開催だけで地元主催者が潤うことはない。

 各国の主催からすれば、F1マフィアによる過酷な収奪システムともいえる。


…(略)…

 ショーの収益の半分弱となる約47.5%は、チャンピオンシップのトップ10のチームが、シーズンの総合成績をもとにして分配することになる。レッドブル、マクラーレン、フェラーリ……。なかでもフェラーリが、いちばんおいしいところをもっていくことはいうまでもない。



 さらにフェラーリは、フォーミュラ・ワン・グループと直接交渉できる唯一のチームで、そのため最も有利な経済的条件を享受している。というのも、失われれば全組織にとって致命傷となるであろうシンボルのひとつだからだ。フェラーリがフェルナンド・アロンソに年4,000万ドル、フェリペ・マッサに1,000万ドル以上も支払うことができるのは、こうした収入のおかげだ。ルイス・ハミルトン(2,500万ドル)、ゼバスチャン・ヴェッテル(2,000万ドル)、ジェンソン・バトン(1,500万ドル)のようなほかのチャンピオンは、その間くらいだ。

 さらに、レースに出るためにパイロット自身が費用を工面するチームも、特に第2級、第3級のチームでは少なくない。しかし、この点については「Formula Money」の分析ではそれほど明らかにならない。

 スポンサーのなかで最もいい場所を占めているのがマールボロだ。フェラーリに何と毎年1億ドルもの金額を支払っている(企業のロゴは規則によって表示できないことを考えれば、さらに信じがたい金額だ)。これに対して、ヴォーダフォンはマクラーレンに7,500万ドルを支払っている。もうひとつの巨大スポンサーは、サンタンデール・セントラル・イスパノ銀行だ。フェラーリとマクラーレンに年約6,600万ドルを支払っている。

 …(略)…







 F1はシャシー、エンジンなど車両の開発費規制を行っている。

 自分たちの懐を豊かにしない金は減らしたいように映る。

 F1ビジネスは、ドライバー、チームとも金持ちでなければ参加し続けることはできない仕組みになっている。

 エクレストン氏は、参加チームが増えないことを危惧しているようだが、それはマシンの開発費の問題ではない。




 巨額の開催権料と放映権料を手にした、F1ビジネスという集金システムは、イベントの魅力が他からかけ離れていればこそ成立する。



 新興国からの公的資金援助が枯渇した場合、F1のシリーズ戦は減る可能性が高い。

 参加チームにとってちょうど良いところに治まる、という保障はない。





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最終更新日  2018年10月09日 19時50分00秒
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