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2015年09月19日
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カテゴリ: 中国、台湾

 かつて中国の通貨「元」はドル・ペッグ制を採用していた。

 1979年、中国政府が外貨を管理するために、兌換元(だかんげん導入。

 外国為替専門銀行であった中国銀行が発行し、外国人が観光や商用で外貨を両替すると渡された。

 1995年1月1日、外貨兌換券廃止。

 2005年7月、通貨バスケット方式(米ドル、ユーロ、円など複数の通貨を組み入れて指標化し、その動きに連動させて為替レートを決める仕組み)に移行。




 実態は緩やかに変動するドル・ペッグの管理フロート。

 2009年まで人民元建ての貿易決済は認められていなかった。



 中国人民銀行など政府関連6機関が公布した『跨境貿易人民幣結算試点管理弁法』に基づいて、香港、マカオやASEAN諸国などの一部の国の企業と、許可を受けた中国企業間における決裁が対象。




 2012年6月、日本円・人民元の直接取引開始。

 日本円は米ドルに続き、人民元と直接取引を行う新たな国際通貨となった。


 溜め込んだ米ドルを自国通貨の信用力として、中国の途上国向け借款の拡大とともに、人民元は決済通貨としての役割を拡大した。

 2014年1~3月期、上海市場での円・人民元の直接取引が、中国当局の投機的取引監視強化の影響と思われる急減(前年同期比65%減)。

 2014年6月、ポンド・人民元の直接取引の開始。

 2014年12月、ウォン・人民元の直接取引開始。




 決済通貨としての利用拡大により、人民元は米ドルと同様、通貨供給量を拡大しても国内物価、為替レートへの影響が少ないとみられていた。


 2015年、人民元の為替レートが低下(元安)。



 元安になる国内要因があったという事になる。

 そして、中国政府が望んでいない元安が発生。




http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150904/ecn1509041550002-n1.htm
 ことごとく裏目に出る中国のテコ入れ この国に“経済学の処方箋”は通用しない


 上海株は下落基調が収まらない。以前から指摘しているように、党主導で図体だけを膨張させた異形の市場経済を党が制御できなくなったのだ。

 ところが、日本のメディアでは、中国を西側の市場経済国家同然に見立て、やれ金利を下げれば景気が上向くとか、元安で輸出が増えるなどという楽観論がまかり通る。中国では経済学の教科書に書かれているような処方箋は通用しないのだ。

 金融政策を例にとろう。利下げは一般的に「金融緩和策」と呼ばれる。ところが、中国は金利を下げると量的側面で金融引き締めが進む。

 …(略)…




 FRBは3度にわたる量的緩和策でドル資金発行量をリーマン前に比べて4倍増やしたが、人民銀行はドル増加量にぴったり合わせて元資金を増量してきたことが読み取れる。

 人民銀行はやみくもに元資金を発行するわけではない。流入する外貨を買い上げては元を市場に流し込む。元発行残高の約8割はドルを中心とする外貨の裏付けがある。2000年代初めはその比率が40%弱だったのだが、リーマン後に急上昇した。言い換えると、中国はドルの大増刷のおかげで元を米国並みの規模で刷り、不動産開発部門などに流し込んで投資主導型の高度成長を実現した。




 ところが、12年から13年にかけて中国の不動産市場はバブル崩壊して不振に陥り、14年初めからは国内資金や流入していた外貨が流出し始めた。貿易黒字は続いていても、外貨準備は増えなくなった。そうなると、人民銀行は元資金を増発しにくくなる。

 そこで、習近平政権は党、政府総ぐるみで株価押し上げ政策を打ち出し、株式市場に国内や海外の資金を引きつけようとした。14年10月に米国が量的緩和政策を打ち切ると、中国を含む新興国市場から資金が米国に逆流する傾向が強まるので、習政権は上海株価引き上げにますます躍起となったが、6月中旬、暴落が始まった。

 株価下落とともに、資金流出に加速がかかる。景気悪化も止まらない。そこで人民銀行はそれまでの利下げに加えて8月11日に元を切り下げ、輸出のてこ入れを図ったが、米国は9月にも利上げする動きを見せたので、元資金の流出がますます激しくなった。

 人民銀行は外貨準備を取り崩して元を買い上げるしかない。その結果、元の資金量は急減するという具合である。8月25日には追加利下げに踏み切ったが、資金流出を助長し、株安も止まらない。金融の量的縮小圧力がますます高まる。中国の通貨・金融政策はことごとく裏目に出るのだ。党が株式や外国為替など金融市場を支配する体制のもとでは、中国経済は悪循環から抜け出られないだろう。 

(産経新聞特別記者・田村秀男)




 膨大な外貨(米ドル)準備を裏づけに国際通貨になろうとした人民元は、本来一体ですすめられるべき国内経済施策との乖離が大きくなり、共倒れのような状況になった。

 他の多くの途上国のように、国内景気が良くても悪くても、マネーが海外流出する構造ならば、今回の景気の落ち込みは暗い将来(景気後退の反復)の始まりとなる。

 そして、中国での生産販売拠点を構えている企業だけでなく、基幹的な部品を輸出している企業活動の停滞は、日本経済に暗雲をもたらす。





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最終更新日  2015年09月19日 06時31分29秒
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