NOVELS ROOM from ROCKMANZERO

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見守っているよ

見守っているよ


私の名前は…闇鞍亜珠里(やみくらあしゅり)…高校一年生…

今、学校の屋上…

何故って?
そんなの、自殺する以外どんな理由があるのよ……


私は、フェンスから下を除いた…


うわぁ…高いなぁ…
これで落ちたら一発だね…


私は、フェンスに足を掛けようとした。
その瞬間だった…

「キミさぁ、こんな夜中に何やってんのさ」

と、どこからか声が聞こえた。


おかしい、学校には誰もいないはずなのに…


私は、辺りを見回した。


何だよ…誰もいないじゃない…


そう思い前を向くと、そこに一人の青少年がいた。しかも、浮いている。

「うわぁ!!」

私は驚き尻餅をついた。

「あたたた……もう!誰よ、あんた!?」

私はその青少年に怒鳴りながら尋ねた。

「ボク?ボクはウィルド。キミを助けるために来たのさ」

ウィルドと名乗ったその青少年は、私の前に飛んで来た。

「私を助けるため?馬鹿にしないでよ!」
「馬鹿になんてしてないさ。さっきだってフェンスから飛び下りそうなところを助けたでしょ?」
「…………別に、助けてくれなくてもいいのに…」

私は、外方を向いた。

「それより…キミはどうして自殺なんかしようとしたのさ?」
「そんなの、あんたには関係ないでしょ…」
「関係なくないさ…ほら、話してごらんよ?」

私は、外方を向いたまま話始めた。

「学校がつまらないの…いつも来るたび、寂しい思いして…皆には避けられるし…生きてる意味ないから…そう思って…」
「そんな事だけで自殺しようとしてるのかい?ばかばかしい…」
「ばかばかしいって何よ!!私の気持ちも知らないくせに!!!」

私は、ウィルドに向かって怒鳴りつけた。

「…お~こわ…でも、そんな事になったのは誰のせいだい?キミじゃないのかい?」
「………………」
「図星のようだね…」
「だって…私、ただ男子と話してただけなんだよ…」
「それだけじゃないだろ?」

私は黙った。

「キミは無駄にはしゃぎすぎなんだよ。それに…話している声も無駄に大きい…だから皆にうるさいとか言われる…違うかな?」

全部当たってた。
私の事ずっと見ていたみたいだった。

「そう、だからこそ私はここから飛び下りて死ぬ事にしたの。私がいなくなれば皆嬉しがるだろってね…」


―バシッ!


ウィルドは私の頬をたたいた。

「…っ!何するのよ!!」
「馬鹿野郎!死んで喜ぶ奴なんてどこにいるんだよ!?いないだろ!?そんなちっぽけな理由で死のうなんて思ってんじゃねぇよ!!世界にはなぁ、生きたくても生きられねぇ人がたくさんいるんだよ!!だから簡単に死ぬとか言うなよ!!」

私は呆気にとられた。
だって、アイツ…ウィルドが泣いてるんだから…

「ちょっと…何泣いてんのよ…やめてよ…」
「だったら…簡単に死ぬとか言わない?」
「え………んと…わかったよ…言わない…」
「よかった…」

ウィルドは涙を拭った。

「だったら、自殺もしないよね?」
「…うん…」

そう私が言うと、ウィルドは空高く飛んで行った。

「ちょっと、もういくの?」
「うん、ボクは言葉のとおりキミを助けたから」

そして、姿が見えなくなった時にウィルドの声が聞こえた。

『キミはどんな事があっても乗り越えられるよ!絶対にね!』

ウィルドの声が聞こえなくなり、私はさわやかな朝を向かえた。




数日後…

私は、普通に学校へ通っている。

でも、何となく最近ウィルドの気配がしてならなくなった。

もしかしたら、どこかで私を見てるのかも…

そうだったら、いいのにな…


私は、空を見上げてから、前に向き直り、走って校舎に入った…











『いつも見守ってるからね、亜珠里♪』


THE END…


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