上手な双子の育て方


   5月20日の新聞に載っていました。参考になれば良いと思います。

 子育てが難しい時代、一人でも代返なのに双子だったら・・・。両親の肉体的、精神的、経済的負担は大きい。同じ立場の親が身近におらず孤独にもなりがちだ不妊治療の進歩で双子の出生が増える中、上手な双子の育児を、国立保健医療科学学院母子保健室の加藤則子室長に聞いた。   (篠崎理)

 厚生労働省の『出産に関する統計』によると、昭和50年に1人で生まれた赤ちゃん(単産)188万人に対し双子以上(複産)は2・1万人。平成12年には単産が170万人と激減しているにもかかわらず、不妊治療など、人為的な影響で複産は2.4万人と増加している。

 小児保健が専門の小児科医で双子に関する著者も多い加藤室長じは『双子の場、母親は妊娠中かた妊娠中毒症や、精神的な不安からストレスを抱え不眠症になるなど疲労が大きい』と話す。乳児期になっても、授乳や睡眠時間が合わない。2人を連れての外出は困難で、気分転換が出来ない。オムツや洋服代などの経済負担が大きい―などの悩みがある。

『双子の育児は1人より数倍大変です。だからこそなるべく楽してほしい』と話す。では、どうすれば楽になるのか。

 加藤室長は『まず2人の生活リズムを整えること。そのためには同時授乳が1番』という。母乳の場合、2人を立て抱きして母親は背もたれのあるいすに少し足を開いて座る。赤ちゃんを1人ずつ母親の太ももを挟むように座らせ、頭と背中を後ろから両手で支える。

 畳などの上に座ったり、あぐらをかいた1人を普通に飲ませ、もう1人は脇の下で、高さを調節した座布団などにのせ、背中から抱きかかえる方法もある。

 ミルクの場合、ラックなどに並べて寝かせ、ほ乳びんを両手にもち、飲ませる方法がある。『別々より時間を短縮できる。両方の乳房が空になり、母乳の分泌もよくなる』という。

 睡眠時間を合わせる事も重要だ。『昼も夜も毎日同じ時間に寝る習慣をつけるため、1人が起きたらもう1人を起こしてもいい。睡眠が少しでも重なったら、母親も睡眠をとり、体を休めてほしい』

 離乳食は、多くの食材を混ぜ、『一品物』することを勧める。食べた量を知るには別々の容器から与えたほうがよいが、こだわる必要はないという。『まとめて作る。冷凍する。市販品を利用するなど、なるべく楽に』とアドバイスする。

 入浴は、母親だけの場合、バスタオル・着替えなどをあらかじめ2人分用意し、できるだけ短時間で。母親は服のまま子供だけ入れたほうが楽な場合が多いという。

 ところで、育児費用は節約できるのでだろうか。加藤室長は『オムツやミルクは節約できないが、店によっても日によっても値段が違う。少しでも安いときにまとめ買いをするといい』と話す。衣類は親類などから何でももらう。インターネットや情報誌の『譲ります」のコーナーも利用価値は高いという。

 加藤室長は『双子の親は周囲に同じ立場の親がいないので悩みを抱えこみ、深刻になってしまう』と心配する。『「双子の会」などを保健所や、インターネットで探し、仲間を作って情報交換をすることが最も大切』と話している。

          2003年5月20日 火曜日 産経新聞 生活版より
ぺんぎん



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