にしわき眼科クリニック。

にしわき眼科クリニック。

2013.11.30
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カテゴリ: 手術全般
さて大変勉強になった「眼科臨床実践講座2013」ですが、最後は「加齢黄班変性(AMD)の治療」のセッションでした。ここでは1つ衝撃的な話がありました。

 現在AMDの標準的な治療は抗VEGF薬というものを

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 目の玉の奥(硝子体:しょうしたい)に直接注射するものとなっています。効き目は抜群ですが、それがずっとは持続せず数カ月おきに怖い注射を打たなくてはならず、しかもお薬が極めて高額(1本10万円以上!)なのが患者様にとっても我々眼科専門医にとっても悩みの種になっています。

 そしてこの抗VEGF薬には無効例もありますし、もっと問題なのが耐性(使っているうちに効かなくなってくる)があることでした。実際に毎日臨床の現場にいても、「あぁ、もうこの患者様はいくら注射を打ってもダメだろうな。」と感じることというのは割りと頻繁にあることだったのです。

 今回のセッションでは抗VEGF薬の中でも現在売上ナンバーワンのラニビズマブ(商品名ルセンティス)の長期成績が発表されました。

IMG_6831.JPG

 そしてその結果は衝撃的なものでした。お薬を使って2年間くらいは症状が改善するものの、4年目くらいには元に戻ってしまい、7年後には薬を使っていても著明に悪化してしまう、という内容だったからです。

 抗VEGF薬は最近になって新しいものが増えている(参天製薬から発売された商品名アイリーアなど)ので、それらを順繰りに使って耐性化を防いだり、まだまだ様々な工夫をしていかなくてはならないんだな、と痛感しました。

 それにしても今年から始まったこの「眼科臨床実践講座」、本当に素晴らしい内容でした。来年も自分の葬式がない限りは (笑)、絶対に参戦したいと思っています。 

    眼科臨床実践講座2013参戦記 終






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最終更新日  2013.11.30 14:37:55


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