その壱

私は、物心ついた時から

誰かに名前を呼ばれている。

でも、聞き覚えの無い声。

優しく、語りかけているような

妙に、懐かしい感じがする。

一体、誰なんだろう？

男でも、女でもない声。

１人に時はもちろん

誰かといても聞こえる。

だから、よく母に

『今、呼んだ？』と聞いていた。

母は『呼んでないで』と言う。

誰に言っても、信じて貰えなかった。

しかし・・・

『お母さん、呼んだ？』

今は、この現象が娘に起きている・・・。

私は、何度か生命の危機にあっている。

赤ちゃんの時は、兄が悪いのだけど・・・。

それを除いては、間一髪！！って事が多い。

学生時代に良くあった事・・・

青信号で横断しようとした時

車が突っ込んでくる。

それも、１度や２度でない。

しかし、渡ろうと思った時

後ろに引っ張られる。

誰かが私を、前に進ませないのだ。

これで何度、助かったことか。

自転車に乗ってる時にも

不思議な事があった。

急いでるから、スピードをあげようとすると

やたらと後ろが重く

なかなか前に、進まない。

急に、もとのスピードに戻る。

何で重く、前に進めなかったかを

ふと、考える・・・。

そのままのスピードで進んでいれば

間違いなく、事故になっていたと思われることがあった。

逆に、きつい上り坂。

一生懸命に自転車をこいでも進まない。

そしたら急に、自転車が軽くなり

なんなくスイスイ登れるのである。

この時は、誰かが、私の左の腰に

手をあててくれている感覚がある。

誰なんだろう？

今は、危険な事がありそうな時は

『止まっていよう』とか『どうこうしよう』と

頭の中でに浮かぶ。

これで、昨年末の『貰い事故』も

ケガをすることなく、車だけが犠牲になった。

『今日はここで、停まっとかなあかん』

と浮かんだのである。

いつも、助けてくれる人

ありがとう

中学１年生の時、

大好きだった祖母が亡くなった。

少し前から、昏睡状態が続き

いつ、どうなるかわからない状態だった。

ある晩、お風呂から上がって、体を拭いていると

『コンコン』と

脱衣所のガラス窓が音を立てた。

と同時に電話がなった。

『おばあちゃんが、亡くなったって！！！』

きっと、祖母が別れの挨拶に来てくれたんだ・・・。

それから私は、

不思議な体験をするようになったのである。

次のページへＧｏ！