にしわき眼科クリニック。

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2011.09.29
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カテゴリ: 手術全般
 さて前回の日記の続きですが、最終的には日本アルコン社の「インフィニティ」というマシンを購入しました。

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 このインフィニティは、白内障手術機械の歴史上最も多く売れ、現在世界で最も多く使用されているマシンです。発売は2003年と古く既にモデル末期なのですが、この8年間続々と新機能が搭載され、絶え間なくアップグレードされてきたことにより未だに高い戦闘力を誇っています。その最大の特徴は、

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 通常の白内障手術機械が、水晶体を削るための超音波が縦にしか出ないのに対して、このインフィニティは横にも出るということです。

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 そして横に出る超音波というのは、縦に較べて効率が良い上に目へのダメージが少ないのです。ただ、横発振だけでは機械が詰まったりすることもあったのですが、

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 数年前にOzil IP(オジールアイピー)と言って、横発振だけでは無理な場合に必要な時のみに縦発振を入れることが出来るようになり、その欠点もほぼ解消しました。

 ここで何故私が最終的にインフィニティを選んだのかをまとめておきます。

1. どのマシンもそれぞれに特色があり選択は困難だったが、発想を変えて「もしも値段が全部一緒だったら自分はどれを買うだろう?」と考えたときに、インフィニティが一番だった。総合力で他社を上回った。

2. インフィニティは発売後8年が経過し、その間に欠点・弱点を一つずつ潰してきておりとにかく完成度が高い。良く「輸入車買うなら、熟成度の高いモデル末期を買え!」みたいな話があるが、まさにそれと同じ状況だった。

3. 私の開業しているエリアは高齢化率が極めて高く、そのために白内障が非常に進行した患者様が多い。そういった進行した「固い核」に対して、やはりインフィニティが他社に対して相対的に優れていた。

 ということでした。ただ、他社のマシンにもそれぞれに良い所はありました。ボシュロム社のステラリスは通常の核の固さの症例であればその前房(目の中の手術スペース)の安定性は驚異的でインフィニティを全く寄せ付けないレベルでしたし、アボット社のシグネイチャーもスペックが高くダブルポンプ搭載で本当に良いマシンでした。また唯一の国産ニデック社のフォルタスも基本性能に磨きをかけ実力のあるマシンでした。

 最終的にはボシュロム社のステラリスと日本アルコン社のインフィニティの2つが残り、最後の最後まで悩みました。率直に言えば、通常レベルの白内障であれば、手術の快適度・ストレスの少なさはステラリスに軍配が上がると感じました。ステラリス、本当に驚異的に良いマシンと思いました。ただ進行した白内障になるとインフィニティに軍配が上がることと、ステラリスはデモさせていただいた期間が短くて自分用のセッティングを煮詰めきれないまま最終判断せざるを得なかったこともあり、今回はインフィニティを選びました。

 ディーラーの吉田メディカル様、アーガス様、また機械メーカーの日本アルコン社様、アボット社様、ボシュロム社様、ニデック社様、本当に有難う御座いました。私はこれからニューマシンを得て、今まで以上に安全な白内障手術を提供できるように頑張って行きたいと思っています。






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最終更新日  2011.09.29 13:34:58


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